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記事一覧

竈の神  白蛇抄第18話 ー執筆中ー 25まで

白銅と二人、黒犬からおりたてばそこは二人の住まいの外裏庭におろされた。「念のいったことだ」白銅がつぶやく。「念がいっている?」「そうだろう。裏口におろしよるのだから」なにが念入りなのか、やはり、わからない。「わしは、はらがへった」「ああ・・」裏口をあければ、そこはすぐ、くどである。確かに念入りだとおもうが、やはり、気にかかる。 「うまく、いったのでしょうか」雷神はいづなを無事にすくいだせたのだ...

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竈の神・・・20・21

「榊縅之輔の思念の中に、大きな白い犬が映ってくるこれは、たぶん、犬神の大元、前世の最初ではないかと思うのだ」白い犬と一口で言ってしまうと法祥には判らない事であろう。「白い犬というのは、人間になりたい、と、思っているのだ」やはり、法祥は得心できない。「犬が?犬が、人間になりたい、と、思う?じゃあ、輪廻転生で、場合によっては私が、元は白い犬だったということだってありえる?そんなことが・・・」「あるだろ...

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金と銀の夢の鞍

庭に向かう細長い縁側に座布団をひとつおいて、私は庭を眺める。縁側のむこう床の間からは、キース・リチャードが流れてくる。暖かな日差しが差し込み、私は窓を開放する。庭と空間を共有すると、風が懐かしい香りをはこんできた。私の妻がうえた、金木犀が右に左に銀木犀。二本の木が花を咲かせ、その香りがあたり一面を占有していた。私と妻は見合い結婚だった。5つも歳が離れていたが、仲はよかったと思う。私の仕事も順調で、...

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竈の神・・19

なにか、妙だと感じただけの法祥であったが白銅は妙ではなく、はっきりとなにかを見抜いているのか「白銅さん・・良くない・・というのは?」「みっつ、ある」「みっつ・・・も?」「ひとつは、お前が聞いてきたことの裏だ」法祥はまだ、なにも白銅に告げていない。女の話がきこえる場所に居なかった白銅である。ー私を読んだということだろうか?ーだが、わざわざ読まなくても良い。じきに、法祥自ら伝える。取り敢えず、法祥が聞...

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竈の神・・18

昼には、烏丸まで、と、思っていたが鴨川縁に、人だかりを見た。それで足が止まったのだが、人だかりの真ん中に、あの口入屋の男がいる、と法祥がいいだした。「どれだ?」「あの、背の高い男です。着物を羽織っている、あの男です」妙な言い方をしているが、素裸に着物を羽織っているのではない。普通に、着物をきておいて、もう1枚薄手の麻かなにかの着物を羽織っている。羽織を重ねる様にもう1枚、着物を羽織る姿は上背があるか...

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拘束(蛮骨×蛇骨)

「ちっ」 口の中の小さな舌打ちだけが、今見たことを忘却の向こうに流しさることを拒む。 蛮骨は木陰の戯れが静まり一つの影が二つに分かれてゆくのを待った。 樫の木にもたれかかり、いつまでも滑らかな快さの余韻に浸っているのは、蛇骨  と 睡骨   である。  寄る辺の無い愛は無性に「誰か」をほしがる。 蛮骨とて、判りすぎている寂寞である。 「かといって、何も・・・」 仲間内に「誰か」を求めなくても、良かろうと...

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ロビンの瞳(ポーの一族より)

いつもの、図書室に変化があった。 ジャニスのお決まりの席は、閲覧室の隅の窓際のテーブル。 そこでの昼休み。 ジャニスは本を開く。 だけど・・。 この前の昼休みから、決まって、巻き毛の青い瞳の転校生がジャニスの向かい側に座った。 無言のまま、向かい合わせのまま、本を読む。 一週間が過ぎる頃には、ジャニスは無言の来訪者を待つようになった。 彼は決まって、ジャニスが座ったあと、5分ほどすると、現われ、 本棚の中...

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煙草の煙にのせて

病院の当直をおえると、北原さんが、横にならんだ。彼女も同じ当直番だったが、病棟が違う。職員玄関で、タイムコーダをおしたあと、すぐに、北原さんがやってきた。並んで駐車場まで歩くことになった。病院の隣にある駐車場まで歩く時、患者のうめき声が聞こえてきた。入院病棟は駐車場に面して建っているから、時折、患者の大きな声が漏れ聞こえてくる。「今日、搬送された男の人だよ」北原さんはその声の主を教えてくれた。「や...

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秘めやかなる想いは五月の空に(ポーの一族より)

萩尾望都作「ポーの一族」より        ―キリアン・ブルスウィッグに捧ぐ― 少し、けだるい昼下がりだった。 キリアンはもう一度鏡を見なければいけない。 今、鏡に自分の姿が映らなかった。 そんな気がした。 恐れていた因子がとうとう増殖しはじめたのか? バンパイヤであるエドガ―に血を吸われ 昏睡に陥ちいったマチアスが目覚めた。 キリアンはそのマチアスに噛まれてからこの五月でまる二年になる。 キリアンは変化を恐...

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竈の神・・17

朝食を戴くと、さそくに、足駄をはむ。大師も寺の外まで出て、二人の出立を見送ってくれた。「おまえは、三井寺には寄ったことはないのか?」都まであないするというくらいだから、そちこち、顔をだしていそうな気もする。「いえ、私は・・行方をくらますに必死でしたから」そうだった。生き残ってしまった法祥が都近くに居れるわけはなかった。「最初に、導師にかくまってもらって、それから、あちこちうろついて死ぬべきだろうと...

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竈の神・・16

三井寺の船場があるはずだと、探していると人影が岸辺に立ち、白銅らに手をふっているように見える。ようよう船が近づいていくと人影の姿がはっきりしてきた。ー大師だー三井寺の大師自ら、供連れもつけず一人、岸に寄るとは、いかなることだろう。そして、白銅たちを待っているようにも見える。大師は、寄ってきた舟を繋ぐ場所を指示すると白銅と法祥に深く頭を下げた。舟を繋ぎ終え、岸にあがると大師は、改めて 二人に合掌した...

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竈の神・・15

「ところでの、おまえはなぜ、銀狼が、邪な神だというか、わかっておるのか?」「先にいわれたように、憑りついて・・・」法祥の言葉を半分も聞かぬうちに白銅は違うと首を振った。「憑りつくと守護するの違いは判るか?」「憑りつくは、憑りつく側の身勝手で相手を利用している。守護は、相手の為だけを考えて守っている」「ふむ・・・おおかたは合っているがの大きな違いは、相手の根源力を増やすか減らすか 場合によっては生き...

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竈の神・・14

もう小半刻たつだろうか。法祥も白銅も言葉を交わす事なく魯をこぐ音と水音だけが、舟のうしろへ流れていた。悟るとは、さあと取れる事を言う。法祥は考えても考えてもさあ、と、取れるものを掴めずにいる。考えるだけ、無駄と言っても良い。「法祥、おまえは、なにを考えるか判っておらぬ。わしが、いうたのは、 自分で ということを考えろというたのじゃ」転がりだした岩を止めていたのは、小さな木であったろう。その小さな木...

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竈の神・・13

白石からもやいを解くと、いよいよ、白銅が舟をこぎ進めていく。座り込んだまま、白銅の魯さばきを見つめる法祥になる。「手慣れたものですね」「いや、わしは、これで二度めじゃ」勘が良いのか、一度めでよほど漕いだか二度めとは思えぬ魯さばきと思う。自分と比べるからそうであって漁師と比べれば 違うのかもしれない。「必死だったからの」必死で漕がねばならなかったという故は尋ねないことにして、法祥なりに思うことがある...

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竈の神・・12

白銅と法祥である。長浜の浜で舟を一艘借り受けた。長浜の青龍を護る陰陽師、白銅であればと、舟こそ貸してくれたが、いつ帰れるか判らないと告げたため漕ぎ手を断られた。漁師に任せたほうが、よほど早いのだが、無理をいえぬと二人で交代しながら、魯を漕ぐことにした。のは、良いのだが・・・白銅は、竹生島に草なぎの剣を探し求めたときにほぼ、一人で漕いだ。不知火は、「慣れておけ」と、そしらぬ顔だったが、今、まさに、今...

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竈の神・・11

「建御雷神という、雷神からやはり、いづなを考えてしまうのだが・・・考えてみると、奇妙だと思える」なにが、奇妙だというのだろう。善嬉がしゃべりだすのをじっと待つ澄明に成る。「奇妙だと思うのは、いづなが 銀狼に転生していながら、なぜ、元々の一族に、憑かなかったか、と、いうことだ」「それは、雷神の呪詛が・・あったせい・・あ?」澄明がなにおかに気付く。「だろう?雷神の呪詛があったとて元々の一族に憑く、この...

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竈の神・・10

「竈の神は、八代神の娘婿だという。ある時、竈の神は、八代神の怒りにふれて、地上に落とされた。なにをしでかしたのか判らぬが、それから、竈の神となり、人間の行状を八代神に伝えるように成った。と、いうことだ」それが、なぜ、銀狼との因になるというのか?「銀狼が、なぜ、ある一族のみに、憑いているのか、それは、手繰れぬ。だが、銀狼からすれば伴侶といっても良い相手を結果的に、堕としてしまう。これは、竈の神もまた...

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竈の神・・・9

「この前の銀狼、いえ、いづなの件は解決したのですがどうやら、新しい銀狼が、でてきたらしいのです」首領格がいなくなれば、次の者が台頭してくるのは、自明のことよ、と、善嬉が頷く。「その銀狼の出現に気づけずにいたところに法祥と竈の神が、銀狼が出てきたと伝えに来たのです」法祥は、心中の片割れだった伊予と木乃伊の関藤兵馬に八十姫と重臣孝輔をさらえて、成仏させている。あの水枯れの騒ぎのあと、八十姫らの塚には、...

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壬生浪ふたり・俄狂言・「恋語り」

久方の休日であるというのに総司は、書庫の中である。 一冊の本を手に取ると其の場所に立ち尽くしたまま、 書かれた流暢な文字に目をおとしてゆく。 「沖田はん。お昼どすえ」 した働きのお勝が呼びに来た前で、 総司は本を書棚に戻すと大きな伸びをしながら 「もう・・・そんな刻限か」 と、笑った。 「お好きどすなあ」 朝に総司を見たきり、それきり部屋にいなくなった。 また、書庫の中にはいりはったと、お勝は見当をつけてい...

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ブロー・ザ・ウィンド 

其の一 悲しい事があるとレフィスはよくこのデッキに立った。 風が吹く。雨がどこかで降っているせい。 ちょうど、あの日もこんな天気。 一陣の風が吹いて途端に大雨。 親友だったティオが死んで、三年と二ヶ月も経った。 小さな頃から一緒にいて、二人で航海士になるのが夢だった。 今日は船の仲間の誕生日を祝った。 シャンペンを開けてコングラチレーション。 嬉しそうな彼の顔を見ていたら、たまらなくなった。 誕生日の少し前...

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さて・・感慨・・/おおげさ?

一時期・・・本当書く気になれないという時期があって、知ってらっしゃる方はまあ、いいとして。。知らない方・・・。リンク参照の白蛇抄やSOⅡシリーズ、他短編や書き下ろし・・・。自分で言うのもなんだけど、出来具合は棚上げしてカナリの数量とかなりの文字数を費やした作品群がある。特に白蛇抄。SOⅡシリーズ他数編に置いては1年位の間に・・かきあげていて、集中的には半年位・・で、8割がたを書いていた。ざっと計算して...

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アトラス語録 「空に架かる橋・コメント集」

*****此処に『空に架かる橋』を連載しているときに皆様から頂いた、コメントを編集しました。文字総数1万6千文字。憂生を支えてくれたアトラス神の言霊集です。 ********「空に架かる橋」の連載をふりかえっている。at 2004 10/31 13:24 編集ブログに。いつも、いつも、コメントを下さる皆様。ありがとう。「空に架かる橋」は、憂生自身、どううけとめられるか、不安な代物です。誤解されやすい表現を含んでいるし、憂生の練りこ...

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昔馴染み

 1ひょっとこの女将とてつないのお弓が口をそろえて、ほめそやす。浮浪のだんなは、その話を黙ってきいているのか、酒のつまみにしているのか。「それがさ、ほんとに、目の前さ。ねえ、お弓ちゃん」「うんうん」と、頷くお弓の頬が上気しているのもわけがある。「そりゃあ、見事な采配だけど、それだけじゃないんだよ。これが、いい男っぷりでねえ」お弓の上気のわけはそれらしい。「胸がすくっていうのは、こういうことをい...

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ユニコーン

 1夫がセカンドカーを仕入れた。ためすがめつ、納車された車をみているとなんだか、不穏な思いがわいてきていた。ーなんで、こんなきれいな車があんな値段で手放されるのだろうー破格といえるほどの改造も惜しみなく施されていた。なにか、触りたくない。乗りたくないという思いがわいてきていた。嫌な思いは、はっきり私にささやいてきてもいた。ー事故車じゃないか??ーだが、夫が懸命にワックスをかけたり細かなところま...

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心霊

1精神に関わる話として、いくつか、あげてきた。その中で、直接にしろ、間接にしろ、霊・霊現象・霊の存在が関わってくる。このあたりで、精神と霊というのが、切り離して考えることはできないという気がしている。憂生が、不思議となんらかの窪みをもった人間とかかわってしまうのを当初、究極的にはーなんとか、してやりたいーという思いがあるせいだとはおもっていた。それは、天王星人の宿命みたいなもので、仕方がないのだろ...

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依存

1いくつか、同時多発的におきた精神にかかわる「物事」をあげてきたが、この内容をあまり詳しくはかきたくないとは、思っている。と、いうのも、実在の人物であり、本人はむろん、まわりで、関わった人も二次的なショックをうけるということがありえる。実際のことであるが、たとえばとして、二次的ショックのひとつをあげてみる。本人が抱えている状況を知らず、心無い嘲笑やいやがらせを行う。と、いうことがあった。その当時、...

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擬似

1彼女は聡明なひとだった。才媛というのに近いだろうか、チャット(足跡)の中に短歌が混ざりこんでいた。一見で、目をひく。言葉選びもうまく、独特な世界観をつくっていた。およばずながらと、こちらも、短歌で返礼した。すると、返歌がくる。それに返す。また返歌が来る。そういう繰り返しが何度かあったのがきっかけで話をするようになったように記憶している。こういう些細なきっかけで個人的な話をきくようになることが多く...

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ふたりのアニマ

1簡単にこういう意味だろうと想像して使用するところがおおかったのが、アニマという言葉だった。意味合いは単純に、原初的性格あるいは、コアになる性格、と、いう意味合いに捉えていた。これにマニアックという言葉究極・・物事を突き詰めていく。と、いう言葉がかぶってしまい勝手な解釈をしていたので、マニアの本来の意味をしらべにいってきた。下記によると、憂生が書こうとしているのはアニムスになりそれは、最後にかかれ...

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妄想列車

1自分でも、どこから、話していけばいいか、わからない。まず、一番、最初におきたこと。カフェにのさばりだし、好き勝手をほざいていた、そも最初のころだだった。あるとき、ひとりの女性が憂生にちかずいてきた。そして、話が後先になるかもしれない。現状の結婚生活に不満をもっている。だんなにときめかない。など、愚痴というか、悩みというかそんな、ことごとを話してくれた。憂生の持論に夫婦は一生、添い遂げるべきだ。と...

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境界異常

1境界認識障害、と、言うべきだろうか?よく、知られているのが、認知病といわれる、わりと、高齢の方にみられる一昔前でいわれた「ぼけ」のような症状ではないかと思う。さっき、ご飯をたべさせたばかりなのにーうちの嫁は飯をくわせてくれないーと、近所にいいふらしにいったりとんでもない遠くの実家に、それも、もうすでに亡くなっているご両親にあいにいくとはだしで飛び出してしまい迷子?迷婆・迷爺になってしまったり貴方...

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均衡

 白い朝に・・を揚げながら思い出すことがある。 ネッ友と言うことになる。彼は、双極性障害だった・・と、話してくれた。双極性障害だった、と、過去形だったのは最終的に巡り合った名医のおかげで回復し、もう数年以上、双極性障害の症状がでておらず名医から、「もう大丈夫ですね」と、太鼓判を押された。と、いうことで、過去形の話だった。ところが、もうしわけないのだけどいろいろな事情・環境をきくこともあった...

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彼の魂が・・

私がのちにはっきりと自分の妙なセンスを自覚することになるそも初めが彼だった。春半ば、友人の結婚式に招かれ、私は岡山にやってきた。中国地方いったいには私の親戚が何人かいて、そのつてをたどり、のちに私がこちらにくることになるとは、この時はひとつもおもっていなかった。旅費を浮かすために、叔父の家に宿泊を頼んだため、結婚式前日に叔父の家にはいることになった。さっそく、酒をくみかわすことになり、従兄弟も階下...

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彼女の魂が・・・

1私自身に妙な能力があると、気がつきだしたのは、知人の死を予感したことに始まった。当初、予知していたことにさえ、気がつかず今もその結果をみないと予知していたことに気がつかないという能力である。その最初は、一種、自分の思いにとけこんでしまうもので、自身、「縁起でもない」と否定してしまったり、「見納めだな」などという言葉には、「死」でなく、この人とは、もう逢うことがないのだろうという、縁のなさだと受け...

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釜茹での刑に処す★新之助シリーズ第11話

「くそ~~~~~~~」朝から殿が大きな声で喚いております。お食事だって、言うから新之助は控えて食の間の外で待っております。でも、あんなに殿が怒っていたらその声、いやがおうでも、新之助に聞こえます。どうしたんでしょね?やっぱり、新之助、気になって見にいっちゃいます。「どうなさったのですか?」そっと、たずねる新之助に一目もくれず殿はやってきたお女中を怒鳴りつけます。「いいか、そんな奴・・かまゆでの刑じ...

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しないで、しないで!! ★新之助シリーズ第10話

今日もこそこそと、師範の留守をねらって、剛之進と逢引をしようと師範代は師範の部屋にやってきたのですが・・・・。「おりょ?」留守のはずの師範の書斎の中になにやら、人の気配。どうやら・・・、師範の書斎を逢引の場所に使おうなんて考えはポピュラーだったようで・・・。ふむ・・先を越されてしまったと腕を組んだ師範代。待ち人きたらず状態では、場所をかえるわけにもいかず、剛之進がくるまで、「やれやれ・・ここで、ま...

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団子が食いてえ~~!!★新之助シリーズ第9話

お久し振りです。 新之助シリーズ・第9弾を始めようと思っていますが、 このお話も いくつかの前置き・・・ 落語で言えば、ネタ仕込みをしておかねば うまく伝わらないことがあります。 現代話に慣れていらっしゃる方には よく判らない用語?もありますので、 むかしかたりを含めて 地ならしをしてみようと思います。 大きくは二つのキーポイントがあります。 用語としては、 団子と田楽で・・・。 なんじゃ? そんな食い物知って...

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瓜割り~~~★新之助シリーズ第8話

瓜割り・・・/前置きです。 まずは題名ですが・・・。 瓜割りに致しました。 そのまま、「うりわり」とうちこんで、 変換をかけますと 「瓜破」と変わりますが・・。 この「瓜破」は、女性側の初喪失をあらわす言葉であり、 本編の場合は女性側でもなく、 今では、初喪失でもない物語に相成っておりますので、 「瓜破」では、意味合いが違ってきます。 では何ゆえにそれでも、 一種女性器の隠語とも解釈できる、『瓜』という、 言...

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恋敵 ~~~ ★新之助シリーズ第7話

例のごとく。 師範代の控えのまでございます。 そこにぽつねんと・・・ 今日も剛乃進は師範代を 待っておりまする。 大根事件がまだ、目新しい?読者さまは きっと、剛乃進がまた、なにかやらかすと、おもってるでしょう? あたり!! おおあたり!! あ~たはするどい!! なんて、ほめてる場合じゃないな。 待ちぼうけの剛乃進の観察日記?を つづけてゆきましょうか。 恋敵・・・2 剛乃進が待てど・・・師範代はやっぱり現れな...

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師範代 ~~★新之助シリーズ第6話

剛乃進である。 あれから、師範代と 妙な仲になりたいという 困った欲望を 妙なところがうったえるのである。 「う~~ん」 なんだか、妙にもよおしてくるのだが、 剛乃進を慰める師範代は まだ、あらわれそうにない。 「なにか・・・」 師範代の変わりになるものはないものかと 剛乃進はあたりを見渡した。 が、ない。 道場の師範代の控えの間で 剛乃進はさっきから師範代をまっているのだけど・・・。 「はやくこないかなあ・・...

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剛之進 ~~~★新之助シリーズ第5話

やっぱし、物語?になるんだよな。 つ~~ことで。 「剛之進」 いきます。 剛之進・・・・・その1 題名が剛之進で有るに、関わらず 新之助である。 出仕が叶い、新之助は殿の傍役として、 重鎮にあたいする存在になったのであるが・・・。 今日は久方ぶりの連日非番の初日である。 しばらくぶりに道場に顔をだしてみようと、 出向いた新之助である。 で、あるのに、 「あれ?」 誰も居ない。 う~~~ん。 よくよく、考えてみれば...

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与一~~~!!★新之助シリーズ第4話

与一~~~!!/其の壱 新之助。 今日は殿の弓のお稽古に 同道である。 やってきたのは、 城内のはずれに作られた弓道場。 早速殿に弓をささげ渡す新之助である。 「どりゃ」 みておれ。 あの、的に当ててみせる。 矢をつがえると、 一射!! 「お見事」 新之助の賛辞をききながら、 殿はおもしろくない顔である。 矢は的のど真ん中を見事に射抜いている。 「どうなされました?殿?」 なんで、そんな苦虫を噛み潰したお顔をなさ...

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黒~~~~!!★新之助シリーズ第3話

黒~~~~!!/其の① 新之助。 今日は馬術である。 殿は例のおひんにまたがり 颯爽と 新之助は もう一頭の馬。 黒にまたがり・・・。 またがってない。 それどころではないのである。 あぶみをつけようにも、 黒は否否否~んと、 にげまどう。 新之助は 背中にのせてもらえないどころか、 黒にくいつかれ・・・。 「殿・・・さては、こうなるのがわかっておいでだから、 新之助に黒をおしつけたのですね」 「だって・・・。黒はい...

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殿~~~~~!!★新之助シリーズ第2話

殿~~~~~!!/其の一 春。 爛漫の春。 桜。花開き 家老、野原新左衛門も 胸を撫で下ろす。 嫡男である新之助の 主家へのご奉公がかなった。 それだけではない。 新之助は 若殿の近習に抜擢された。 いきなりの異例の出世である。 もちろん、 父である、家老の新左衛門の七光りもあろう。 若殿がこのたび 跡目をついだという 実権の交代もあった。 上に新之助とは 年齢的にもかわらぬ殿である。 腹心の存在。 これが、殿の必要...

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ホールド・ミー・タイト

―どっちにしろ、レオンと一緒じゃないんだ―よく判らない生物の採取とその生物の生息する環境調査を依頼された、クロードはメンバーの中に肝心のレオン博士がいない事が判ると大きなため息をついた。おまけにおっちょこちょいのアシュトンと、非常に無口なデイアス。それがメンバー全員だった。「えー?ありー?」残念そうなため息をついているのはクロードばかりじゃない。プリシスと久しぶりにパーテイを組めると、思ったアシュト...

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セクシュアル・モーメント2

「で?」 レオンがプリシスに掴まってる。 なんの用事?と言う前にレオンの顔を見てやって欲しい。 困ってしまってるレオンの顔は、 なんで、僕にそんなこと聞かなきゃなんないのっていってる。 レオンの困ってるのなんてお構いなしに さらにプリシスは訊ねてる。 「ねえ。レオンなら知ってるでしょ?そうに決ってるじゃない」 「僕・・・」 「ね。教えて」 そんなこといったって・・・。 レオンが困るのも無理はない。 プリシスっ...

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セクシュアル・モーメント1

あっちもこっちもそれなりにそれなりに・・・ 『うまくいってるじゃないかよ』 ボーマンはつぶやいてる。 ボーマンがいろいろ暗躍したのは、言うまでもないことだけど なのに、ボーマンは 「ふー」 って、ためいきをついている。 「あん?どうしたのさ?」 って、そんなボーマンをレオンが覗き込んだ。 「あーん?」 ちっ。こいつも、あいかわらず、うまくいってやがる。 ちっとも、ボーマンになびかないレオンの瞳を 真正面から捉...

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イッツ・オンリー・ユアマインド⑥

さて、そろそろ、イッツも終わりにしようかと思ってるんだけど、いくつか気になる事がのこっちまってる。そう、たとえば結局ボーマンとプリシスは和解できたんだろうか?とか。セリーヌとクリスは結局うまくいったんだろうか?とか。安定カップルであるデイアスとレナはやっぱしあいかわらずなのかい?とか。レオンとクロードも平穏無事なのはちょっと物足りない(え?)とか。そんなことがちらついてきてしまったから結局セクシュ...

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イッツ・オンリー・ユアマインド⑤

お話が後先になってしまってイッツ・オンリー・ユアマインド④を読んでくださった人は一体ボーマンとセリーヌに何があったのかと非常に気になっておられる事と思う。やはり、書いておかねば要らぬ心配をかけ、かつ好奇心が満足しない事であろうと思う。ボーマンは足を早めた。どうにも気になって仕方のないことをそのままにしておくことは出来ない。と、なると自然、足はセリーヌのところにむかってしまう。そう、それは、この間、...

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イッツ・オンリーユアマインド④

何とかアシュトンとの仲も元通りになったプリシスなんだけど、心のそこにへばりついた不安まではどうしても取り除けはしない。その不安というのはもちろんアシュトンの中に芽生えた受けの性癖のことであり、それがまたボーマンを求めさせちゃうんじゃないだろうかと、いうことである。だから、あれからプリシスはアシュトンの無茶な要求にも、随分素直に従っている。ボーマンの口からアシュトンとの事を聞かされた後、プリシスは本...

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イッツ・オンリィ・ユアマインド③

ボーマンの横にアシュトンがいる。レオンの所に薬品を持っていったボーマンの後をアシュトンがくっついて帰ってきた。閑と言うか、することがねえというか、どっちも同じことだけど「おい。プリシスん所にいかねえのかよ?」と、やんわり断りを入れてやったら、なんだかショボけた様子で「だめなんだ」って、いいやがる。「なんでだよ」って、いうボーマンに「なんでも、いいだろ」って、返した言葉がどうにもうさんくさい。「なん...

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