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拘束(蛮骨×蛇骨)

「ちっ」
口の中の小さな舌打ちだけが、今見たことを忘却の向こうに流しさることを拒む。
蛮骨は木陰の戯れが静まり一つの影が二つに分かれてゆくのを待った。
樫の木にもたれかかり、いつまでも滑らかな快さの余韻に浸っているのは、蛇骨  と 睡骨   である。
 寄る辺の無い愛は無性に「誰か」をほしがる。
蛮骨とて、判りすぎている寂寞である。
「かといって、何も・・・」
仲間内に「誰か」を求めなくても、良かろうと呟く言葉を飲み込んだ。
同じ結束。この仲間しか信じられない。
だからこそ、いっそう愛は寄る辺をなくす。
潰れそうに歪んだ物狂おしさは、油断を見計い欲望を捌け口にする。
仲間を捌け口にすることをけしてせめることはできない。
なぜなら、
委細。蛮骨はあんな半妖の男が気になってしかたがない。
敵であり、命を狙う相手の筈である。
しつこく付回し、動向を探る内、あの男に、自分に無い、焦がれる物を見出している自分にきがついた。
それは邪気のない明るさという単純な物ではない。
一途に自分を信じてゆける底が抜けるような強かさは蛮骨がどんなに願っても持ち得ない。
結局、『俺は誰もしんじないのかもしれない』
蛮骨は木陰の塊が不意にうらやましく、おもえた。
寂寞の捌け口をぶつける事もぶつけられる事も合意の上で重なる事を許しあえるなら、せめてもそれだけは信じあえているといえる。
誰をも求める事すら出来ない蛮骨こそ寂寞だけでしかないかと、皮肉に自分を笑ったとき、長い抱擁で名残りを惜しんだ影がやっと二つにわかれた。
蛮骨は歩み寄ってくる一つの影を待った。

「蛮骨兄貴・・か」
蛮骨とて蛇骨を待ち受けていたわけではない。
泉で喉を潤すに樫の根方の前をとおるしかない。
しばしの芳醇の時を分かち合う二人の邪魔をする気になれなかっただけに過ぎない。
「ずっと?」
蛇骨は小首を傾げた。
ずっと俺たち二人のいざなぎ事をみていたのか?
問われた蛮骨も、またかすかに首をかしげた。
みていたわけではない。
だが、目の中に二人の虚実を映していたのは事実である。
「たのしそうだったな」
蛮骨の答えは見ていた事を認める事になる。
「ふん?」
心のそこで男同士の結びを馬鹿にしている。
巡り合う異性が無い男は仕方なく同性で己の欲情をまぎらわす。蛮骨の底はあわれみだけでしかない。
「ふうん」
お高くも欲望という希求を認められない男はさぞかしどれだけ潔癖である事だろう。
「あんたのここは、役にたちゃしないんじゃないかい?」
いいざまに蛇骨は蛮骨の股間に手をのばした。
いずれにしろ、思い切りあざけるつもりだった。
恐ろしく子供のように萎えた物なら
高らかに笑い通り過ぎるつもりだった。
着飾った見栄と体裁にたがう膨らむ物なら、もっと嘲り笑える。その為に手を伸ばした蛇骨の手に触れたものに思わぬ嗜好がくすぶった。
「男は嫌いじゃないようだね?」
睡骨に宥められ、沈みかえった筈の欲望に再び火がつけられる自分がおかしく思える。
「身体は考えとべつのところにいるものさ」
蛮骨は膨らむ欲望を心と別区立ての所に居ると答えた。
「勝手にふくらんじまったのかい?」
「ああ・・・」
けだるそうに答えた蛮骨に
「だったら、それを俺がかってに始末するのも自由だな?」
確かめるより先に蛇骨の手は蛮骨の腰を絞る紐をとくと、膨らむ物を外の空気にさらけ出せるのを惜しむように口の中にふくみかくした。
「どうするきだ?」
「あんたの心なんかどうでもいいさ。こいつがこんなに切ないのをどうにかしてやりたいだけさ」
答える事が叶う口の空白が蛮骨の物を包み込ませる物がなくしている事になるのが哀れだとばかりにさっきまで睡骨の物を飲み込んでいた部分が変わりに蛮骨の物を包み込んでいた。
どうにかしてやりたいだけのはずの蛇骨の喉から切ない声が上がってくるのを見詰めながら蛮骨は勝手に吐き出しちまった欲望がくれる虚しさと引き換えに一層結びつく事の無い「あいつ」を思い返していた。

「何で?」
すげなく蛇骨を振りほどく蛮骨が憎く思える。
「お前の用事はすんだだろう?」
蛇骨の中に「寂寞」がはきだされてしまえば、蛇骨にとって心なんかどうでもいいはずの蛮骨への用事はすんでいる。
「だけど・・・なんで?」
なんでそんなにつれなく二人を解き放ち、慌ててもとの別々の者に戻ろうとしなければならない。
「きにいらなかったのか?」
だったら、蛮骨の物が蛇骨をあんなに煽情させはしない。
「ふ」
小さく笑う蛮骨が遠い。
蛇骨はそれを知らされるためだけの言葉をきかされる。
「大した自信だな。だけど、お前が勝手にやったことだろう?」
たしかに、そうかもしれない。
だとしても、この洞を潤す欲情を何故解き放つ事を許した?
問いかける蛇骨の眼差しに蛮骨の瞳が僅かに逃げた。
「わかってるさ」
蛇骨は小さなためいきをついた。
「あんた・・・・・犬の奴にご執心なんだ」
当っているともいえる。違うともいえる。
むげに否定するなら、その意味合いは、こんな悪戯を「あいつ」に望んでいる訳じゃないということしかない。
「あいつは・・・つよい・・・」
刃を合わせてみて、判る。
あの男は俺を量れる。
刃の露に落ちる技量では蛮骨の腕をはかれるわけもない。
命を狩る天秤の一方に己の命を載せうる事が出来る男は蛮骨を魅せる。
「それだけじゃない・・・さ」
蛇骨は渇いた笑いを口元にふくませた。
―あんたが戦いでたぎらすものは、戦闘心だけじゃあないー
「あんた・・・あいつに・・・」
蛇骨は言いかけた言葉をのみこんだ。
アイツにだかれてみたいのかい?
それとも、アイツをだいてみたいのかい?
こんなことを訊ねてみても蛮骨は笑うだけだろう。
けれど、武を信じるものはまた、武にあやつられる。
自分より強い男を刃の下にくみしくも、くみしかれるも、いずれ満身傷痍のはてにとめどない融合をもとめたくなる。
己の力を過信する男は寂しさなどに無縁のつもりでいるが、いつか、壮絶な戦いの果て、命を掛ける相手を亡くした時にはじめて溶けきれなかった肉体が孤独を訴えだす。
容赦なく犬の奴を叩き潰すまで蛮骨はその底にある渇望をしりえず、知った時には、アイツはいない。
この男の欲望は、戦いで昇華されるのだろうか?
「あんた・・・。寂しい男だよ・・・」
「そうやって、睡骨の寂しさをぬぐってやれたか?」
小手先の論理などに引っ掛かる男ではないのは判っている。
心一つ動かさず蛇骨をだける男でしかないが、瞳を真っ直ぐ覗き込まれれば突然のいとしさにくるまれる。
「あんたは・・だめなのかい?」
蛇骨じゃ、拭いきれない寂しさを、平気で心の中に住まわせられる。
どうにかしてやりたい事が蛮骨の欲望だけでなくなったとき、蛇骨は情恋の虜に落ちてゆく自分にきがついた。
思い返せば、いつか、この男に真摯な瞳をむけられたい自分がいた。
が、孤高な男の安易な妥協なぞほしくはない。
それでもいいと、溺れる自分になりたくはない。
だが、それも終わり。
たった、一つの境界を越えてしまえば、もう自分の心に嘘はつけない。
「御願いだよ。あんたから、今度はあんたからだいとくれよ」
ほんの少しでいい。あんたに望まれてみたいんだとせがんでみせる蛇骨の中に自分の『信』の命ずるままに生きる『アイツ』を嗅ぎ取る自分が妙だと思いながら蛮骨は立ち上がった。
 縋りそうになる手を伸ばす事をためらったまま、蛇骨は
蛮骨をみおくる。
泉にくだる小道にたつと、蛮骨は振り返って言った。
「喉がかわいた」
蛇骨を置去りにする言い訳を取り繕うだけ、まだ、「憎くはないか」と自分を宥めると、蛇骨も立ち上がって、
蛮骨とは逆の道を辿り森の中に入っていった。

ぬると湿った手が蛇骨をからめとる。
森のなか。鬱蒼とした木立の薄暗い闇の中から手をのばし、蛇骨を抱き寄せる男が誰であるかを見咎めるより先に蛇骨のうなじは舐め上げられた。
「とうとう、あいつも手にいれちまったかい?」
己の腰の下、自分の膨らみを蛇骨に誇示するため煉骨は蛇骨の腰骨当りに手をおき、自分に向けて蛇骨をひきよせた。
薄い着物一枚の下で怒張する煉骨の物を、宥めてやる事をいままでにも何度か許した蛇骨である。
今更、この男を拒む理由がみあたらないまま蛇骨は煉骨の示威の行方をみまもった。
「で?ご満悦ってわけかい?」
僅かな表情の変化も見逃さないとばかりに、食い入る目で蛇骨をみつめるのは、蛮骨への心映えをさぐるためではない。
自分の物が蛇骨の快感に届きだしたか、どうか。それだけでしかない。
「蛮骨とお前を較べてみてほしいか?」
蛇骨の言葉に答えず口元に笑いを浮かべた煉骨まま、蛇骨を穿つ動きを大きくした。
途端。蛇骨の喉の奥が煉骨と連動しだす。
「ああ・・・」
殺す声が葉蔀の露を震えさせる。
「較べて・・みるまでもなかろう?」
哀れな快楽の使徒は気まま煉骨の雄叫びを最後までうけとめさせられる。

快楽の波が身体を過ぎ去ってゆくまで蛇骨はその身体を煉骨にあずける。
ぐなりとした蛇骨の身体をだかえこんだまま、蛇骨の中からあふれ出してくる精の生臭さが煉骨の鼻につき、悲しい覚醒が煉骨を刺す。
「あんな野朗と穴兄弟ってわけかよ・・・」
煉骨とて蛮骨の戦闘力も首領としての器も認めてはいるが、それでも、頷けないものが心を差配する。
蛇骨を取り合う気なぞ毛頭ない煉骨であるが、蛇骨への今の行為に蛮骨の配下に従属し得ない男の部分でせり勝っている事に満足する自分がいるのは否めない。
だが、それも・・・。
せり勝ったと思えば、こんな蛇骨に執着を見せる事が疎ましい。せいぜい、蛇骨を貶めることで蛮骨を愚弄するしかない煉骨になる。
「女もしらねえ初心な野郎相手にうさばらしかい?」
蛮骨を初心と笑ってみせる煉骨が殊更語り落ちておかしい。
「おまえも、そいつを宛がう女がいないのは、同じだろう」
女への欲情を蛇骨で漱いだのは、むしろ、煉骨であろう。
蛇骨には蛇骨の言い分がある。
煉骨を受け入れた蛇骨の底は、煉骨に欲情を埋める相手がいない憐れみからでしかない。
だが、蛮骨への想いはちがう。
しいて言えば蛇骨こそが蛮骨を欲っした。
行為。それ自体は何も変わりはしないが、起点も到達感も煉骨から与えられるものとは、おのずから色を変えるものである。
だが、煉骨は一笑にふする。
「蛮骨にも、俺にも、お前は充分に女を匂わしてくれるさ」
―いや、少なくとも蛮骨は女の代わりにこの蛇骨をだいちゃいないー
言い返せば、極上の愛とやらで結ばれたとでもいうか?と煉骨の笑いがいっそう、嬌声を帯びるだろう。
まして、事実はお前の勝手と蛮骨にすげなくあしらわれている。
言い返せない反撃を飲み込んで、蛇骨は代わりの言葉を模索した。
「俺のどこが、女を匂わすという?」
蛮骨にとって、蛇骨との行為が女の代わりではないと信じたい男は、せめて、煉骨だけが女とのすり替えに甘んじたのだと、 自分をいいくるめてしまいたい。
「お前のどこが女だときくか?」
くぐもった笑いが蛇骨に女をみいだしている煉骨を肯定させると知っている男はいっそう沸きあがってくる笑いを噛殺す。
「ききたいか?」
頷く蛇骨を搦め手の中に落とし込み、煉骨は飽きもせず蛇骨の首筋をなめあげると、その肩に歯をあてた。
露骨過ぎる支配の証しでしかないその痛みを、疼きとして受止める蛇骨が、煉骨の手の中で喘ぐ。
「これでも、わからないか?」
蛇骨の中にある女を見せ占める煉骨の示唆が判らず、蛇骨は疼痛を訴えったまま、かすかに首を振った。
「女って云う奴は強い男に従属されたがるものさ」
つまり、蛇骨の交渉の裏には蹂躙を喜ぶ『女』がいると囁く。
「馬鹿な」
仮に百歩譲って蛇骨が従属に甘んじる女性を有しているとしても、煉骨なぞに強い男をみいだしはしない。
実際、煉骨と刃をあわせたことない。
が、武器に頼り敵の弱点をつく戦法を駆使する戦いぶりを見る限り己の武力の薄さをしればこその奇襲でしかない。
言い換えれば諸刃の弱さでしかない煉骨をして、強い男といいのける買い被りが蛇骨の真髄をくすぐる。
こんな男に何が判る?
蛮骨がこう言うなら、喩え「女性(めしょう)」としてであっても蛇骨は喜んで、その身を呈しよう。
「もういい。俺を離せ・・・」
女の代わりをさせられるのは、別段、かまいはしない。
蛇骨を従属したと思い込むのも、煉骨の勝手だ。
だが、煉骨を「強い男」と認めた故に、蛇骨が煉骨の交渉を受け入れたと考えられるなら、こんな幸せな誤解に身を呈するわけにはいかない。
「どうした?」
強かに、しなやかに蛇骨はいいかえした。
「お前より、強い男が恋しくなった・・・・」
険しい目になる煉骨の底にある蛮骨への逆心が一層深い埋火になるとは、知らず、そして、この一言の兆着がいずれ後蛇骨を煉獄に追い落とす事になることも知らず、毒のある一言が矢のように煉骨を追討した。
「俺なんかで、うさをはらしていないで、せいぜい艶っぽい女をさがしてみることだな」
自分が蛇骨を卑しめた言葉が毒を含ませて返って来る。
ぐさりと煉骨の心頭に届いた傷を舐めながら、煉骨は、余裕を見せるため笑ってみせた。
「俺がいらねえというのかい?」
そんな口先にゃあ、へどがでる。
お前は俺が言ったとおり、いくら、頭が否定してみても、その身体は男に従属される「女性(めしょう)」でしかない。
「ほしくなったら、いつでも、だいてやるさ」
ひょいと蛇骨を離すと煉骨は蛇骨の口を思い切りすすり上げた。
「そうだな」
冷えた身体をいこらす時には、煉骨でも、役にたつかもしれないと蛇骨は思った。
だが、この身に燃え始めた蛮骨への情恋が盛る事はあっても、冷え落ちることはないと知った今、煉骨が蛇骨を温める事は後にも先にも是が最後になると、蛇骨には判っていた。

映り行く葉影の青さに目も留めぬうちに季節は移ろい行く。
蛇骨の横をすり抜けた一人の男の伏し目がちな恋慕も今は煩わしい。
睡骨の窺うような瞳が目の端にとまると、一時の遊戯が残した後味の悪さが舌に浮かぶ。
『ほんの少しの慰め事じゃねえかよ』
睡骨とあの交わりがただの気紛れでしかないと教えた男を捜す蛇骨の胸に今はただ嫌な予感しか沸いてこない。

森を抜け、いつかの場所を目差したのは蛇骨の直感だったのか、今も絡みつく蛮骨への恋情がぬくもりをくれた場所を連想させたか。
―居るー
あの木蔭で膝をついて、蛮骨はかがみこんでいた。
「あ・・にき?」
蛇骨の嫌な予感が当たっている事は見るより先に血の匂いが
教えてくれた。
刀剣の傷は右肩をえぐり、腕をつたった血は柔らかな草の上に滴りおちている。
「犬か?」
今の蛮骨に手傷を負わせる男が犬のほかにいるわけがない。
肩口をしばりあげるしか、手当ての法も思いつかず蛇骨は着物を脱ぎ捨て大きく切り裂いた。
「な・・なんで?」
なんで、俺を呼ばずに一人で行った。
なんで、黙って行った。
「死んじまってたかもしれねえじゃないか」
詰りたくなるほどの手傷を負わせる犬と判れば、なおさら、
蛮骨の底がくやしい。
「そんなに、あいつとむきあいたいかよ?」
仲間を出抜いて、そこまでしてアイツと、命をかけあいたいかよ?
「こてしらべだ・・」
むすりと答えた蛮骨が一層、憎い。
「こ・・・こてしらべだと?」
序戦でしかない?
だが、こてしらべで、こんな手傷を負わす奴に、か、勝てるわけがない。
だけど、命を掛けて、戦える相手だからこそ、だから、いっそう、蛮骨はアイツを追う。
「あ・・にき・・」
傷口を押さえ込んだ布は既に紅く染まり、蛇骨の瞳に紅蓮が映しだされると、一瞬、蛇骨の瞳から血が滴り落ちたかとみえた。
「何で・・。お前が泣く?」
蛇骨の頬骨に伝い落ちる雫を手の甲で拭いながら訊ねた。
「わ、わからない・・だけど・・」
蛮骨の手を探り当てその手を握り返した蛇骨は更なる雫を落しつくす。
「俺が、こんなだってことは、アイツもにたりよったりだ」
けして一方的な後勢を敷いて来たわけではない。
だが、勝てる相手ではないのかと云う、蛇骨の不安を読み取れる蛮骨である事がいっそう、おそろしくある。
何よりも誰よりも蛮骨が刃を合わせたその瞬きを肌身にかんじとっているのではないか?
「蛇骨・・・」
ふと名前を呼んだ口がつむがれた。
「な・・なんだよ?」
「なんでもねえ」
だけど、蛮骨は今確かに思った。
―俺が死んだら、こいつだけは泣いてくれるーと。

蛮骨の深手はすぐに知れる。
一番にそれを知った煉骨が嘲る。
「一筋縄じゃあ、いかねえ相手だとわからねえ、蛮骨じゃ、あるまいし」
暗に自分の戦法こそが犬を倒せるという。
自分こそが覇者になれる男と煉骨は蛇骨に誇示する。
「蛇骨・・・こい」
皆の前で、蛇骨だけを選ぶ。
蛇骨と共に蛮骨の仇を討とうなぞという煉骨のわけではない。
「・・・」
断る。そういおうとした蛇骨の腕を煉骨がつかんだ。
酷くこわばった煉骨の手から、伝わってくるものが何であるか悟った蛇骨は煉骨が求めてくる事も悟った。
「断る」
「なに?」
蛇骨の腕を掴んだ煉骨の手の奥がふるえている。
蛇骨が煉骨の恣意を感じ取りながら、断ったせいで怒りにふるえているわけでない。
―この男も、恐ろしいのだー
蛮骨に深手を負わす犬の実力をまのあたりにして、煉骨の底がおびえている。
言い知れぬ恐怖感を蛇骨で埋め合わせようとしたか、確実にやってくる死を畏れ、生きている事を蛇骨で確認したがったか。
いずれにせよ、この男も震えている。
そう、この男も。「も」だ。
蛇骨は蛮骨を想う。
何故、気がつかなかったかと。
蛮骨が深手を負いながら、何故、あの場所に居たか。
死を見せ付ける戦いの末、蛮骨の中に生じたものはやはり恐怖だったに違いない。
今、目の前の煉骨がそうであるように、脅えを知った蛮骨も蛇骨で「畏れ」をうめてしまいたがった。
蛮骨にとって、蛇骨を感じれる場所、その唯一の場所にかがみこむ事で畏れを緩和したかった。
―蛮骨は・・・俺を待っていたんだー
だから。
煉骨の手を思い切り振りほどく。
ぎょっとした、煉骨が心もとない童子のさまよいをみせる。
「おふくろの乳の代わりに、女をまさぐることもできないからとて、女の代わりはごめんだぜ」
そう。俺は戦う前から震えてるガキの気分を紛らわしてやる酔狂な男にゃあなれねえ。
蛇骨の反骨が本物であるときずいた煉骨は振り払われた手をそのまま、睡骨にのばした。
「なんだったら、おまえでもかまわねえんだぜ」
誰にも拭えるわけのない恐怖に囚われた男は、必死の触手をのばす。足掻きまわる往生際の悪さは既に煉骨の中にたぎった物のせいでしかない。
―けれど、蛮骨はあがきもしないー
拭えるはずもない恐怖を抱かえ、あの場所で、この蛇骨との融合を懐かしんだ。ただ、それだけ。
そして、最初のあの時蛮骨が既に猛るものを有していた事が悲しい。
―あんたは、あの時にもう、恐怖とむかいあっていたんだー
『何が、「お前の勝手」だ?』
なんで、なんで、蛇骨に拭ってくれといわない。
拭える筈なくとも、何で、一時をこの蛇骨に委ねてくれない?
『蛮骨兄貴・・・もう・・だめだ。あんたが・・恋しい』

座を抜け、蛮骨の元に走り出した蛇骨の背中を見詰めた睡骨は煉骨の手を振りほどいた。
「こんな、無理強いをしなくても、私はいきますよ」
僅かな征服欲を大きく育てる事が出来る相手かどうかはいざ知らず睡骨の応諾は、煉骨の支配欲をそそり始めていた。

「蛇骨のかわりには、とうてい、なれませんが」
と、睡骨はいう。
蛇骨に軽くいなされた煉骨を皮肉っているとしかきこえない。
「いつから、そんな生な口をきけるようになった?」
蛇骨がくれるものの質をしっているかのような睡骨の口のききようが煉骨の癇にさわる。
「それとも、蛮骨だけで、飽きたらずあいつはお前もたらしこんだってことかい?」
このあて推量があたっていたとしても、睡骨は蛇骨と蛮骨との事まで、しりはすまい。
煉骨のいなしは、単に気分が変わりやすい子供が目の前の玩具にきをとられているだけにすぎないのだといいたい。
それが証拠に、睡骨という玩具も、蛮骨という玩具にとってかわられたではないか?
「よほど、あまのじゃくなだけだ」
犬野朗に必死で、蛇骨に殆ど興味を示さなかった蛮骨が気紛れに蛇骨を振り向いただけに過ぎない。
だが、こうやって、蛇骨を追う睡骨がいる。
煉骨の「たらしこまれたか」と云う言葉に一瞬うろたえ、羞恥を見せた以上、睡骨がそうだといってかまわないことだろう。
わずかにではあろうが、煉骨もそうだといえる。
自分を追う者なぞより、逃げてゆく物を捕らえたがるのは、別段あまのじゃくのせいではなかろう。
蛇骨の妖艶さに魅せられた男は、必ず蛇骨の虜になる。
こうなれば、竦んでしまう蛙なぞ後回しにして、蛇骨に魅せられない男を名前通り蛇そのもののしつこさで絡めとろうとするだろう。
「当分・・飽きゃしないさ・・・」
煉骨、睡骨ともども、おあずけをくらったまま、といえる。
お互いさまといってやりたいところだが、
「おまえにゃ、あいつは飼い馴らせねえ」
飽きたらこの煉骨が恋しくなる。必ず煉骨のところに戻る。
何度かの結合でみせられた蛇骨のあえぎと陶酔が煉骨にまだ余裕をあたえている。
愚かにも、蛇骨を飼いならしたと思い込んでいる煉骨に比べ睡骨の方が遥かに洞察は深い。
「私も、あなただったら、そういいましょう」
「なに?」
「蛮骨。そうきいただけで、私は諦めるしかないと判りました。蛇骨は・・・」
止まった言葉の後ろで、蛇骨との甘やかな時が走馬灯のようにうかびあがってきている。
「蛇骨が、なんだという?」
睡骨にしか、みせない蛇骨がいたとでもいうか?
お前に惚れたでもいってみせたか?
あの蛇骨が?
いうわけがない。
ないが、いったなら、睡骨の言いたい事が見えてくる。
蛇骨がそう、囁いた睡骨さえも、捨て去るなら、もはや、蛮骨への思いに殉じた蛇骨を睡骨は諦めるしかない。
だとすれば、
「おまえのものは、これっぽっちも役に立たないらしいな」
にやりと笑う煉骨がいる。
「どれだけの物で、蛇骨がどれだけ、喘いでみせたか、身を持ってしるがいい」
睡骨の胸をはだけ、細い腰紐をゆるめだす煉骨に抗いもみせぬ睡骨の所作の下に欲情がすけてみえるようで、煉骨は勝誇る。
「おまえも、「これ」に組み敷かれる女性(めしょう)でしかねえってわけか?」
ぐっと「これ」を握ると、煉骨は睡骨のうしろ、その場所にあてがった。
「力をぬかねえか?いいか?今からおまえは「咬ませ犬」になるんだ。大人しく「役目」をその身体に叩き込め」
咬ませ犬。闘犬の前、試合に挑む若い牡の戦闘心をあおり、対する相手への恐怖心をねじふせ、若い牡に自信と覇気を与えるため抵抗する事さえ許されず、牡犬に咬まれるだけの役目を務める。これが、咬ませ犬である。
「ひっ・・」
悲痛な声が喉で鳴る。煉骨の物が深く押し込まれると喉の奥で堪える声がいっそう、おおきく漏れ出してくる。
「え?蛇骨をやったお前が・・やられる気分っていうのはどんなもんだ?」
嫉妬でしかない。
弱っちい男に、いいほど格下の男に、蛇骨を寝取られた男の見せる凄まじい嫉妬が睡骨の分不相応だった振る舞いをせめる。
馴染まぬ物を無理に突き動かされれば、睡骨の辛痛は頂点に達する。
「ひっ・・」
身をよじれば一層煉骨の憤りが高まるだけと知っている睡骨は煉骨に言われたとおり「咬ませ犬」に徹するしかない。
「蛇骨なぞに手を出そうなんて、了見をもてるお前かどうか、
よく、味わってみるこった」
煉骨の物が睡骨の内部をきしませる。
やっと、湿潤を帯びだした内部が煉骨を緩やかにうけとめだすと、睡骨の心と裏腹にいままで、知らなかった感覚を訴えだす洞になる。
「いいか。蛇骨を抱けるのは、強い男だけだ」
「煉・・骨。あなたのいうとおりだ」
睡骨が答えた言葉に満足した煉骨は睡骨の中にむけて、大きな振幅を刻み始めた。
だが、睡骨のいった意味は違う。
こんな奴が男のわけがない。
睡骨を貶めることで優位にたとうとするなら、何故に蛮骨にも「咬ませ犬」を強要しない。
弱者をいたぶる事で、蛮骨から蛇骨を奪い返せないうさを晴らし、蛮骨に出来ない仕打ちを睡骨にかせる事で己の均衡を保とうとする男が「強い」わけがない。
わざわざ、是をいわずとも、既に煉骨は蛮骨に劣っている。
蛇骨も馬鹿じゃない。
こんな男に怨まれる面倒に巻き込まれたくなければ、うまく煉骨をあしらって、身体だけ嬲らせてやればいい事だろう。
だが、それさえ、疎ましくなるほど、
面倒を受けてたってもいい程の蛇骨の中に蛮骨が燃えている。
『あの日の貴方は優しかった』
どこまで、出来るか判らないが煉骨を束縛してみせてやろうと最初の決め事をもう一度念じ返すと、あの日の蛇骨にもう一歩近づけた自分に思える。
それだけが嬉しくて、睡骨は微笑んでいた。
「へっ?もう、良いってかよ?」
睡骨を眺めていた煉骨に睡骨の笑みの訳が判ろうはずもない。
いいね。うれしくなっちまうじゃねえかよ。
しばらく、こいつで「これ」を宥めておくのもそう悪くねえな。
煉骨の動きがやにわに艶をおび、情欲の手管に情夫(まぶ)を落とし込む男の所作にかわりだしていった。

山中の今は人もこぬ荒れ寺を仮の棲家にして、独り。
蛮骨は湯治場に近い所を選んだ。
ようやっと、傷がふさがれば、癒しの湯こそありがたい。
「蛮骨兄貴・・」
戸口から入ってくる蛇骨を認めながら、蛮骨は大鉾を研ぐ手を休めもしない。
「来るなっていわれてたけど・・・」
約束を破ってはせ参じた自分の言い訳をいうよりも、蛇骨の目がとらえた光景に息をのむしかない。
「それ?」
何をしているのだと訊ねるまでもない。
蛮骨は黙って大鉾を研ぎ直している。
来るなと云う約束を破った蛇骨を咎める蛮骨でない事にふと安ずる。それはまた、蛮骨の傷が癒えはじめ、無様な手負いの姿を晒さなくてよくなった事をも現している。
傷がいえたらしい事は判った。
だが、
「ど・・どうする気きだ?」
傷が癒え始めた蛮骨が大鉾を研ぐということは、どういうつもりであるのか。
先の決戦で肩の傷だけでなく大鉾も刃毀れを生じさせている。
己の愛刀を、そのまま刃毀れの無残な姿でおくのは忍びない。
この気持ちは判る。
だが、今の蛮骨が万全の為に大鉾を研ぎ直しているだけとは思えない。
「兄貴?」
何を訊ねようとしている蛇骨なのか、感付いているはずの蛮骨であろうにやはり無言のままを崩さねば大鉾を研ぐ手を休めもしない。
『もう?もう?いくのか?』
犬めと雌雄を決する。今の蛮骨にはそれしかないのか?
蛇骨はそれを見送り、短すぎる邂逅を惜むしかできぬのか?
「蛇骨・・あのな・・」
ゆがみそうになる口元に必死の笑をうかべ、蛮骨に見せる顔を明るい物に繕おうとする、蛇骨がいる。
「なんだよ?」
大鉾の研ぎ具合を指で確かめ、光に翳す。
「俺は負ける」
蛮骨は何気なさそうにいう。
「な?・・なんで?」
たとえ、その通りであったとしても、こんなことを口に出す蛮骨である事が、にわかに信じられない。
蛮骨はゆっくりと大鉾を返し、反対側の光を確かめおえるとやっと、蛇骨をみつめた。
呆けた顔の蛇骨がその瞳に映らないのか、気にならないのか、蛮骨は静かな口調を崩すことなく言葉をたした。
「俺は自分が負けるなんて事をかんがえもしなかった」
だが、じっさい今の蛮骨は負けるといった。
それも恐ろしいほど静かに。
「俺は、負けると見極める自分を信じないことにしていた」
蛇骨は何をいえばいい。
違うといえばいいのか?
傷の痛みにちょいと臆病風がふきつけただけにすぎないといえばいいのか?
見つけられない言葉を飲み込ませる蛮骨の静かさが不気味な静寂の時をつくる。
沈黙の重さに耐え切れず蛇骨は、蛮骨の手に触れようとした。
言葉以外の物でしか言い表せない時がある。
蛇骨が伸ばした手を覆い返すように包むと蛮骨は言った。
「俺が、負けるのは俺に信じれる物がないせいだ」
そこまで判っていながら蛮骨は、何故、勝つと信じようとしないのか?
問いかける蛇骨の眼差しを覗き込んだ蛮骨の瞳は思いの他に明るい色をしていた。
「俺はずっと、考えた。何で俺が負けるのか?何で、アイツが勝つのか?何で、そう思わされるんだ?とな」
かすれた声になりながら蛇骨は聞いてみたかった。
「何でか・・、判ったというんだな?」
その答えを聞く事はとりもなおさず蛇骨も、蛮骨が負けると信じる事しか出来なくなるのかもしれない。
「アイツな・・・」
ふと犬めを思い浮かべたのか、蛮骨は酷く懐かしい者に逢った笑みをうかべていた。
「不思議な目の色をしてやがった」
「不思議?」
「蛇骨・・。俺はもっと、早く・・・」
蛮骨の手が蛇骨をひきよせる。
その力に逆らう事無く蛇骨の身体は蛮骨の胸の中に包れた。
「アイツは誰よりも何よりも自分を信じている。そんな目をしていた」
「そんな事が、どうしたという?」
自分を信じられるアイツだから、蛮骨は勝てないとおもうというのか?
蛇骨はよほど、一笑にふしてしまいたい思いをこらえ、蛮骨の答えを待った。
「アイツには、護るべき者がいる。護らなければ成らない存在を抱かえたアイツこそが、自分を一番、信じなければ、誰をも護ってやれなくなる」
蛮骨は蛇骨の頬をそっと、なぜた。
「アイツは、負けるわけにいかないんだ。たとえ、思い一つでも、負けるかもしれないなんて、信じやしない」
蛇骨は蛮骨の身体を抱きしめてやる事しか思いつけない。
護ってやる者が居ない蛮骨が、犬の覚悟に勝てる訳がない。
必ず勝つ事しか信じさせない「桔梗」と「かごめ」がいる。
二人に支えられた犬は自分の価値を信念にかえる。
負けるわけにいかない男と負けるかもしれない不安を抱く男と、この時点で既に勝敗が見える気がする。
「兄貴・・・」
負けると判っていても、それでも、犬に立ち向かおうとする。あんたは充分自分を信じようとしているじゃないか?
何で、そういって自分を許してやらない。
なんで、そういって自分を庇ってやらない。
「いつか、お前、いってたな?」
蛇骨を抱いた手をきつくすると蛮骨はその耳元で囁いた。
「抱いてやる」
蛇骨はうなづいた。
頷いた顎に伝う雫を拭い取りながら蛮骨はいつかと同じように訊ねた。
「何で・・泣く?」
「俺は・・兄貴の・・・」
兄貴の「護る者」になりえないのか?
成りえれば「勝てる」蛮骨を作りえるだろうに、何の役にも立てず・・・。
「来いよ」
相変わらず扇情的な蛮骨の物が惜しみなく外気に晒されると、蛇骨のその場所をその物で弄る。
蛇骨に緩やかな滴りが滲み出すのは、蛮骨を迎え入れたい一心がさせる。
「ここ・・・」
そう、ここ。
この場所でこの部分で蛮骨と蛇骨は「二人」になる。
「俺を宥めてくれ」
死ぬことなぞ何も怖くない。
ただ、ただ、負ける。それだけが怖い。
負ける事を信じるしかない自分が怖い。
「蛮・・骨・・兄・・貴」
情恋の炎が蛇骨を狂わせる。
「兄貴・・あにき・・」
炎に煽られた猛りをなんども呼び返す。
いっそこのまま。
いっそ、このまま、恋虐につながれたまま。
いっそ、しんでしまいたい。
蛇骨の心の叫び声が蛮骨にとどいたとしかおもえない。
「生きろ・・・いいな。おまえは、いきろ」
快さにおぼれながら、蛇骨ははじめて、蛮骨をしる。
―俺にとって、この人は俺の「護る者」になっちまってるー
生きてゆく事をこの蛇骨に望む、あんたなら、あんたのいうとおりにする。
だけど、その前にこの一時を、あんたを、蛇骨に刻み込ませておくれ。

「ほしかったんだろうが?」
存分におぼれりゃいいんだと蛮骨はいう。
瞳の底の奥。覗き込まれりゃ、愛しさがあふれだしてくる。
そうさ。
まってたんだ。
ずっと、ずっと、あんたをまってたんだ。
洞を穿つ動きは蛇骨を陶酔の高みに運び入れる。
「ああ、もう、いつしんでもいい・・・」
漏らした言葉は快さの極地のせい。
「俺がか?おまえがか?」
いじわるくいった蛮骨にのぞきこまれた瞳に
「もう悔いはない」
と、蛇骨は答えた。
そう、思い残す事は何もない。
いつ、しんだっていい。いっそ、いま。このまま。
「二人」が死んだ朝。
どっちが一人で死のうと、
「あんたと俺」が生きた時が終る今
どっちがさきに死んだってかまわしない。
だけど、この胸に刻みつけられたあんたへの愛しさだけは誰もこわすことができない。
愛しさは一人ぼっちでもずっといきてゆく。
だから、この身体に忘れられないあんたの欲情をしみつけておくれ。
もう、ほんのすこしだけ、あんたを抱きしめていきてゆく。
そして。
あんたが先に行って待ってる場所に、
『すぐいくさ』

濃すぎる時の中に身をうずめつくし、ただ、ただ、蛇骨だけの蛮骨をうけとめたかった。
明日。蛮骨をうしなうとも、今は確かに二人。
「兄貴・・しってたかい?」
なんだ?と蛮骨が笑った。
「俺はずっと前から・・兄貴にほの字だったんだぜ」
小さなてれをみせた、蛇骨だった。
「しっていた」
そして、
「お前だから・・許せる」
欲情のままの振る舞いを許す事が出来る蛇骨への思いにもう少し早く気がついていれば、蛮骨は自分を信じれたのかもしれない。
だけど、いまさら。
終焉の扉を開いた今。
引き返す事はできない。
せめて。
蛇骨に与えられる生きている証しを蛇骨とわかちあう。
それだけが、蛇骨に答えてやれるすべてだった。
だから、蛮骨はあたえる。
その扇情を穿つ蠢きをするどくして、
蛇骨の中に己を刻み付ける。
蛇骨を捕らえ、蛮骨を捕らえた二人の時が飛空し、
今、二人は確かに、一つの頂点を迎えた。
                       ―終―



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