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依存

1


いくつか、同時多発的におきた精神にかかわる「物事」をあげてきたが、

この内容をあまり詳しくはかきたくないとは、思っている。

と、いうのも、実在の人物であり、

本人はむろん、まわりで、関わった人も二次的なショックをうけるということがありえる。

実際のことであるが、たとえばとして、二次的ショックのひとつをあげてみる。

本人が抱えている状況を知らず、心無い嘲笑やいやがらせを行う。

と、いうことがあった。

その当時、憂生も憤りを感じ、記事をあげた。

その中の一言であるが

「憂生がどんな思いで、その人たちに接しているか、判ったら

けして、そんな心無い言葉をあびせかけることはできない。

自分の思いにまけて、愚劣で姑息な嫌がらせをするのもけっこうだが、

彼らの内面がわかったとき

自分のしでかした事をどうやって、謝れる?

彼らは当然、許してくれる。

だが、たとえば、彼らがぽっくり、死んでしまったらどうする?

自分の一言で、彼らに悲しい傷をあたえたまま

謝るすべもなくし、

あるいは、心因性外傷を助長させたのかもしれないと

その後悔を一生背負っていくいくくらいの気で物申しているか?」

その一言に、何人かの人間は憂生に懺悔・告白してくれた。

だが、それより、恐ろしいのは

この憂生の一言が本当になったことだ。

しばらくして、彼らとひとくくりにしてしまってもうしわけないんだけど

その中の一人の女性が本当に亡くなってしまった。

告白した、懺悔した人はそれでも、まだいいかもしれない。

それをせず、

自分のしでかした事に気がついたときには

もう謝るすべもない。

たとえば、そういう二次的ショックというものが

実情をかくことにより

新たに浮上してくる可能性もある。

そのあたりも、含め、憂生自身も相当な覚悟でかいていかねばならないと思っている。


2

当初、閑な人間だと思った。

足跡から訪問をくりかえすと、逆訪問があり、

憂生も訪問して、と、いうことをくりかえしても、

仕事から帰ってきて、3時間ほどがんばっても、

いいとこ、500人くらいしか、帰ってこない。


それが、3000人とか?

連日のごとく、訪問者が多いということは、

日がな、一日、訪問を繰り返しているとしかおもえなかった。


奇妙だなと思っているとき、

憂生がそこへ行こうとすると、

訪問拒否をかけられていた。


なにが、きにいらないのかしらないが

報復的に訪問拒否をかける気はなかった。

いや、ならなかった。

足跡には40文字ほどのチャット形式のコメントがうちこめるようになっていて

ときおり、妙に優し気なコメントがあった。

ー朝顔の元気がない。水をやった。元気になった。良かった。ー

そう悪い奴ではなさそうだし

そういう憎めない性格が、訪問者を呼び込める元なのかもしれない。


その彼がときおり、なにを間違えてか

こっちには来るなとやってるくせに、

彼はこっちに来る。

あるいは、報復的に拒否をかけたかたしかめたかったのか?

それより、以前に

憂生が拒否されていることにきがつかないでいると思って

彼のところに訪問させて気がつかせようとしたのか?


どっちでも、いいが・・。

その彼が、妄想列車のところでも書いたけど

彼女が訪問したりしてくると、

彼もくる。

彼女のほうも、きがついて、

自分のページをみれば、そこに彼の足跡がある。

こいつも、興味本位の覗き主義か・・・

どうせなら、足跡残さずにやっておけばいいのに・・

彼女のところに行ったかと思うと

憂生のところに戻り

と、繰り返していた。


ぬけてるというか、

悪気がないというか

当座はこんな調子で、

彼との距離は保たれていた。

 3

だいぶ、月日がたっているので、記憶違いをしていた。

訪問拒否というのでなく、

訪問の足跡、が履歴に表示されない。

と、いうことで、

彼には憂生が訪問したのがわからない。

で、あるのに、何故くるか?

たぶん、訪問先で憂生の足跡をみつけて

はいってきたのでは?

と、おもっている。

 

そんなお茶目な男は

入院中とか、通院中とかで、閑が多すぎて

日がな一日 足跡に向かい合ってるらしい。

なるほど、と、思っていたころだったろうか?

誰だったかも覚えていない。

ーあの男にちかよるなー

と、いう内容の警告文をよこされたことがあった。

 

内容的には

彼はばりばりのエリートサラリーマンだったけど

もう、はいあがってこれないだろうー

と、いうものだった。

 

当時の憂生は、

精神病などというものに疎く

精神病の患者は、

病院に隔離されているものだと思っていた。

 

つまり、日常生活をおくるのに困難な

重度の精神病患者というものしか

判っていず、

鬱病などという言葉も

軽度のものでしかなく

日常生活をおくることが可能な人間でしかないと

捉えていたと思う。

 

だから、欝病サークルなどというサークルがあり

そこで、仲間と集う人たちがいるらしく

ある意味、客観的に病気とむかいあっていけたりする。

むしろ、健全といったらおかしいが

前向きに考えることができる病気なのだとおもっていた。





その男は、言ってみれば

カリスマ性があり、

多くのカフェ友のようなものがいっぱいいて

サークルに50人100人と参加していた。

どうも、憂生には参加していたというより、

傘下していたというふうにみえていた。

と、いうのも、これも、憂生の性格だと思う。

どちらかというと、

群れるのが好きじゃない。

かっこよく言えば一匹狼でいたかったし

はっきりいって、

一人の人間(憂生自身をさす)の面倒もまともにみれないのに

何人もの人間のことをきにかけたり、

できなかったし

今まで、書いたようなこと、他にも、

いろいろ、気にかかることがあり

リアルにおいても、いろいろ、揉め事に首をつっこんでいたし

記事でも毎日5~7記事はかき、

連載をかき

友人にメールや手紙をかき

と・・・

憂生なりにすることがいっぱいあり

おまけをいえば、

表面上のおつきあいなど

する気はなかった。

そんな状態とかんがえがあったせいで

お山の大将みたいなものにはなりたくないと思っていただけに

それを、なんなくこなし、

それなりの絆を大切にしているようにみえたし

サークル仲間もそれなりに彼を敬愛しているように見え

憂生の杓子定規の考えでは

量りきれない「魅力」のある人間なんだろうとは、思っていた。





相変わらず、彼の足跡履歴拒否は続いていた。

ところが、

ブロー・ザ・ウィンドがきっかけで、

心を開いていってくれた女性が

突然、倒れてしまった。

憂生のところに、ご主人から、メールがきて

ー昏睡状態で、意識が戻らない。

カフェを楽しみにしていて

カフェをやりはじめてから

彼女は明るくなってきた。

そんな彼女だから、カフェの友人から

足跡でいいから、なにか、メッセージをくれたら

彼女にそれを読み聞かせてあげたい。

そうすれば、意識をとりもどすかもしれないー

一縷の望みにかけて、必死になっているご主人の気持ちに答えるためにも

憂生は何人かの彼女との共通の人間に事情を話し

みんなも共通でなくて、知らない友人もいるかもしれないから

記事にあげるなどして

メールや足跡コメントを彼女におくってもらうようにしてほしい。

と、あわせて、彼女の状態をつたえた。

ほどなく、多くの人が彼女に伝言やらエールをおくり

ご主人がそれらをよみあげていったのだろう。

 

三日目くらいに

ご主人からメールが来て

ー意識を取り戻しましたー

と、あった。

そこで、みんなに即伝え

記事にも、協力への感謝とともに

彼女の回復を伝えたものをアップした。

 

そこから、事件が始まったといって

過言じゃないだろう。








それを注視していたのが、

カリスマ的存在だった彼だった。

当初、彼の訪問先に

彼女へのエールをおくってくれる呼びかけ記事がのっており

特にひとりの人が

扉にどーんと掲げてくれるということをしてくれていて

彼は発信者をその人だとおもっていたのかもしれない。

ところが、

憂生が

「今、意識を取り戻したとご主人から連絡がありました。

みなさん。ありがとうございました」

と、掲げたものだから

彼は、

憂生からだったのかと判ったのではないかと・・・。

突如、足跡拒否を解除したという連絡があり

憂生は憂生で

彼が勝手に憂生を嫌っていたらしいことには

やはり、

否定された感を感じていたと認識するにたる

なにか、認められたらしいことに対するうれしさに似た感情がわいてきていた。

それで、

すなおに、そこは伝えた。

さびしかった

と。

やはり、傘下にはなりたくはないが

こっちが認めるところがあった存在から否定されているというのは

さびしい気持ちがあったのだとおもう。

 

そのあたりから、

急激に彼は憂生にちかよってきはじめた。

酒の話につまみの話

チャットでよく盛り上がって話をしているうちに

彼がいいだした。

ー憂生、俺のサークルにはいらないか?-

ーいや、断るー

ー憂生なら、内野手・・ショートのポジションを任せたいー

オールラウンドプレーヤーであるともいえるショートのポジションは

要の位置といっても良い。

憂生は物書きのせいであるかもしれない。

こういう凝ったいいまわしには心ひかれる。

ホモ師との遭遇でもかいたが

ーわし、あんたに一目ぼれ・・・・・どこで売ってるかしらないかたずねようとー

などの言い方自体は小憎いとおもうし

他にも作品中にいっぱいあるけど、長くなるので割愛するが、

上手にゆさぶりをかける言い方をする彼自体は

相当のキレ物だとおもえた。

けれど、もう一度、断った。

ー憂生は一匹狼のほうが性にあってるから、すまんのおー

そのときはそれですんだ。





憂生という人間は非常にもろいというか

お人よしというか

すれていないというか

世間知らず・・この場合はネット知らずだが

ー困ってるー

ー助けてほしいー

と、いうのに、弱い。

メールのスパムとはしらず

ーさる方から、相談事があって、憂生さんのブログの様子などから

ぜひ、この方にとおっしゃるので、私が代理で・・-

などとかかれているのをみて、こりゃあ、困ってるんだと

ー憂生でよければー

などと返事をしてから、そういうメールがあちこちからきて、

やっと、こりゃ、新手のスパムだったかと気がつくありさまで、

とにかく、え?この状態じゃやばいんじゃないかと感じたり

心配になったりすると

いてもたってもいられず、

つい、おせっかいをやくという非常に甘ちゃんな人間だった。

それが、

憂生の弱さというか、

もろさであったと思う。

 

そして、単純馬鹿に人を信じる。

あるいは、人が憂生を利用するなどと考えていない。

それも、持論があった。

たとえば、裏切られたという言い方があるが

憂生はとことん、純真?だったら

相手は裏切らないと思う。

つまり、裏切られるような「落ち度」があるから

裏切られるのであって

裏切られたのではなく

裏切らせたのは、自分である。

と、いう考え方だった。

つまり、もっと、言えば

裏切られた、裏切られたと大声でわめいている人間は

自分に「裏切らせてしまった」欠点があるとわめいていることになり

いい恥さらしをしているに過ぎない。

と、いう通常とは異なるだろう意識があった。

 

だから、彼のとった態度についても

憂生のもろさとか弱さとか馬鹿単純なところとかという

欠点からのものでしかない。

 




今、思うと本当に馬鹿であり

純粋だと思う。

だが、こういう馬鹿だから、できた?ことだったかもしれないとも思う。

彼の申し出は

ー自分は脳腫瘍で、手術をうける。

憂生みたいに応援してくれる人がほしいー

と、いうことだった。

それは、意識をなくした彼女に対する憂生の応援をみて

彼もまた、確率的に低いとされる手術に望むための勇気を与えてほしい

と、いう意味なのだろう。

憂生としては、

彼女のご主人の必死の思いが胸に沁みている。

そして、彼は自分でしか応援を頼めない。

いたく、同情して、憂生は彼女のときのように

みんなに呼びかけた。

 

病院に入院した彼はメールをよこして

今の状態と

憂生、ありがとう。

みんなのメッセージが届いている。

そんなことを告げてきた。

 

ご丁寧にまたもそれを皆に伝える。

他に頼むものがいなかったのか?と思わぬでもない。

サークルに何十人と人がいて・・・。

だが、頼れる人間が居ないからこそ

憂生にショートをという事になるのだろう。

結局、リップサービスの上っ面だけの付き合いでしかないか。

ある意味、あわれな男でしかないとも思えた。

 

ところが、

そんな応援依頼メッセージを掲げて三日ほどしたときだった

 

ーそのメッセージをとりさげてくれませんかー

と、知らない人から、メールがはいった。






わけもわからず、簡単にはとりさげられない。

こっちだって、真剣にかんがえてやっているのだから・・。

とか、答えたと思う。

すると、

ーまた、脳腫瘍とか、いいだしてるんでしょ?

それ、彼の嘘です。-

と、言い出してきた。

そのあたりに対して、憂生もどう答えたか思い出せないし

なぜ、もっと突っ込んだ話になっていったのか

そこも覚えていない。

ただ、いろいろ、メールを交わしたところ

わかってきたことがあった。

ー彼はネット依存症でネットの中の自分を自分だと思い込んでいるー

つまり、演じているのでなく、

ネットの自分が自分ということになる。

そして、メールの相手は自分を女医だといった。

彼を診ているとも。

そして、彼女から弾劾ともいう一言があった。

ー私は彼のために月に何度も彼の元に往診しにいっているー

もう少し違ったかもしれない。

つまり、憂生が彼女のように、行動としておこすことができるか?

ネットで彼の世界を助長させるだけしかできないものが余計なことをしてくれるな。

と、いう言葉だった。

だが、憂生はひとつの違和感を感じていた。

ネットをやめさせればいいじゃないか?

と、いう思いは、先に尋ねていて

ーやめさせようとすると、彼はネットがなくなったら、死ぬというー

本当にとりあげて、死なれでもしたらいけない。と思うほど

彼の病状は重篤であったということは理解できていた。

だが、それならば、

彼にとって、良くないからたとえばメッセージを取り下げてくれというのは

勝手な言い分ではなかろうか?

なにが、いいたいかというと

あえて、彼が狂人であるということを

彼に関わる人間にしらせておかずに

悪く言えば、こちらはだまされたというか

被害者みたいなものでもある。

そういう被害をみすごしにしておいて

彼の狂いがひどくなるからやめてくれ。と、いうのは

勝手な言い分ではなかろうか?

だが、憂生もそういう事に疎い人間であり

持論でもある

だまされるほうに非はないかという考えでいけば

憂生こそ、ぼけなすでしかないわけだから

そこはいえることではない。と、考えたのと同時に

彼をなんとかできないか?

狂いから引っ張り揚げれないか?という

いつものくせが出てきていた。




10

ここも憂生は自分でも不思議だと思う。

なぜか、その女医と称する人間に対して質問を投げかけていた。

ー彼の狂いは、父親との確執のせいではないですか?-

と。

まず、本当の根本的な心の病巣を癒すことをせずに、

あたりさわりのない治療をおこなっても、

治らない。

と、思えた。

これは、彼の魂が・・を読んでくれた人にはわかりやすいかもしれない。

本人が確執を抱え込んでいては

死んでさえも、浮かばれずに居る。

その思いが重石になってそこに留まってしまう。

だから、その確執が何かを知ることで

彼の魂が・・の幽霊のように

確執を取り除くこともできるかもしれない。

ところが

女医は確執が父親との間にあることは認めたが

その内容を話すことについては

家族の同意が必要だといいだした。

女医が他のことでもかなりのことまで、打ち明けてくれているのに

その一番の病巣になる部分は家族の同意が必要だといいだす。

ひとつには、憂生が確執を取り除けるかもしれない案をだすかもしれないという思いより

単純に、彼という人間への興味本位で尋ねているだけととらえたか

素人になにがわかるか

ましてや、かけつけるという行動をおこすこともできないくせに

と、いう思いがあったのかもしれない。

どちらかというと、

憂生はむしろ、この女医のほうが、心配になったところがあった。

どういえばいいだろう・・・。

実際、自分がなんとか治したいとおもっていたら

父親との確執か?とみぬくような人間なら

なにか、いい案がでてくるかもしれない。

話して聞いてみようか?

万にひとつでも、なにか打開策のヒントになる発言があるかもしれない。

それこそ、藁にもすがるというような必死さが薄いように思えた。

それが、医者なのか。

と、いう思いがわいてきて、憂生はひょっとすると

女医は彼の女房さんではないのだろうか?

と、いう気がしていた。

無論、実際のところはわからない。

そして、もうひとつは

確執をこじあけるのをあまりに畏れているともみえた。

ネットをとりあげたら死ぬかもしれない。

と、いうのに、似た、畏れに見えた。

 

相手の膿をだすのに

痛い思いをさせずに、膿をだせるわけはない。

痛みを与えることを畏れるあまり

膿が広がっている。

そこに問題があるような気がしていた。

いいかたを変えれば

まわりの人間の腫れ物にさわるだけの態度こそが

彼の狂いを助長させていたようにさえ思えた。

 

それが、結局、サークルをつくり

そこのボスになり

居心地の良い場所をつくらせ

何もしらず彼を敬愛する人間をつくりあげる。

ネットがなかったら死ぬという言葉におびえ

たとえば、彼のサークルに集う人間に

事実を話し、さっていかせるようにしむけることもできただろう。

居心地の良い場所を提供し

多くの人間に事実をふせ

彼の世界を構築させているのは

あなた(たち)じゃないか・・・。

そういう思いが憂生にひしめいていた。

 

だから、家族にという言葉で1クッションおこうとした女医に

憂生は断った。

彼が大事でまわりの人間の気持ちを考えられない状態

すまないという気持ちがでてこないというか

だまされたままでいてもらうしかないというより

憂生への最初の態度のように

だまされるものが悪い。きがつかぬものが悪い。

かのようなものの言い方。

まるで、こっちが加害者かなにかのように

彼の世界を助長させる手助けをするだけだ。

と、自分たちが被害者に摩り替わっている。

 

不感症のようにだまされている(信じているというべきか)人間への

すまなさもみせず

彼の行状の監督不行き届きをわびるでもなく

どう考えても

普通の感覚ではない。

 

自分も彼の狂いによる被害者なのだという立ち居地にいるかのようにさえみえた。

まるで、

それをしたら、私がお父さんになぐりとばされるという恐怖から

ーあんた、よけいなことせんどいてよーと文句をいわなければならない。

そんな物言いにみえた。

 

だが、それも、なぜなのか判った。


11



書きながら、考えていた。

憂生が何故、彼の狂いの元に父親との確執があるとおもったのだろうか?

と。

それは・・・。

たぶん、彼の記事を読んだせいかもしれない。

そこには、無論、女房さんの存在はなかった。

だいぶ前にかいたことだが、

あの男にちかずくなと警告をはっしてくれた人間がいた。

今かんがえなおすと

その人間は憂生のことを女だと思っていたのではないかと思う。

その警告のときに

彼には女房がいて、子供が二人?いる。

と、いっていた。

憂生が女で、彼にのぼせあがっていると考えたのではないだろうか?

子供まで居て・・かよ。

よほど、辛い確執があったとしか思えない。

その確執がなんであったかはわからないが

ただ、彼の記事には女房さんもでてこず

もうひとつ、父親もでてこなかった。

母親のことはかいていた。

家も裕福なようで、床の間が映りこんだ部屋の写真があったが

かなりの立派な家のようにみえた。

それは、警告の通りをしんじるなら、

途中で会社勤めをリタイヤした彼では建てられないとおもえた。

誰がたてたかといえば、つくりがまだあたらしいようにもみえたから

彼の父親もしくは祖父だろう。

その二人とも、彼の記事にはでてきていない。

祖父はあるいは、亡くなったのかもしれないと考えれば

話にでてこなくても不思議ではないかもしれない。

家族構成まで話す必要もないが、

やはり、居るだろうに、女房さん同様、話にでてこない。

そして、まあ、独身男のほうが

サークルによってくる女性もふえる可能性があるだろうから

女房さんのことを伏せるのもわからないでもないが

父親の話がでてこないことから、

彼の確執は父親に関わるとおもったのだと思う。

奇妙な違和感としてのこっていたのかもしれないし

触れられたくないことには

自分からもとおざけておくという心理をおもったのかもしれない。

 


12


とりあえずは、メッセージをとりさげておいたが、

憂生はもうひとつ、きがかりをみつけてしまった。

彼のサークルの中に何人か知人がいた。

ほかにも、彼の記事にコメントをよせていたり

彼が話しかけてくれたと喜んでいた女の子の知人がいた。

どうしようか迷った。

だが、話しておこうときめた。

最初に話したのは、男性だった。

まず、たずねた。

「おまえ、あいつのサークルにはいってるけど、あいつのこと好きなのか」

変な意味(BLとか・・)に誤解しないでほしい。

本当に好きでいるのなら、なにをきいても、その気持ちは変わらないか

あるいは、事実を聞いて、何らかの援助、

それは見守っていこうというものも含めて

何らかの良い思いを持つことができるかということである。

そこを確かめなければ話せなかった。

すると、その男性は

「好きですよ」とあっさり、肯定した。

ならばと思った。

そして、事実をはなした。

そして、憂生の考えもはなした・・かな?

結局、居心地の良い場所、彼への協賛はかえって彼の世界を頑強なものにする手伝いにしかならない。

本当に好きだと思うなら

去っていくほうを選ぶの本当ではないだろうか?

お前の気持ちは憂生が判っているから

一端は離れて、彼の復帰を祈ってやってくれ。

と、そんな風なことをいったかどうかも覚えてないけど

とにかくは、その男性はサークルからぬけて、彼からはなれていった。

あとの人は、おつきあい、リップサービスという

簡単なというと失礼かもしれないが

処世術のような、おもしろそうだなという感覚くらいだったようで、

憂生の話をきいて

できるだけ、かかわらないようにする。

彼のほうが話しかけてきたのを断るというような態度も良くないだろうから

自然とはなれていくようにする。

と、いうと

ー良くなることを祈ってるーと付け加えた。

そういう思いになってくれる人もいるということを

あるいは、そういう風におもってもらえるように

女医や女房さんが手をつくすこともできるだろうに

と、思っても居た。

なにゆえ、そんなに、彼の構築した世界を助長させるのかと

どなりつけてくるのか、

やはり、少しは縮小させていくこともできようし

あえて、見守りたいと残るひともいるだろうにと思えば

なおさら、なにかしら、女医たちが人をしんじられないようにみえて

その感覚がなおさら不思議におもえた。

 

それが、次の日にわかった。


13


どうやら、女医も憂生を「女」だとおもっていたようだった。

そうじゃないかもしれない。

じゃなけりゃ、そんな話はしない・・だろう。

最初にはなしてきたのは

ー彼はなにか、窪みや凹みをもっている女性をかぎつけるのに長けていたーと、いう言い方だった。

つまり、憂生も女性で、かつへこみや窪みを持っているから、

彼がかぎつけてよってきた。

というふうに、取れた。

その続きが正直、そこまで話していいのか、わからないが

ー彼のそういう能力で、二人の女性が被害にあい、

奥様がいらっしゃるとしって、

一人は自殺、たすかったけど。

一人は精神的にだめになって、私のところで預かっているー

憂生が彼に好意をもっている女性であると考えるのなら

あえて、こんなことはいわないのではないかとも思える。

が、そんなことはどうでもいい。

それでか、と、思った。

それで、サークルに入ってる人間に対して

警告をはっさないのも理解できた。

実害がないからだ。

憂生がメッセージをだしたのをみて、

女性だと考え

3人目の被害者になることを恐れた。

へたなことをいうと、前のふたりのように、

自殺したり、精神錯乱をおこしたりして

どうにもできなくなる。

と、でも考えたのではないだろうか。

ただ、女医はこういってた。

ー貴方の記事も、作品もすべて、目をとおしましたー

はっきりいって、膨大な量だったとおもう。

すでにそのころで、作品は60編もっていたし

記事も毎日5~7~10記事、毎日かかさず書いてる。

その記事をよんだからこそ

憂生にすべて?を話す気になったとも思えた。

だが、その女性の被害者の話がますます、憂生を怒らせてしまったかもしれない。

うまくそのときの感情を説明できないのでかもしれないとかいている。

どういっていいか・・・。

そんな被害をどうのこうのいうんじゃない。

それは、何度か書いたように

だまされるほうも、自分に落ち度がある。

自立できていないというか、

なにかに、依存しなければならない弱さがある。

だから、彼という依存相手が実は狂っていたとか

奥さんがいたとかで、簡単に依存精神ごと自分を崩壊させてしまう。

どこまで、彼が好きだったかでなく

彼に好かれていることに立脚している。

本当に好きだったら、私が立ちなおさす、

私がささえる、奥さんがいても協力したい。

と、いうのじゃないか?

憂生のいう事はきれいごと

あるいは、

強い人間の考え方かもしれない。

結局、彼女たちも

幽霊にとりつかれる人間のように

とりつかれるだけの「思い方」しかもってなかったといえる。

鉤がなければどこにもひっかからないのとおなじで

ひっかかるには、ひっかかるわけがある。

女医のいうとおり、

窪みや凹みをもっている女性という言い方はそのとおりだろう。

だからというのではないが、

もうしわけないけど

だまされるほうにも、落ち度がある。

で、あるから、

サークルの人間たちに警告を発しないのもわからないでもない。

世の中、そんなに甘くはない。

と、いうことだろうし

いずれ、サークルの人間もはなれていくだろうから

わざわざ、嘘をしんじていたのよと告げる必要もないだろう。

 

が、

そんな被害をだしていることさえ、

自覚がない、そんな廃人同様なままの彼で

一生をおえるのか?

それも、女医たちがオブラートにくるむように

彼を護り続けて?

ーおまえ、それでいいのか?ー

ふいに、憂生の胸にわいた思いはそれだった。


14

そして、憂生は何人かの人に相談にいった。

実際のところ、憂生も混乱していたと思う。

頭では、理解しても

なぜ、そういう状態の人間をのばなしにしているか。

たとえば、被害者の女性の親族などが

彼をうったえたとしたら?

当然、刑事裁判とかになり、

そして、彼には責任能力がないから

無罪放免になる。

そうでなくても、法定にたたされたとき

彼の精神もどうなるか?

悪いいいかたをすれば

罪はとわれないだろうけど

罪を隠蔽したともいえる。

そうせざるを得ない状況もかかえていたというのも

判らないでもないが

それさえ、本人にはわからない。

自分のしでかした事もわからなければ

彼女たちにもうしわけなかったとも認識しない。

ひどい言い方かもしれないが

それで、生きているといえるのだろうか?

ネットの中に作り上げた人格にのっとられて

まるで、パソコン人形のように

感情のないとはいわないが

嫌なこと・苦しいこと、いっさい排除してさまよっている。

まさに廃人という言い方が正解としかいえない。

人が廃れる。

勝手ないいかたかもしれないが、

もがいて、苦しんで、生きていくからこそ

人間じゃないのだろうか?

 

多くの疑問と

一連の事実を

どう捉えていけばいいか

ベストなのか?

そこで、まず、ネットの中でもっとも良識をもっていると思う人に話した。

その人の見解は簡単に言えば

ー甘い人間であるー

と、いうものだった。

たとえば、もっと昔なら、欝病とかそんな病気はなかった。

あったとしたら、まともに働かなくていい、御幣があるが

小説家とか、金持ち。

他のものは、必死にはたらかなきゃならなかった。

生活ひとつだって、水ひとつだってくみにいったり

洗濯だって、ひとつひとつ手で洗い

火をもやすのも薪で、薪をきったり

いろんなことが、便利になりすぎて

金でなんでもできるようになって

自分の身を粉にして働かなきゃ

食えなくなる、なんてことがなくて

ごはん、ひとつたべるのでも、どんなに手をかけて

米からであっても、

くんできた水、火をおこす薪、それらを使い竃で火加減をみながら

一杯のご飯に、それをたべさせてやろうとする多くの人間の力がはいっていて

ご飯を一杯たべるのでも、どれだけ自分を生かせてやろうとする

人の思いに自然のめぐみ

この思いに感謝しかでてこない。

たとえば、そんな思いもしらず、

辛ければ会社やめます。

病気になります。などと言っていられなかった。

そんな甘えた考えでいたら、自分をそだててくれた親さまにすまないし

自分もくっていけないだけでなく

女房子供を路頭にまよわす。

結局、自分のことしか、考えていない。

そういう意見だった。


15



ある女性・・それはすでに名前をだしているのでそのまま書くが

KUMINAさんに尋ねた。

他の細かいことはわすれてしまっているが、

このときに

ー憂生、いつか、そのことを小説にしなさいー

と、いってくれた。

この方は他のときでも、憂生に重要なセンテンスを与えてくれていた。

言葉だけをいう。

出る杭は打たれる。

ー打たれても、打たれても、また、上がってくればいいー

打たれてくじけ、やめるくらいの気持ちなど本物じゃないだろう。

本物だったら、あがってくるんだ。

あがってくるから、本物になるんだ。

その言葉は、ブログにたいしてもそうあるべきだとおもっていた。

仮に顔をあわせられないような失敗をしでかして

ブログから逃げ出して、別のブログ・IDでやりなおすという人をみかけた。

憂生はブログにそのまま、自分の失敗をつづり

申し訳なかったとさらけだしてきた。

つまり、また、あがってきていた。

だから、ブログは諸事情(カテゴリ数とか1スレッドの文字数制限とか、いろいろあって)

メインブログを軸にしてあちこちのブログをつかったが、

一貫して、憂生でとおしてきている。

恥にしかならないようなこともさらけだしている。

だから、KUMINAさんのいう、いつか小説にしなさいという意味合いもわかる。

憂生自体が、ものをかきながら、自分の中を整理し

自分を客観視したり、観をかえたり、

指標をみつけたりする大事な作業だった。

自分と向かい合う、大事な作業だった。

だから、小説にしなさいというのは

逆をいえば、客観視できないとできないことであった。

たぶんに、この一連の文章はまだまだ、小説の範疇ではなく

日記のようなものでしかないということはわかっている。


16


次にたずねたのが、記憶ちがいかもしれないが・・

あとで、ある意味、憂生をすくってくれた人間だったので

はなしているとおもう。

それは、二人のアニマのところでも頼った

透視能力(と、いうと御幣があるが)ある人だった。

その人になんと、いわれたか

おぼえていない。

結果から逆に類推すると

ーかかわると、憂生がつらくなるから、やめておけ

と、いっても、自分が辛いからやめる人間じゃないよなー

と、いったような。

その人はそのあと、あえて、彼のサークルにはいっていた。

その真意はわからないが

なにかをみこして、あえて、ちかずいていたのだとおもうし

女医ともしりあったか、家族としりあったか

ある事件も憂生につたえてくれた。

その事件のことは、後で書く。

が、この人が憂生の憑依をさっして

払いにきてくれたり

憂生の頼みをきいて

体の中に?もぐりこんでくれて

憂生の中にいた、金色の光のことなどはなしてくれた。

そういう意味合いで(ここは詳しくのべないとわかりにくいことだけど)

その人の能力は本物に間違いないものだった。


17


あと、何人かに話をきいたが、これはおぼえていない。

と、いう事にしておく。

もうしわけないことである。

そして、最後にたどりついたのが自傷癖の青年のところだった。

この青年については

妄想列車のところで、すこし、かいているが、

愁眉を開く

そういうくらい、人の思いを掬い取り

簡潔な言葉で、物事の本質を悟らせるような人だった。

青年を最後にとっておいた(いやな言い方かもしれない)のも、

そこにあったとおもう。

ある程度、自分の考えや気持ちをみさだめてから、

青年と対峙したかった。

この青年のことも、女医にはなした。

なにをいわれて、そういったのか覚えていないが

自傷は弱い人間のすることだ。

と、いう表現をしたとおもう。

女医はそうだろうか?とくってかかってきた。

心の中の抑制力が飽和してしまう。

青年の人柄がわかってるだけに

そんな人間が抑制力がきかなくなってしまうとなると

もうしわけない言い方だけど

ー弱いーという言い方になる。

憂生自体もならぬ堪忍するが堪忍で、

こらえるにこらえられない怒りをおさえつけたことがある。

それは、自分がここで、きれたら

自分だけじゃすまない。

周りの人間をきずつける。

それをかんがえたからであり

考えられず、考えても、おさえられなかった自分の時は弱いとおもった。

 

それは、ひいては、

彼も弱い人間でしかないということをつきつけたかったのかもしれない。

それをさっしたか

弱いから、ネット依存ににげこんだんではないといいたかったのか

判らないが

ここも、奇妙に思えた。

なにか・・・。

女医こそが、彼本来の元の性格、正常な状態を神格化しているような。

弱い人間などではないのだと。


18

今になって、思い返している部分がある。、

当時、疑問だけだった

なにか、しっくりこない感覚を

今、こうではないかとかいているところもあり、

そういう意味では、当時の思いとは違うところがある。

頑迷に青年に対してのことであるのに、否定し

それは、どういう判断で弱いというのか

憂生にたずねようとしない。

 

それは、弱いということじゃない。

と、いうわけだけど

逆にそれも説明しない。

 

合ったばかりの人間の抽象的一言が

なにを捉まえているか、わかろうはずないのはお互い様だが。

それでも、

それを彼におきかえて物をいった側にすると

女医が、彼を弱いとみていないと思えた。

それは、いいかえれば、

彼の不調は長引いているが、治るはずだ。

と、いうものであり

逆にいえば、完璧な廃人であると認めていない。

完璧な廃人だとみとめていればこそ、

彼の行動にたいして・・

最新の注意をはらい、サークルの会員にも

事情をはなしということをするだろう。

それをしないのは、彼がなにをしでかすかわからない狂人であるということを

認めていない。

すでに被害者をだしているというのに。

それは、つまり、すでになくしてしまった元の彼の偶像を崇拝していて

あの彼だから、と、いう目でみていると思う。

それは、何らかの確執にくずれさった弱い彼をみとめていないということにもなる。

だが、それも、彼なのだ。

その彼をあるいは、否定している。

廃人で弱い人間。

それを認めないと逆にそこを突き崩せないのではないかと思えた。

 

そして、父親との確執というのがなんであったか、わからないが

やはり、厳しく育てられていない。

苦労しらずというとなんだが

自分だけが、苦しいと思い込みすぎたか・・。

父親の気持ちをおしはかることができないばかりか

そこから、目をそむけてしまう。

嫌なこと・痛いことから目をそむけ

むきあう強さがないともいいたい。

狂うはめになるのも、自分に落ち度はないものだろうか?

そこをみせていかなければ

はいあがることはできないだろう。

自分がにげこんでいるという自覚さえない状態は

はいあがる必要性をかんじさせもしない。

 

そして、それを助長させているのが、

彼を廃人とみとめず

弱いと認めない存在だろう。

 

こんな状態で、父親のような厳しさをもって

彼に対峙する人間がいず

彼もまた、父親を隔離している。

 

サークルに入った透視能力者は

のちにつたえてくれたが、

そりゃあ、おそろしい修行をした。

鬼がでてきて、髪の毛をつかんでひきずりまわすのだ。

と。

 

あるいは、そういう試練をのりこえなければ

そういう恐怖にうちかたなければ

つかめないものがある。

 

彼の状態もまさにそうで、

地獄の鬼にみえないだけで、

居心地のよさそうな依存世界という地獄に身をおき

そこから、ひきずりだされる恐怖におびえる。

 

恐怖に打ち勝たなければ

つかめないものがある。

それをつきつけるものは

父親しかいなかっただろう。

その恐怖と対峙せずにいるという状態にあまんじさせている。

 

女のもろいところは、そこだろう。

情にまけて、

死なせてはいけないと彼を護る。

男は特に父親は

人として、まっとうにいきられないなら

極端だが、死なせてもいいからと覚悟をつけて

這い上がらせる局面をたたきつける。

その親の思いが

逆に彼をひきあげる。筈・・。

 

そんなことをおもいながら、自傷癖の青年に

はなしをした。

と、おもう。


19



非常にもうしわけないが、

そこでいわれたことだと思い込んでるかもしれない。

そして、確か、青年もまた

関わらないほうが懸命だといったと思う。

その理由を話してくれたのがそれだったと思う。

ーどんな精神病でも、愛してくれる人が、抱きしめてくれたら、必ず治るー

そのときに、青年はつけたした。

ー俺はだめだけどなー

青年は恋人を亡くしていたから・・・。

 

その一言

ーどんな精神病でも、愛してくれる人が、抱きしめてくれたら、必ず治るー

と、いうのは、厳しい言い方だが

彼の奥さん、(あるいは母親、父親)しか、彼を救えないということになり

彼の奥さんなる人が、とことん、彼を抱きしめるしかない。

妄想列車の話でもそうだったが、

ときめかないからと修復さえ試みない考えがまかりとおるなか

彼の行動を経緯を考えると

それは、酷なことかもしれない。

ただでさえ、彼が狂気におちたことさえ、うけいれがたく

なんとか、元にもどってほしいとおもうだろう。

それは、また、反面、弱くてもろい彼ではいけないと彼をおいつめるだろう。

それでも、逃げずにがんばっていれば

他に女をつくり、

あげく、その女性たちの精神を・人生を崩壊させる。

奥さんもいろんなショックから立ち直れずにいるだろう。

幸せだった結婚生活もくずれさり、

彼はいっこうに回復のきざしをみせない。

そこに単純馬鹿のともいえるし

ちょうど、同じタイミングである女性の意識回復の協力に奔走しており、

他にも、いくつか、きがかりが混在していた。

その状態であったというのもいいわけがましいが、

彼の申し出をきいてしまった憂生がいたわけだ。

 

確かに、

ますます、彼の世界を構築させ、いっそう元にもどらない。

と、奥さんがおもったことだろう。

 

青年の一言で、

憂生は自分じゃ無理というよりも

彼の奥さんが(家族)が、彼を抱きしめていくしかないのだと、わかった。


20


 憂生が決断したことは、正直を言うと、

いちかばちかの賭けだったとおもう。

そして、なぜか、それが、解決の糸口になると、

しんじていた。

それは、今までの憂生を自分が信じていたといっていいかもしれない。

決めると、覚悟した。

どっちが先だろう。

覚悟してから決めた。

か。

おそらく、誰も理解しないだろうし、

孤立無援になるだろうし、

多くの人間からもののしられるだろう。

けれど、なぜか、失敗するという思いはなかった。

失敗するかもしれない賭けをするわけにはいかない。

人一人の命がかかっているのだから。

 

憂生が彼に何を言ったか、細かいところは

今はもう覚えていない。

ただ、社会復帰しろ。

と、言ったことと

最後に、お前は社会に戻るように努力しろ。

憂生は、物書きとして、ずっと、ものを書き続ける。

と、いった。

それから、彼の不調がはじまった。

おそらく、ネット世界と現実というふたつの世界認識は彼になかった。

とまどいと、混乱の中にいたのだろう。

そして、

おそらくだと思うが

彼は自分でかけた呪縛にからまった。

 

ネットがなければ、死ぬ。

それは、自分の世界がなくなるのだから、

地球がなくなれば自分も死ぬというのに

同義だったろう。

 

不調のさなか、

サークル会員にアンケートをとっていた。

死後の世界はあるか?

幽霊はいるか?

 

彼はあるいは、自分が

死んでいるとでも、かんがえたのかもしれない。

 

そして、ある日、

家族?かだれかが、彼のホームページの記事に

緊急入院になった。

と、彼の様子をしらせ

しばらく、サークル活動を休むとかかれていた。

 

そして、すぐ、憂生のもとに女医がやってきた。

 

ー貴方は人の心に土足でふみこんでくる

もう、二度とかかわりたくないー

 

と、つげると、もう二度とあらわれなかった。

 


21

憂生の驕りだといわれれば、それまでだと思う。

彼は帰ってこず、

サークルの部員もぽつぽつとやめはじめていた。

 

そこにやってきたのが、

透視能力者だった。

ー憂生、言うまいかと思ったけど、告げておくー

と、前置きして、

ー彼は首をつったんだ。

さいわい、家族の発見が早くて

一命とりとめたんだけどー

憂生は、なにも答えず、話をきいていた。

ー病院のベッドで、泣き出して

死ぬのは怖い・・怖かった・・と

わんわん、泣いたそうだー

不遜と思ってくれていい。

良かったとおもった。

それは、生きていたいという自我をとりもどし

本当の自分をとりもどすきっかけになる。

あとは、

奥さんが彼を支え、

青年の言うとおり、

抱きしめていく。

そうすれば、必ず治る。

そして、憂生は完璧に孤立無援になるなとおもった。

女医のいうように、

人の心に土足で入り込み

しなせかけた。

どうなじられ、どうののしられてもしかたがないこと。

不遜と驕りのかたまりが

人の命を天秤にかけたのが、事実だ。

すると、透視能力者がいった。

ー憂生、おまえは本当に馬鹿だ。

自分のことをこれっぽっちもかばおうとせずー

どういったか、はっきりおもいだせないが

ようは、透視能力者は憂生の思いをわかっていた。

まあ、

多少、救われた。

 

けれど、自分こそが自分を責めていただろう。

憂生の相方にAKIRAってのがいる。

もう長い間、連絡をとってないから

別の人間の・・漫画家か?小説家か?の相方やってるか、

プロにでもなってるか

さっぱりわからないけど。

そのAKIRAに連絡をいれた。

とたんに叱られた。

ー憂生まで死のうなんて、考えるなよ。

そいつは、死にたいから死のうとしたんだ。

憂生のせいじゃないー

そうかもしれない。

誰かのせいにして・・・

憂生のせいにしておけば、

悔しい思いもなにもかも

憂生のせいにしておけば、

あっさり、逃げようとした弱さをなじりたくなる思いや悲しみを

本人にぶつけずにすむだろう。

そういうふうに、かんがえておけばいいかもしれない。

 

そして、1年くらいたったろうか・・。

突然、彼が足跡にコメントをかいてきた。

ー俺、社会復帰したぜー

まともに、口をききたくないふうだった

最後の会話を思うと、ずいぶんかわった。

だけど、

それも、憂生にはどうでもいい。

憂生は憂生で自分の決め事をまもるだけしか、

彼に誠意をみせるすべはない。

ー書いてるよー

ーああ・・がんばれよー

ーああ、おまえもなー

そう答えたけど、どこかで、嘘のようなきがした。

また、ねじこまれたら、怖いとでもおもったのか、

防御線をはったかもと・・・。

でも、それもどっちでもいい。

彼があいかわらずだろうが、

正常にもどっていようが

それをうけとめるのは、女房さんだ。

 

憂生は、約束どおり、ものを書いていく。






それから、彼がどうなったか、しらない。

ただ、風の噂で

女医がいろいろ深い事情をかかえている女性と

ひどく、やりあってるのをきいた。

相手は

突然、娘さんが自殺されて

その原因さえ思い当たらず

悲観にくれていた。

(憂生がみた当初)

 

それをみていて、

当時の憂生は知人たちとはなしあっていた。

そこから、何を学ぶか。

憂生の結論だけいう。

親子の信頼関係を持て。

いざとなったとき、親がどうにでもしてたすけてくれる。

はなしができる、頼られる親になれ。

普段から、子供にむかって

なによりも大事なのは、お前の命だとはっきりつげておけ。

どんなに話しにくいことでも話しなさい。

親はたとえ、子供が極悪人になっても

絶対みすてたりしない。

などなど・・・

そんなふうに、子供を亡くされた方のことから

とても、大切なメッセージをうけとっていた。

 

だから・・・。

精神科の女医ともあろうものが・・ともおもった。

そんな心の傷を持っているもの相手に・・・

 

もっと、深いわけがあるのかもしれないが・・。

 

そして、また、だいぶたってから

その女医が自殺したらしく

弟みたいなのが、でてきて

先の子供を亡くされた方とのなじりあいをいうのか

貴方の心無いことばに姉が傷つき

精神的にだめになって

そのせいで・・

とか、かいていたようにおもう。

 

たしかに、

へこみやくぼみのないものはどこにも

ひっかからない。

女医もそうなのだろう。

そういう学ぶべき筋のところにがりがりとひっかかる。

結局、彼との遭遇もそうだったのだろう。

 

そして、また、憂生も後年

かれらとのかかわりから学んだもののおかげで、

一人の人間を救いだせた。

とくに、

「愛してくれる人がだきしめてくれたら、どんな精神病でもなおる」

その言葉にささえられた。

 

憂生もまた、

鉤をもっている人間だったとは

そのときはきがつかなかった。

 

だが、そういうかたがたから多くのことをまなんだというか

そこに

必死で向き合っていたからこそだと思う。

あの時、このとき、

知っったことじゃあないよとやり

彼の行動にのってしまったのをだまされた、利用されたと

考えていたら

もっと、深淵を覗くこともなく

憂生の身近な人間への対処もできなかったかもしれない。

 

AKIRAが憂生にくれた言葉で、

しめくくりにする。

ー人生に起きる物事にいっさいの無駄はないー

そのとおりだったとおもう。


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