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新之助~~~~!!  *新之助シリーズ第1話

新之助~~~~!!/其の一
まあ、世の中には堅苦しくて
まじめで融通のきかない人間がいて、
そいつの事を
岩部金吉などとか、と、たとえるのであるが、
これから、少し
話しをしてゆく野原新之助という
男も
そのたとえに類する人物なのである。

いや、それにしては、
その男の名前・・・。
どこかの豪快な幼稚園児と同じではないか?と、
その話が
ただのかちんこちんの岩や金のはなしではないだろうと
何となく憶測されていられるであろうが、
まさにその通りである。

ああ。
ただし、ひとつだけ。
ご留意願いたい。
この野原新之助は
シンちゃんと呼称される
某幼稚園児とは何の因果関係はなく、
親戚、血筋なんて、めっそうもなく、
もちろん、
遠い先祖であるわけもなく、
単に
同じ名前であっただけで・・。
もちろん、そんな名前にした、作者に
何のたくらみもないことは
明白な事であり、
他にも出てくる聞いたことのあるような名前である
草薙剛之進も又、単なる作者のボキャブラリーの
貧困さの表れでしかないのも同様である。

その新之助が
いつものごとく
学問所から帰ってくると
きっちりと同じ時刻に
同じ歩幅で
剣術指南の師匠宅にでむいてゆくのである。

新之助が稽古にいく時間になると、
田畑を耕作する百姓は
もう、こんな時間かと
腰を伸ばし、
寺の鐘が今日は
少し早く鳴った。あるいは遅く鳴ったと
呟くのであるから、
いかにきっちりと毎日同じ行動を
していたか、わかるのである。
が、
その日、
新之助に晴天の霹靂としかいえない災いが
ふりかかってくるとは、
おもいもしない。
新之助が
百姓のかがむ田んぼの脇の小道を
通り過ぎたときのことである。

後ろから蹄の音を掻き消すような
どうま声。
「どけ、どけ、どけ、どかぬかああ! 早馬じゃああああ!」
あわてて田んぼの横の道祖神の脇に
身を寄せた新之助である。
飛んで行くかのように眼の前を馬が走り去り
やれやれとほっと胸を撫で下ろした新之助の
額から冷や汗がにじみでてくる。

道祖神の脇に退いたとき
腰に、がつんと嫌な衝撃を感じた
新之助である。

その衝撃がなにゆえであるか、
新之助はたしかめたのである。

ゆえに血の気が引き
顔色はきっと
真っ青になっているだろう。
なにせ、自分では見えないので
新之助はそうであろうとおもうだけであるが、
そんなことより、

たい変な事になったのである。

新之助の額からは
冷たい汗が流れてくる。
「どうしよう・・」
思い浮かんだのは道場仲間の
草薙剛之進である。
とんでもない遊び人であるが世間の事に詳しい男である。
剛之進に相談してみよう。
新之助は
大変なことに嘆いている場合ではないと、
道場に走り出したのである。

新之助~~~~!!/其の二
大体において、幼馴染のつきあいというものは
性格が正反対だから、長続きするようである。
新之助にとって、
剛之進は自分にないものばかりもっていて、
一目おいているのである。
が、
かといって、極楽トンボのような
剛之進になりかわりたいかというと、
やおら、首を横に振る新之助であるが、
やはり、
いざとなったら頼りになる存在である。

頼りになるといえば、
新之助の妹である早苗嬢にも、
せんだって、相談を受けた剛之進である。

実は早苗嬢には、
恋仲の男がいるのであるが、
兄である新之助に色恋沙汰の
気配一つない事に
こまりはてていたのである。

父母に
実は好いた男がいると
うちあけようにも、この兄が
女性に興味一つ持つ様子がなくても、
一向に気にならない父母である。

むしろ、早苗が思い切って打ち明けようものなら
なんという、はしたない娘に育て上げたのだろうと
叱責されるだけのようにも思えるのである。

ならば、
兄の新之助が
世にいう「春」をむかえれば・・・。
わがこともうまく
かなうのではなかろうか?

なにせい、大事な嫡男である
新之助のやることなすこと、
すべてにおうような父母である。

まあ、やることなすことといっても、
学問所と道場への往復しかしらないのではないかという、
新之助である。
むしろ、
やらないこと、なさない事に鷹揚であるというべきかもしれないが。
兄が何をなしても、父母は諸手を揚げてうなづくであろうと思う早苗なのである。

(少しは美しい花に目を向けてくださってもよろしいのですのにね)
早苗の新之助への愚痴を聞かされた
剛之進は
早苗殿はさてはわしに気が有るなと誤解できる男なのである。
恋仲の男のことを言わなかった早苗も悪いが、
兄が恋の一つもしてくれれば私も
貴方に目をむけてもらっても、父母に許してもらいやすいのに。
と、受止められる剛之進の深読みを悪いというのは忍びない。
愛嬌とも、いい勘だけは持っているともいってやりたくなる。

「まあ、私にまかせておいてください」
と、気分良く早苗嬢に見栄を切った剛之進である。

そんなことがあったばかりの剛之進の所に
新之助が
血相をかえて、やってきたのである。

新之助~~~~!!/其の三
事情を説明するまでもなく、
新之助の顔色で何かあったと判るのが
幼馴染のいい所である。

道場の板の間の真ん中で
まずは正座をして心を沈め、其ののち
床の間の掛け軸に
礼をするのが稽古前の本来のならわしではある。
「女子のくどき方」
等を夢想しながら座っていたことを邪魔されたと
新之助をなじっている場合ではなさそうだと、
剛之進は
新之助を見つめる。
「どうした」
困惑している所に心配気に声をかけられると、
本来伝えることが上手く出てこなくなるのは、
常日頃に突発事象に遭遇する事のない
男の悲しさである。
「早馬がきてな・・」
何も律儀に大変な事がおきたそもはじめのきっかけから、
はなさなくてもよさそうなものであるが、
そんな男のいう事を半分も聞かないうちに
それなりに理解しようとする
剛之進も友情に厚い男である。
「ふむ・・・」
馬が怖かったか・・・。
「乗る馬はいいが、走る馬はこわいものよ」
と、相槌を打つ剛之進である。
「道祖神があろう?」
新之助の話ぶりも要領が悪い。
「あったかのお?」
村の娘のほくろの位置なら、おぼえているが・・。
道祖神のお?
ああ・・・。太六の田んぼの横だな。
「うん。あるの」
「そこで、早馬をやりすごした」
「そうか・・・」
早馬ごときにはんべそをかきやがって。
意外と肝っ玉の小さい男だったのだなと
なにかしらぬが、優越感がわいてくるものだから、
剛之進はやけに優しくならざるをえない。
「其のときだった・・道祖神にこれが、あたってしまってな」
おや?馬が怖いではなかったのかと
剛之進は新之助が差し出した物を
みつめた。

差し出されたものは
新之助がいつも腰にさしている刀である。
「父上が備前長船がよかろうと、わざわざ、あつらえてくれたのだ」
ぐいと差し出された刀の切っ先がわずかに鞘から
飛び出している。
「おい、危ないじゃないか・・」
いやいや、そういう事を言ってるんじゃない。
「どうしよう・・・」
鞘の先がポロリとおちているのである。
「備前長船でなかったのだろうのう」
刀の真偽の詮議をしようというのでもないのである。
刀は武士の魂。
鞘であるといえど、武士の魂を容れる鞘を壊してしまうという事は
武士の魂をかろきに扱かったという事になるのである。
「こんなことが父上の知る所になったら・・・」
なるほど。
やっと、剛之進は新之助の血相のわけを理解したのである。

「わかった。いい案がある」
刀の鞘はなんとかなるとふんだ剛之進の頭の中に
わいてきたのは、
早苗の相談事である。

一隅の機会を余すことなく活用する事を
おもいつく人間は
参謀などにむいているのであろう。
この場合の剛之進の参謀ぶりは、
早苗嬢への下心の帰巣するのであるから、
実際の軍略に役に立つ人材であるかどうかはいささか怪しい気がする。

怪しい気がするが、短いときの中で
剛之進は
早苗の相談を解決する糸口をシッカリとつかんでしまうのである。
ただし、
剛之進の新之助への把握はかなり粗野なのである。
『ようは、新之助が女子に興味をもつようになればいいのだな』
確かにそうであるが、
余りにも大雑把なめどうの認識である。

が、
鞘が壊れたことを、上手く利用して
新之助を・・・・。

おい!
剛之進?
お前、何をたくらんでいるんだあああ?

新之助~~~~!!/其の四
「うむ。案ずることはない」
と、剛之進。
刀の鞘をどうすればいいかの
案だけではない。
早苗嬢からの相談の解決も
剛之進の描いた策で上手く行くだろうという
意味合いでもある。
「どうすれば・・・」
新之助の不安な声に
剛之進はあっさりと言い放った。
「かわりの鞘を求むれば良い」
「え?」
同じものがあるのだろうか?
新之助の不安をみぬくと、
剛之進は
「まず、よく似たものを買い求め、
其の間に、本物は治しにだそう」
「なるほど」
成る程とうなづいた新之助であるが、
「それでも、どこにいけば、てにはいるのであろうか?」
どこに行けばいいかもわからなければ、
その「どこ」にどうやっていけばいいかもわからない。
なにせ、学問所と道場と家との往復しかした事のない男である。
「な~に。心配するな。わしが地図をかいてやるわい」
ふん、ふん、とうなづきながら、
胸を撫で下ろす新之助を尻目に
早速剛之進は懐中の和紙をひきずりだし、
床の間の通い帳の脇の筆をとりにいくと、
さらさらと地図をかき、
新之助にわたした。
「いいか、ここ。この場所には店がいっぱいならんでおるが、
奥まで行かずに大門をくぐった最初の店にとびこめばいい」
時代物をお好きな方であれば
大門があって、店が一杯並んでいるという
場所がじつは、どこであるか、
察しがついていらっしゃるであろう。
が、
岩部である。
金吉である。
剛之進に教えられた場所が
吉原なる遊郭であると、わかるはずもない、
新之助である。
「ところで、銭をもっているのか?」
どこまでも気配りの深い男である。
「あ・・」
新之助に手持ちの銭などあるわけがない。
道場と学問所をよりみちひとつせず、
往復する新之助に、
金など必要がないのである。
「やはり・・ないか」
剛之進は仕方がないと
又、懐に手を突っ込んで
財布をひっぱりだしてくると、
「わしが用立てしておいてやる」
と、新之助に財布ごと渡してやるのである。
「あ、ああ・・。すまない。遠慮なく借用させてもらう。必ず返すからな」
「あたりまえだ」
と、うなづいてみせるが、
吉原に繰り出す予定がお釈迦になった
剛之進である。
そのかわりにといっては、なんであるが・・・。
早苗嬢の白い項を目にうかべ、
「お前の役にたつなら、活金になろう」
と、
粋なせりふを吐き出すのである。
剛之進のおまえというのは、
無論、新之助のことではない。

あわよくば・・・。早苗嬢と・・・。
不埒な考えについつい、袴の中で鎌首をもたげる
「おまえ」のことなのであるが・・・。

そんなこととは、知らず、
感涙というものが
こんなにも簡単に出来る事なのかと
剛之進をたじろがせている
新之助には
ただただ、
感謝の言葉しか出てこないのである。
「かたじけない。それでは・・・貴殿の厚意にこたうべく、
いっときもはやく、鞘をてにいれてくる」

後も見ずに飛び出した新之助である。

せめて、
もう一度振り返って剛之進を見ていれば、
狐みたいな顔になって
ほくそえんでいる剛之進に疑念をいだけたことであろうに・・・。

だましうちであっても、
大人になれそうな
新之助をよろこんでやるべきなのか、
複雑な気分をだかえながら、
新之助の後を
おってみることにしようか・・・。

やれやれ・・・。

新之助~~~~!!/其の五
剛之進に渡された地図と
にらめっこをしながら、
新之助は剛之進のいう「ここの店」にやってきた。
剛乃進が「ここ」を指定したのは、ここがなじみの店で、
よく内情を知っているからというわけではない。
下手に吉原の奥まですすまれては
どうも、おかしい
と、新之助に危ぶまれてはいけないと思ったからである。
剛之進の采配が功を奏し、
客引きの男衆に声を掛けられることもなく、
何の疑問もいだく暇もなく
新之助は「ここの店」に滑り込んで行ったのである。
時間も早いせいもあり、店の外で客をひく男衆もまだ、まばらであったが、
店の中にはいっても、女郎は夜の稼ぎ時にむけて、
化粧・身支度に余念なく、
顔見世の店先に出ているものがいなかった。
これが、ますます、新之助に露ほどにも疑いをもたせる隙をなくさせたのである。

帳場に座っている女将が新之助を見つけ
腰を上げるのをみると、
新之助はーここは、女が、主人なのか?ー
と、思いながら、女将の傍に歩み寄っていった。
刀に関するものを扱う店であれば、
当然男が主人であると思っていたからである。
だが、あるいは、
主人があいにく留守で、奥が代わりに店番をしていたのかもしれない。
「いらっしゃいませ」
と、頭を下げる女将である所をみると、
女子であっても、充分に刀の目利きは出来るようである。
新之助はさであるならばと、安心して
用件を切り出したのである。
「鞘が欲しいのじゃが」

女将は新之助が入ってきたところから既に
新之助の値踏みをしているのである。
年は20くらい。
着物を見れば、いい所の若様。
顔つきからはまじめそうな人柄が見える。
この店では初顔であるが、
青年にとってもこんな場所は初めてと思えた。

だが・・・。
『鞘が欲しい・・・だって?』
凝った言い様である。
確かに御腰の宝刀を
収める物は
「鞘」ではある。
言い得て妙ではある。
あるが、
青年の顔をみると、
粋な物言いとは似合わぬ初心さがみえる。
が、しかし、
こういう世界を外見で判断できる事ではないのも、
熟知している女将である。
子供のような顔をしていながら、
実は手管も兼ね備えた「通」もいる。

はたして、この青年はどっちであるのか?
まあ、そんなことは相方がしるところであろう。
と、商売人らしく考えなおすと
女将は「通」は「通」らしく接待せねばと
たずね返した。

「で、鞘は、雄鞘?雌鞘?どちらがよろしゅうございます?」

新之助~~~~!!/其の六
実はこの店は
女郎を扱うだけでなく、
陰間・・・つまり、
男色も扱っているのである。
吉原の入り口一番最初に店をかまえるのは、
老舗?であった証拠である。
当然商いも長い。
長い商いの中、女遊びだけでは
興が乗らぬという酔狂な人間も出てくる。
そんな顧客のために、
女将は
「男」も商いの要として
そなえていたのである。
が、むろん、これは、常連のため。
通・・・。
と、いっていいか、わからぬが
通人のためのものであった。

だから、
こういう陰間を好む人間は
女将の判断によれば、
いわば、
遊びに精通しきった成れの果てである。

で、あるから、
男がいいか、
女がいいか。
そうたずねれば青年の「通人」の度合いが
判ると踏んだのである。

むろん、
こんなことは剛之進のあずかり知らぬ所で、
とんでもない事態に発展してゆくかもしれないなどと、
剛之進は思ってもいないのである。

とは、いうものの、それも新之助の
返事如何なのであるが・・・。

その新之助である。

『雌鞘?雄鞘?
鞘に雌雄があったのか?
ふううむ』
わずかな間に
新之助は思いをめぐらす。
『雌鞘・・。これは、最近赤鞘組などと称し
赤い鞘をさすものがいるときいたが、
雌鞘というのは、このことであろうの』
備前長船は漆黒の鞘である。
黒は雄鞘であろうと、かんがえるまでもない。
『わしは、男じゃ。何がかなしゅうて、雌鞘などささねばならぬ』

馬鹿にするなとばかりに
女将をきつく、みすえると、
「きまっておろう。雄鞘じゃわい」

この新之助の真剣な顔を
女将は別の意志に
とりちがえるのである。
『よほど・・・。男がお好きとみえる』
真顔で男がいいといいきるのである。

着物も見れば見るほど上物。
裕福な家の嫡男であろう。
この客を逃してなるものかと
店一番の売れっ子陰間。菊哉を
この男にあてがおう。
菊哉は性技にたけて、客の心をつかんでいるだけでなく、
一見の容姿も麗しい男である。

「わかりました。それでは、お二階にご案内しましょう」
「二階?」
わざわざ、そんな所まで行かねばならぬかとおもうのであるが、
「上物の鞘でございます」
と、いわれれば、それゆえにこっちまで丁重に扱われるのかと
新之助はひとり合点をしてしまったのである。

新之助~~~~!!/其の七
女将に案内され二階の部屋に
あがった新之助である。
「それでは、すぐに、菊哉を参じさせます」
女将の言葉に
新之助は
ぎょっとした。
『鞘を持っているのは女将ではないのか?』
鞘の持ち主が
客とこの部屋で直接交渉ということなのだな?
と、なると・・・。
いくら、鞘がきにいっても、
持ち主が云といわねば、ゆずってもらえないということなのだな?
「その鞘の持ち主は?」
気難しい人間なのであろうか?
不安に、ついつい予備知識を仕入れたくなるのは
人の条理であろう。
女将はにこやかに、
「たいそうな、人気でございますよ」
と、菊哉をうりこんでおいた。

『ふううむ・・・』
引き手あまたの鞘でありながら
まだ、誰にもわたさずもっているのか・・。
いよいよ、こ難しい御仁らしい。
とは、いうものの、
いくら良い鞘であっても
新之助の刀に合わなければ
何の意味もない。
まずは、見せてもらうしかない。
みせてもらえば、
刀のそりや、長さに合う代物か
わかる。
わかったのちに、初めて刀あわせをしてみるしかない。
だが、
へたに逆らうと
菊哉なるものはへそを曲げてしまうかもしれない。
とにかく、とにかく、
鞘が欲しいのだという
思い一筋を伝えねばなるまい。

そして、その鞘が
新之助の刀にあっていてくれればいい・・・。

祈るような気持で新之助は
菊哉を待った。

おくの部屋に続くふすまをあければ、そこには、
極上の絹の夜具が敷き述べられている。
ふすまさえ開ければ、
いかに、朴念仁の新之助でも
「どうも、妙だ?」
と、かんがえついたことであろう。

ところが、生真面目な男である。
他所様の部屋を
あちこちと
探索するなどもっての他。
じっと正座のまま、
菊哉が現れるのを待つのである。

一方。
菊哉は女将にくどいほど念を推されている。
「いいかい・・・。のがすんじゃないよ。
この客を逃したら
お前の一生の恥になるよ」
ひどい脅かし方であるが、
そこまでいわれたら、
菊哉にも
「陰間」の意地がある。

「ふっ。まかしておくんなさいよ。
しあげをごろうじろ・・・・ですよおお」
たかをくくったせりふをはきながら、
女将がわざわざ念をおすにも、
わけがあろうと、思う、菊哉である。

「よく、わかんないんだよ。
初心なのか、通なのか・・・。
ひょっとすると、ものすごく
好みにうるさいのかもしれない・・・」

思ったままを云う女将であるが、
其の言葉も
菊哉を奮い立たせる。
『そんな、男に袖にされちゃあああ、
菊哉、一生の名折れ・・・。
こういうことですね?』
真剣に鞘を買いたい男と
真剣に鞘を売りたい男が
対峙することになった
部屋で、

新之助はただただ、正座して
菊哉を待っていた・・・・。

新之助~~~~!!/其の八
廊下を歩く静かな気配は
やってくる人間の
身の軽さをあらわすように
静かである。

ふすまが開かれ
部屋にはいってきたのは、
新之助の予想したとおり
若い男だった。

なるほど、コレならば帳場を女子が預かれるわけだと、
新之助は納得しながら
男をみていた。

男・・・いや、少年とよんでいいか?
新之助とさして、かわらぬ年にもみえるが、
それは、
新之助のように、世間ずれしていない人間と、くらべるから
少年が新之助と変わらぬ年のように見えるだけで、
実際は新之助よりも、
3,4つ若い。

3,4っ若い男は新之助の前に
すわると、
「菊哉でございます」
と、たたみに手をついた。
「あ?ああ」
そうである。
初対面である。
新之助はあわてて、
頭を下げると
「私は野原新之助です」
と、礼をかえしたのである。

面食らったのは
菊哉である。
どこの男がこんな所で
自分の本名をなのるだろう?
『女将の言ううとおり・・・よくわからない』
偽名かもしれない。
遊び名なのかもしれない。
そ知らぬ顔で初心を装い
こちらをからかっているのかもしれない。
それ相当に遊びなれて、
こんな風にあいての出方をたのしんでみているのかもしれない。

だいたいにおいて、
新之助と名乗るのも妙であるが、
この菊哉をみて、
興を示さないのが、一番妙である。
大抵の客は
部屋に入ってきた菊哉をみて、
まず、あっけにとられる。
影のある憂い顔。
そのくせ、色香がある。
美形は美形でも、常ならぬものがある。
女では、たたよわぬ妖艶さ。
それが、菊哉の売りでもある。
女には求めきれぬものが
眼の前にいきづいている。
其の事実に客はしばし、息をとめ、
菊哉にみほれる。

ところが、眼の前の新之助とやらは、
無反応もいいところであり、
菊哉をそこらの、
木でも石でもみるかのようで、
変化が読み取れない。
変化が読み取れないばかりではない。

菊哉に惹かれた様子ひとつもみせないくせに、

「早速ですが、鞘をみせていただけますか?」

と、言い出したのである。

新之助にすれば、
名前を名乗ったものの
あとはなにをいえばいいか、わからない。
時候の挨拶もみょうであろう?
げんきですか?
も、馬鹿のようである。
仕方がないから
本題をぶつけただけにすぎないのである。

だが・・・。

『な・・・なんだと~~~!!』
確かに鞘を求めに来たというのは
通ないいかたではあろう。
だが、だが、
いきなり、みせろ?!

行為にもつれこんで、
客が
菊哉のそこを
目で堪能するのは
たわむれ事として、
なるにまかせるし、
客のすきかってである。

菊哉もそれが商売だ。
だが、
ほだされるような気配もみせない。
接吻のひとつもなく、おもわず菊哉をかきいだく、
せつなさもみせず、
骨董物を鑑定するかのように、
『見せろ~~~?だと~~~!!』
え?
みて、
なんだよ?
きにいらなかったら、
やめた!!
っていうのかよ?
え?
目で見てわかるほどの
「通」だってのかよおおおお!!

お里?がしれるような、
素性がしれるような、
菊哉の心の憤怒を
無理やりおさえこんだのは、
女将のさした釘である。

ふん。
こんなことで、おこっちゃあ、
こっちのまけだ。

ややさみしげで、それゆえいっそうぞっとするような
艶を流し目で新之助にくれてやると
「おみせしても、よいのですが、
こちらのいうこともきいていただけますか?」
と、菊哉は策をろうしてゆくのである。

新之助~~~~!!/其の九
『だいたい。この新之助という男は
本気なのだろうか?』
菊哉の中に疑念が生じるのも、
無理がない。

だが、女将にも言われた。
自分でもいった。
『其の客を物に出来なかったら、菊哉の名折れですね?』
女将の指名を預かり
それでも、指一本触れられずに、
客ににげられた?

それも、鞘を見せろ、見せないで?
いや、こうなったら、見せてやろうじゃないか。
だが・・・。
その挙句に袖にされましたなどという
滑稽は
たまったもんじゃない。

見せる以上は
何が何でも
既成事実をこしらえて、
我が物にしてやる。

陰間が腹をくくったのである。

そんな恐ろしい決心が
菊哉の腹でにつまっているなぞ、
新之助に判ろうはずもない。
「貴殿の頼みごととは、なんであろうか?」
やけにおぼこく不安げに神妙な口ぶりが
妙にかわいい。
少々の難題をふっかけても、
見せてもらうためなら
何でもやりますよと、
必死であるようにも見える。

『さては・・・』
菊哉なりにかんがえた。
こやつは、
目で見てからでないと
その気にならぬのかもしれぬ。
ある意味、哀れであり、
滑稽であり・・・。

ひょっとすると、
このていたらくで
あちこちの
陰間にけんつくをくらって・・・。
ひょっとして・・・・。
まだ・・・。
行為に及んだ事がない?

ならば初心に見えるのも、判らないでもない。

だが、
どちらにせよ、
菊哉が逃すわけには行かない。

「それでは、お着物をぬいでいただけますか?」

菊哉が既製事実なるものを作ろうにも、
着物は邪魔である。
見るだけみて、
嫌だなぞといわれても、
素っ裸にしておけば、簡単に外に
逃げるわけにも行くまい。

初心なのか、
通なのか、
依然として、よく判らない男の
本意を確かめたくもある。

素っ裸にしてみれば、
その気がおありか、どうか、
判るというものである。

「は?裸になれというのか?」
今度は新之助が面食らった。
「見るだけ見て、気に入らないといわれたくありませんから」
つまり、逃げ出させないという事であり、
其の鞘は間違いなく上物で、、、
ちらりと、
横に置いた刀を見る新之助である。
この若者の目から見て、
この刀に間違いなく沿う鞘だということなのだろう。
「そこまでのものなら、やはりしっかり、みてみたい・・・」
男の云うとおり、万が一、気に入らないことがあったら、
そこまで自信がある鞘であっても、
刀にあわなければ・・。
諦めるしかないのである。

真剣な顔で裸になれという
菊哉に
誠心誠意を示さねばなるまい。
菊哉はだいの男に無茶をいい、
武士の刀に寄せる思いを
量っているのだ。

菊哉の鞘に寄せる思いも
また、一途なのである。

まったく、うたがう術も持たなければ、
疑うかんがえ方を構築する材料が
新之助にはないのである。

変わりに
菊哉の信頼を得なければと
可哀想なほどに必死に
考え詰める新之助である。
「わかった。だが、それでも、もし、見て良い品であっても、
刀をじかにあわせてみなければ、
判らない事である。
うまく、そりがあわぬと、
長さが合わぬとなったときには
潔くあきらめてくれ」
どちらが、売りつける立場か
本末転倒になってきているほどに、
菊哉の鞘への思いを受止める新之助なのである。

『へ?』
鞘に対して、今度は伝家の宝刀かい?
うまい言い方だねえ。
なんて、感心している場合ではない。
『まるで、その気があるような事をいいやがって・・・』
ふんどし一つになった新之助を見て
菊哉は情けなくなってくる。
「それも、おとりください」
いってはみても、
中からさらけ出てくるものは
まったく
その気がないとふざけた・・・。
いや、
ふにゃけまくった、
伝家の宝刀なのである。

『くそおおお。やはり、みせるしかないのかああああ

新之助~~~~!!/おしまい。

「それでは、とくと、ごらんあそばせ」
云うが早く
菊哉はすくりと、立ち上がった。
立ち上がると同時に新之助の前で
くるりと背を向けた。
背を向けた菊哉があっというまに
帯をとくと、
羽織った着物を
さあああとたくりぬぐ。
着物の下は
初手から下穿きなぞ身につけていない。

新之助の眼の前に
流麗な男の身体の
線がなまめかしく、
うかぶ。

「・・・」
な?なんだ?
こいつも、新之助の誠意にこたうべく、
裸になったのか?
そうかもしれぬ。
が、だが、
「鞘は?」
どこにもっているのだという?
着物の中は男の裸身があっただけである。
「あ、え、鞘は?」
菊哉は待ち焦がれる新之助の
声を小気味よくきいた。
そして。
「ご覧じろ~~~~」
足を軽く広げると
畳に手を着いた。

新之助の眼の前には
菊哉の尻がある。
その尻をぐいと、新之助の眼の前におしだしてくる。

『は?はい?え?あ?あああ?なんじゃあああああああ?』

さっぱり、わけがわからぬ。
どうなっているんだ?
新之助が呆けていると、
菊哉は自信たっぷりに
ゆくりとふりむいた。
さてもさても・・・。
おまえさまのおのぞみどおり。
さぞかし、
腰の宝刀は立派にそそりたって・・・
・・・・・
・・・・・・
・・・・・・・
・・・な~~~~~~~~~い!!

なんでえええええええ?

あわれ。菊哉。
菊哉こそ、あわれ。
だが、自尊心をいいほどつぶされても、
くじけておらぬが、
百戦錬磨の陰間。売れっ子菊哉の面目躍如である。
これからが、腕の見せ所。

菊哉はやおら、
新之助のグニャグニャの
宝刀を手の中におさめると・・・・。

こしこし・・しこしこ・・・。

/あの・・・こんなことかいちゃっていいんでしょうか?/
(すみません。作者。つい、素にもどりました)

新之助はといえば、
「はい?え?あ?あれ?あの?あ・・・あ・・あ・・」
なんて、初めての快感に素直に反応してしまい
いつのまにやら、
シッカリ、菊哉の思い通り。
たくらみどおり。

新之助の宝刀をシッカリ手中、
いや、
鞘中におさめた菊哉は
新之助の口から
賛辞をきかねばきがすまない。

自分のまた倉の中に
すべりこんだ男が
自分に
なにをしでかしてくれているのか、
サッパリ、訳のわからぬ新之助である。

ど、どうなってるのじゃ?
こ、これは、なんじゃ?
どういうことじゃ?
なにか、おかしいぞ。
おかしいが・・・・。
「はああ・・・」
なにか、非常に気持が良い。

新之助のたまらぬ声が洩れると
菊哉は
ここぞと、ばかりに腰をゆらめかしながら、
新之助に尋ねたのである。

「新之助さま・・・菊哉はいかがでございましょう?」
「き・・・き・・・菊哉・・」
「はい・・・」
どんな甘言がささやかれるのであろう。
この言葉を聴くのが
陰間の無上の喜びであり、
誇りなのである。
「き・・・き・・・菊哉・・・。
気持がよい。たまらぬ・・・。良い・・・」
うわごとのような夢うつつ。
「ふふ」
売れっ子影間。菊哉の手管におちぬものなどおりはせぬ。
「新之助さま」
満足げに甘えてみせる菊哉である。
「気持がよい。
気持がよい・・・。
じゃが・・・・はよう・・・・
はよう・・・・」
もう辛抱なりませぬかと、
菊哉はいっそう柳のように
ゆらりと腰をゆらめかせてゆく。
「ああ・・・・」
新之助の感極まった声。
「はよう・・・・」
ゆっくりじらせながら、男色地獄に
おとしこむ菊哉である。
「はよう?なに?」
耳元でじらせた事は何かと問いかけ
新之助の口から
菊哉にひれ伏す言葉をきいてみたい。
「ああ・・・はよう・・・・」
「はい?」
「はよう。鞘をみせてくれ~~~~~~~~~」

・・
・・
・・・・
・・・・・・

      ////おしまい/////

追記。

しいて書くならば、
菊哉の言葉である。

「この期に及んで、まだ言うかあああああああ!!あほう!!」

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殿~~~~~!!★新之助シリーズ第2話

殿~~~~~!!/其の一
春。
爛漫の春。
桜。花開き
家老、野原新左衛門も
胸を撫で下ろす。

嫡男である新之助の
主家へのご奉公がかなった。

それだけではない。
新之助は
若殿の近習に抜擢された。

いきなりの異例の出世である。

もちろん、
父である、家老の新左衛門の七光りもあろう。
若殿がこのたび
跡目をついだという
実権の交代もあった。
上に新之助とは
年齢的にもかわらぬ殿である。

腹心の存在。
これが、殿の必要な条件になったのでもあろう。

これからの世代を繁栄させてゆく若者である
殿。
そして、新之助。

時代が変わってゆくのだ。

新左衛門の胸に押し寄せてくる感慨は、
主家に勤め
20年以上を越してきたものでなければわからぬものがある。

「新之助。殿をお守りもうすのだぞ」
息子に語った言葉はまた、
新左衛門の半生の「決意」其のままである。

親子2代で殿にお仕えできる、
幸いに新左衛門は涙ぐんだものである。

殿~~~~~!!/其の二

春が過ぎ
桜木も
青い葉を繁茂させ、
陽光のてりかえしにまけぬ、
青葉の時期もすぎた。

ちかづく、梅雨のせいか、
新左衛門の顔色もうかぬ。

うかぬ新左衛門の顔がますます、
うかぬ。

桜の木下に文机を置き、
傍らには「殿」が鎮座いたしまする。

殿のうなづく顔を
見るたびに
新左衛門の顔色は戸惑いをふかめてゆく。

「次・・・」
新左衛門の前に、
長い列の最前線から女子が
ぬけでてくる。
新左衛門の前に立つと
女子は頭を下げる。
「名前は?」
女子ははにかみながら
名を名乗る。
「お里でございます」
「年は・・・」
もう、何人に、同じ事を聞いたであろう。
「18でございます」
質問は同じだが
答えは違う。
新左衛門は殿を振り返る。
殿は
「身に覚えがある」と、深くうなづかれるのである。

其のたび、新左衛門は女子の名前と年を
帳面に書き記すのである。

「いつごろであろうか?」
つまらぬ質問である。
「はい。3月弥生に」
女子は嬉々として、答える。

殿の乱行が発覚したのである。
殿が手をつけた女子をならべたて、
家老新左衛門は名前を書き記す。

お世継ぎが早くも現れるかもしれない。
これは、喜ぶ事であろう。
が、
並ぶ女子の数の多さよ。

殿が跡目をついで、
この三月。
殿はわが身の自由と権威を
謳歌なされたのであろう。

が、あわよくば、
おかたさまになろうと、
節操もなく
わが身を投げ出す
女子の多き事。

娘を持つ、新左衛門は
ひどく、悲しくなってくるのである。

が、それにつけても・・・。

『殿・・・いちど、たりとも、
身に覚えがないと首を振られることがないのですか・・・・』

殿~~~~~!!/其の三

「お美代でございます」
「19でございます」
「七日ほど前に・・・」
伝えられた女子の名前と年を書き記し、
新左衛門はたずねる。
「懐妊の兆候は?」
どの女子も答えは同じである。
まだ、はっきり、わかりそうもないと
思われる時期でもある。
「わからない」と
こたえるのも、無理がない。

だが、その「判らない」の中に
あわよくば、
めでたく懐妊。
そして、お方様になりたい。
女子のしたたかな思いがみえる。
なかには、
すでに月の障りがきていて
「兆候はございません」
と、いえる者が居る筈であろうに・・・。

「次」
新左衛門は殿をふりかえっては、
事実を確認して、
書き記す。
懐妊の兆候があれば、
印を付けておかねばなるまい。
判らないとか、
まだ、ございません。
等と、曖昧に答える者には、
「未確認」
と、謎の飛行物体がごとく、
付記しておくのである。

「楓でございます」
女子が名乗った名前に新左衛門の筆が止まった。
『楓?おなじ名前の女子がいたか・・・・?』
いぶかしく新左衛門は顔をあげ、
女子を見た。
「げ?」
新左衛門がみた者は、当の楓、本人である。
『殿?』
新左衛門が殿を振り返って事実の確認を
したくなるような、したくないような・・・。

なぜならば・・・・。

楓は婆である。

新左衛門の予想はるかに、
相手構わずの殿の乱行である。

『殿?』
今度こそ、殿は首を横にふるであろう。
いや、横に振って欲しい。
振るべきである。

だが・・・。
新左衛門の願いむなしく、
殿はわるびれもせず、
うむ・うむとその首を
縦に振るのである。

「年をいわねばなりますまいか?」
楓も臆面なくたずねてくる。
「べ・・つに・・かまわぬ」
新左衛門は帳面の楓の名の下に
ー婆ーと、かいておいた。
「では、次・・」
新左衛門が次の女子を
呼んだ途端である。

「楓にはたずねてくだされぬのですか?」
楓はいかにも不服そうである。
『お・・・?おまえ・・もう、とっくに
あがっているであろう?』
女子の妊娠機能など、もう役にたつ状況
ではなかろう。
が、そこは
楓も腐っても鯛。
婆になっても女子。
見栄もある。
「兆候は・・・?」
あろうはずもない。
が、楓はしゃあしゃあと新左衛門に答えてみせる。

「まだで・・・ございまする」

殿~~~~~!!/おしまい

そろそろ、列をなす人影も
まばらになってきた。
分厚くなった帳面をとじて、
殿中にもどれるだろう。

新左衛門は
帳面をにらみつけ、筆をもちなおした。
「次」
返事が無い。
どうしたかと、
みれば、そこに居るのは
鶏である。

まよいこんだかと、新左衛門は
「しっしっ」
と、おいはらおうとした。
ところが、
「ああ。それもじゃ」
と、殿がおおせになる。

『はい?』
なんですと?
やるに・・・いや、
野卑な表現で殿にもうしわけないが・・・。
しかし、それでも、
やるに事欠いて・・・。
事、欠いてないが・・・。
しかし、それでも、鶏なぞを、相手に・・。
動物愛護の精神なのか?
優しさあまってなのか?
たんに
異常なだけなのか?

そんな新左衛門に殿がおおせられる。
「名前はおひよじゃ。
年はわからぬ。
懐妊はたぶん、なかろう」

『あって、たまるかああああ。
半鳥人でも、生まれたら、どうする~~~』

新左衛門。
この時点ではっきり、諦めた。
ようは、
殿は女子であれば
なんでもいいのだ。

「次」
おひよと書いたあと、新左衛門は気をとりなおし、
次をよんだ。
「めえええ」
今度は自分で名前をなのったが・・・。
「殿?」
振り返った新左衛門にあいもかわらず、肯定する殿である。
『山羊ですか?獣姦じゃあないですかああああ』
それでも、殿がうなづくのである。
ーおめえー
と、書き記すと新左衛門は次を呼んだ。

「ひひ~~~~ん」
『嘘でしょ?殿?嘘でしょ?』
だけど、やっぱり殿はにこやかにうなづかれるのである。
『馬?馬なぞに・・・・。どうやって?』
いや、そんなどうやってなんて、ききたいんじゃない。

新左衛門は
ーおひんーと、かくと、
帳面に突っ伏すようにして、
次を呼んだ。

この上、なにがあらわれても、
やはり殿はうなづかれるにきまっているのだ。
もう、見たくない。
これ以上度肝を縮めたくない。
命までちじむわい。

新左衛門の判断は正しい。
ただ、ひとつだけ、
間違いがある。

それは、
殿が女子であればなんでもいいのだという、
判断である。

いくら、なんでも、そんな失敬な。
ちゃんと、殿にもこのみがあり、
誰でも良いというわけではないのだ。

「次」
よってきた気配は人のようである。

新左衛門はすこし、胸をなでおろした。
このさい、婆であろうが、
人間ならかまわない。

人というものは
極限を見てしまうと
かんがえ方に
幅が出来てしまうものなのである。

新左衛門を鍛えなおした殿の行状報告も
どうやら、これで終わりのようである。

「名前は」
黙りこくっている人影に
新左衛門はたずねた。

人影は
もう一歩新左衛門に近寄ると
てれくさそうに
その名前をつげたのである。

「野原新之助です」

           -がび~~~~~んー

釜茹での刑に処す★新之助シリーズ第11話

「くそ~~~~~~~」

朝から殿が大きな声で喚いております。

お食事だって、言うから

新之助は控えて食の間の外で待っております。

でも、あんなに殿が怒っていたら

その声、いやがおうでも、新之助に聞こえます。

どうしたんでしょね?

やっぱり、新之助、気になって

見にいっちゃいます。

「どうなさったのですか?」

そっと、たずねる新之助に一目もくれず

殿はやってきたお女中を

怒鳴りつけます。

「いいか、そんな奴・・かまゆでの刑じゃ!!」

え?

そんな?

いくら、殿が殿だからって、

お女中(かな?)が粗相をしたって、

いくら、腹がたったって

かまゆではいきすぎでしょう?

できるだけ、やんわりと

新之助は殿にきいてみました。

「殿・・どうなされたんですか?」

新之助を見つめ返した

殿の顔は怒りというより、悲しみ色・・・。

『なにが・・あったんだろう』

新之助は殿をお慰めする言葉を考えました。

「殿。どうぞ、殿のお気持ち、新之助にも分けてください」

さすが、新之助。

殿は新之助の言葉を聴くと

「し・・・新ちゃ・・ん」

もう、涙がこぼれてきそうです。

「殿・・お気をしっかりもって、はなしてしまいましょう。

話したら、楽になります・・」

その通り。

いっそう、殿は涙声になりながら、

涙が出るほど哀しい怒りのわけをはなしはじめました。

ですが、涙で、うまく、言葉がでてこない殿なのです。

「ふ・・ふ・・・」

念のためにもうしあげておきますが、笑ってるわけではありません。

「ふ・・ふ・・ふ・・」

「殿・・しっかり・・」

「ふ・・ふ・・ふぎ・・不義・・不義密通・・じゃ・」

え?

驚いたのは新之助です。

どうやら、お女中の誰かといちゃいちゃりんの仲になった殿なのでしょう。

でも、お女中は

不義密通・・・つまり、浮気してたのですな。

でも、どっちが、浮気でどっちが本気か?

本当は殿のほうが浮気相手ではないのだろうか?

などと、新之助は思うのですが

けれど、一国一城の主である殿をして、

両天秤

二股

ダブルブッキング

それでは、殿が怒るのも無理がありません。

「なるほど・・・・」

すると、殿が叫びます。

「はやく、かまゆでにしろ~~~~」

どうやら、そんな無理がとおるわけがないと

わかっていて、憂さ晴らしで怒鳴っているだけのようです。

男と女・・こればっかりは

いくら殿さまでも自由にならないものなのです。

だから、殿も新之助だけにしておけばいいのに、なんて

ぶちぶち、思いながら

殿のお気持ちが静まるのを待つしかありません。

そこへ、

お女中が食事をもってまいりました。

そして、

「お指図とおり、かまゆでいたしました」

と、ひとこと、殿にもうしあげます。

『え?え?』

新之助の驚愕なんか、ちっとも気にせず

かまゆでの刑の報告で

殿の気が晴れたようです。

早速、御膳に手をのばし

卵をつかんで・・

こつこつ・・たたいています。

『え?え?・・殿?』

もう新之助人心地うしなって

殿の人格疑って

殿は・・乱心なされた?

本当にそう思いました。

「うむ・・よく・・ゆでたの。けっこう、けっこう」

あげく、かまゆでを褒めております。

『殿・・新之助は殿と・・これで、永久にお会いする事は・・』

哀しい決別を胸につんで、最後の殿の姿を目にやきつけるように

新之助は殿を見つめ続けていました。

「うむ・・うむ・・よう、ゆでた」

何度か褒めると殿は卵の殻をむき始めました。

「うむ、よくゆでてある・・」

かまゆで・・?

ゆでてある?

ひょっとして?

「殿?かまゆでにしたのは?」

卵にかぶりついた殿は

「ほうだよ・・これ」

は?

はあ?

ははあ・・・・・。

「すると、不義密通を働いたのは・・おひよですか?」

「うん」

うん、って、わるびれもせず

「殿・・それでは、むしろ、不義を働いたのは・・殿ではありませんか?」

「そんなことないもんね~~」

いいえ。

新之助はハッキリと首を振りました。

だって、ほら。

「けけ、こけっ!!」

おひよの亭主?らしい雄鶏がわが子をかまゆでにされたのと

おひよにいたずらをされたのとで

ほら、殿の背後から

怒りの

チキ~~~~~ン キィ~~~~~~~クッ!!

          おしまい・・けこっ♪

しないで、しないで!! ★新之助シリーズ第10話

今日もこそこそと、師範の留守をねらって、剛之進と逢引をしようと

師範代は師範の部屋にやってきたのですが・・・・。

「おりょ?」

留守のはずの師範の書斎の中になにやら、人の気配。

どうやら・・・、師範の書斎を逢引の場所に使おうなんて考えはポピュラーだったようで・・・。

ふむ・・先を越されてしまったと腕を組んだ師範代。

待ち人きたらず状態では、場所をかえるわけにもいかず、

剛之進がくるまで、

「やれやれ・・ここで、まつしかないか」

と、書斎の縁側、障子戸ひとつむこうに腰をかけていたのは、よかったのですが・・・・。

「ふんふんふん♪」

「はんはんはん♪」

なんだか、障子一枚むこうは随分、興に乗ってる様子。

「むむむ・・・」

誰だろうってのは、口実で、お手前教授ねがおうかしらんってなもので、

よせばよいのに、障子のすきまをそっと覗いて見た師範代である。

隙間から覗いて見たところで、はっきり、みえるわけもないのですが・・・。

なんだか、中に居るのは、新之助のような・・・。

と、すると、お相手の男は、いつぞやの道場で姿をくらました「謎の男?」

今となっては、謎の男は師範代にとって、剛之進との縁をとりもってくれた縁結びの神様のような存在なのですが、新之助のあの道場での行状を思うと、なかなかの手馴の主。

これは、ぜひとも、お手前を盗み・・いやいや・・頂戴いたさねばと師範代はいっそう、障子の隙間にへばりついてみたのですが、やはり、よく見えません。

「う~~~~む」

こうなったら、あの一手。

障子に穴をあけてしまいましょう。

と、師範代、指を口にいれると唾をたっぷりつけて、そ~~と、障子を指でおしました。

まあ、とにかく、入りにくいものには、唾をつけるのは、この障子の覗きからはじまったのか、

はたまた、入りにくいものへの対処法が逆に生じ穴をあける知恵になったのか、筆者の知るところではございませんが、

この唾をぬるということには、障子を破る音をたてさせないという効果もございまして、師範代、ゆっくりと指を入れていきました。

すっぽり、穴があきますと、おもむろに指をひきぬき、さてさてさて、

師範代、そっと、障子に目ん玉をあてがってみました。

『うわ~~~お』

と、師範代が驚嘆する「ふんふん♪はんはん♪」をゆっくり伝授していただける・・筈でした。

さてさて・・・問題の部屋のなかですが・・・。

師範代の予想通り、部屋の中でいちゃいちゃしてたのは、新之助と謎の男こと殿です。

「非番なんか、なければ良いのに~~~」

と、無茶な文句を言いながら、新之助を追い掛け回し、久しぶりの道場にまでついてきたのは、新之助が浮気でもしやすまいかとか?

変な男にとっつかまりゃしないかとか、

案外心配性でやきもち焼きの殿なのです。

道場にみんなが居ればこっそり、物陰にかくれると約束する殿をじゃけんにもできず、

道場にきてみれば、またも、もぬけのから。

人っ子ひとりいない。

それでも、師範がいるかもと師範の部屋にきてみたら、やっぱり、もぬけのから。

「からぶりかあ~~~」

と、それで、新之助の用事がなくなってしまい、殿は殿で、誰も居ない小部屋を新之助の後ろから覗いて

「うふ♪」

なんか、催しちゃったみたいです。

いつ、師範が帰ってくるか判らない部屋でのイベントは何だかスリルと興奮とものめずらしさがかさなって、

「新ちゃ~~~ん♪♪」

って、呼ばれたのがいつごろだったか、それから、うんとこ、やっとこ、

「ふんふんふん♪」って、二人で楽しい時間を過ごしていたのですが・・・。

「むむむ?」

なんだか、殿の背後から不穏な気配。

さては、誰か新ちゃんとのいちゃいちゃをのぞく、不届き者がおるな。と、殿は後も見ずに

気配をさっしたというのですから、あ~た、やはり一国一城の主、ただの極楽トンボではありません。

『う~む、どうしてくれようか』

新ちゃんはしっかり、しっぽり、いい気分~~~でおりますから、

これを中断するのはいかにもおしい。

かといって、すき放題のぞかれるのも、気分が悪い。

『う~む』

新ちゃんのお相手のテンポをくずすことなく、殿は辺りを見回しました。

『お、これだ』

てじかなところに竹刀が見えます。

ちょっと、手が届きませんので

「うんしょ、こらしょ」

って、新ちゃんに妙なポーズをとらせておいて、殿は竹刀に手を伸ばせることを確認しました。

それをこそこそ、覗いてた師範代、ますますエスカレートします。

『うわ・・すげ』

新之助がどんなポーズになってしまったのか、筆者には想像だにつきませんが、

師範代が興奮の極地にはまりこんだことだけは、よくわかります。

この先、どんな運命が師範代をまっているか、知らず、

『すげ~~~~すげ~~~よ』

ますます、障子の穴にめんたまをおしつけて、真昼の決闘を観戦しつづけていたのでした。

『さて、さて・・目に物見せてやろう・・』

と、殿の内心のつぶやきでございます。

「ふん♪ふん♪ふ・・・ん」

と、さも興にのってるふりをつづけながら、殿はころあいを見計らっております。

そうとも知らぬ師範代、ますます、かぶりつき状態で、障子の穴にめんたまをおしつけます。

『今だ~~~~~~』

殿、竹刀に手をのばすと

『えいや~~~!!』

無言のまま、竹刀をなげつけますと、

寸分たがわず、竹刀のきっさきは、障子の穴に・・・。

竹刀の切っ先の延長線にあるのは、当然、師範代の目ん玉ですが・・・。

寸分たがわず、障子のあなに竹刀を着きこむ殿の腕前も腕前ですが、

師範代も伊達に師範代をやってるわけじゃありません。

『殺気!!』

皮一枚ともいいますが、まさに皮一枚でつきこまれた竹刀を瞬時にかわしたのは、

あっぱれ、師範代。流石でございます。

だけど・・・・。

障子の穴から飛び出した竹刀をみつめ、師範代・・・冷や汗がたらり・・。

『あっちゃのほうも、そうとうの腕とおもったが、こっちゃの方も・・すご腕じゃわい』

う~むとうなりながら、竹刀をみつめればみつめるほど、

ぴったし障子の穴をふさぐ・・竹刀のにくいこと。

覗けなくなっちゃったじゃないか~~~~~~!!

(そ・・・そういうこと、言ってる場合でしょうか?)

中の御仁には、師範代の挙動はすべて、お見通しということですから、

もう一度、穴をあけても同じことの繰り返しでしょう。

あわやで、竹刀をかわした師範代ですから・・・

『目ん玉がいくつあっても、たりなくなるワイ』

と、不承不承、覗きはあきらめたのですが・・・。

かといって、剛之進がくるまで、ここで、待つしかない師範代です。

待つしかないをいいわけに、もっと、書斎からはなれて、まっていればよさそうですが、

それ、そこが、師範代の粘り強さというか・・単なるすけべといいますか・・・。

障子の穴ににつきこまれた竹刀をみつめながら、

せめて・・と、楽しそうな嬌声だけでも、ききいることにしました。

ですがね・・。

問題は剛之進がいつまで待っても来なかったせいなのか・・。

それとも、新ちゃんの声音があまりにも、煽情的すぎたのか、

師範代が、その場を離れず、竹刀をみつめつづけていたのが、悪かったのか、

筆者には良く分かりません。

剛之進という相方の妙な趣味?も、師範代の脳裏に

妙な発想を与えたのもひとつであり、

そういえば、やはり、まっすぐ、連想させてしまうのは、

新之助のせいでしょう・・・。

「はん♪はん♪」

「ふん♪ふん♪」

そんな声をききながら、竹刀をじっとみつめていますと、

師範代の胸に奇妙な疑問がわいてきます。

「う~~~~む」

仔細ありげに竹刀を見つめる師範代の脳裏に走馬灯のようにうかんでくる「物事」は、

愛しの剛乃進の変体チックな行動の歴々でした。

なにかというと、堪えきれず、師範代もどきをつくりあげ、

自ら試してみるという念の入ったマニアックな嗜好。

なんでもいいから、つっこまれりゃいいのかとかんがえさせられのですが、

元々をかんがえれば、剛乃進との馴れ初めはこの「竹刀」だったわけです。

あの日、あの時、道場で不埒を働く輩を成敗するつもりで、道場に踏み入ったのが運のつき。

そうそう・・。

この「竹刀」で、不埒な男の局所をつきつき~して・・、

そのかわいい反応ぶりが、師範代の男心をくすぐり、不埒な男こと新之助を手中におさめようとして、まちがえて、剛乃進をほっちゃったああああああ~~~/あはは

それもこれも、この「竹刀」・・

この・・「竹刀」

だけど・・・・・。

師範代の連想もここまでにしておけばよかったのですが、

剛乃進の来るのが遅すぎます。

閑もてあまし半分、煽られ半分でかんがえることといえば・・

師範代の経験という特殊な環境を考慮しても・・・

「そんなに・・気持ちよいのかしらん?」

って、疑問が出てくるのは仕方がない事だと思います。

そして、疑問が生ずるということは、裏返さば、好奇心、興味があるからこそ、

着眼してしまうという裏構造があるわけです。

ですから、師範代・・・

「う~~~~~ん」

なにに迷っているのか、聡い読者様はすぐに解されたことと思います。

障子一枚むこうから、

「はん♪はん♪」「ふん♪ふん♪」

師範代の煽られまくった欲求解消のお相手たる剛乃進、いまだ現れず。

目の前には、竹刀。

「そんなに・・いいのかしらん?」

誘惑に負けざるをえない、数々のできごとが、師範代の脳裏にぐるぐるぐるぐる・・・。

『試してみようかしらん』

・・・・・。

迷いにまよったあげく、師範代は

「ま、ちょっとだけ・・」と、袴をずりさげ、

竹刀を障子からそおおっと、ひっぱりました。

あんまり、竹刀をひっぱってしまっては、中の二人にばれてしまうでしょう。

竹刀がつきこまれたことで、謎の男もはんはん♪ふんふん♪に安心して精進しておるようだし・・・。

そ~~~っと、そ~~~~~~っと、音をたてないように竹刀をすこし引っ張り出すと、

師範代。

『ごくり・・』←生唾を飲む音です。

覚悟を決めると袴をずりさげ竹刀を掴むと、臀部を寄せていきました。

『ん?・・・んん・・・?』

一説によると、男色などに走る男は幼い頃にそういう部分への接触が不足していたせいだというのがあります。そういう部分への接触といいますが、単純におしめをかえて、汚れたおしりをふいてもらうということで、愛情を確認すると、いいましょうか、

皮膚への接触、清潔にしてもらえたという満足感が愛情確認に成るのは、動物をみていても、判ることです。

なにかというと、まとわりつき、兄弟でへばりついて眠る姿はかわいいものですが、それも、肌への接触に安心感を覚えるのでしょう。

また、動物は排泄を促すために、子供のおしりをなめてやりますが、これも、傍目から見てると、手がつかえない動物なんだから致し方がないと思うものの、なんか、きちゃないですね。

そのきちゃないことをしてもらえるということこそに安心と愛情をおぼえるわけですが・・・。

あ・・。学術的に(どこが・・・)なりすぎて、話がぞれちゃったよ。

ですから、男色にはしるということは、そういう部分に興味がある。

なぜ、興味があるかというと、愛情的に餓えがあるからということになってきて(ほんまきゃ?)

深層心理の裏返しということで、つっこみ(漫才ではないが・・)をやってるようにみえて、

じつは、そういう部分への接触が欲しいという事に成ってきます。

ですから、師範代のために口ぞえしているのですが、師範代に受けの資質があっても、なんら不思議は無いのです。

じゃあ、他の人はどうなるのか?

新之助も剛乃進も愛情不足という定義でひとくくりかあああ?って、尋ねたくなると思いますが、(あ?思わない?・・速く、話を元にもどせ?)

ま・・・そういうことで、師範代・・・。

手でしっかり竹刀をつかむと、よっこらせ、どっこらせ・・と、竹刀を駆使しはじめました。

『お?あ?これは・・・』

なんということでしょう!!(某リフォーム番組調で、読んでください)

『な・・な・・んか・・わかる・・・』

なにがわかるって、そりゃあ、剛乃進や新之助のはひ~~~~~ん♪が師範代自らの実践により体感できたという事です。

『あ?あ・・・いいんじゃな~~~~ぃ』

って、師範代、我をわすれて、夢中に成ってしまいました。

まあ、皆様も夢中に成ると、己が境地にひたりこんで、

周りの状況が意識からふっとんでしまうって、経験はあると思いますが、

周りの状況を意識しなくなった果てに、「悪い事」になるのが、結果的に「まがさす」

って、ことでしょう。

冷静になってみたら、自分でも、なんで、そんなことをしてしまったか、判らない。

って、のが、そういう「悪い事」に分類されるでしょう。

可もなく、不可もなく、本人に評価がくだされるだけってのは、「おたく」って、ことになりますか。

そして、良いばあいってのは、まあ、発明家とか?

物事のよしあしってのは、結局、人類に貢献するか、被害をもたらすかっってことで、大きく分類されてしまうのですが・・・。

師範代の場合、ある意味、「無我夢中」が、人類成らぬ、障子の内のふたりに多大な迷惑をかけ、それが、巡りめぐって自分に帰ってきます。仏教臭くいいますと、因果応報・・平家物語風にいいますと、盛者必衰といいますか・・おごれるものもひさしからずと、いいますか、

とにかく、周りを意識しないハイテンションはとんでもないどんでん返しをくらわされるもとになりやすいものですが・・・、

師範代も然り。

「ひゃ・・うひゃ・・あ~~~ぃ~~ん(某コメディアンの真似では有りません、筆者のボキャブラリー不足で、このような表現になっております)」

そうです、師範代はなんだか、もっと、竹刀を色んな風に動かしてみたくてたまらなくなってしまったのです。

そこが、意識がとんだ師範代ってわけです。

障子の中の二人にきがつかれちゃいけないと、あんなに、そ~~っと、竹刀をひきだした師範代だったのに、そんな気配りはいまや遠い昔の遺跡の如く忘れはて・・・。

『うんしょ、こらしょ』は師範代の心の内。竹刀に妙なうごめきを与え、陶酔の世界にはいりこみつつありますが・・・。

「なんじゃ?」

殿の背後から、妙なうめき声。

それだけなら、よいのですが、さっきの穴ふさぎの竹刀が妙な動きをみせ、

あげく、穴塞ぎどころか、竹刀はバリバリ、音をたてて、障子を破っています。

障子の外の男、なにを、やらかしているのかは、妙なうめき声で殿にも、わかります。

おそらく、二人にあてられて、障子の外の男は独りHをなさっているのでしょう。

障子をがさごそと、竹刀がうごきまわるのは、合点がいかないことですが、どうやら、覗きはしてないようなので・・殿はまた新ちゃんとのお遊戯をはじめたのですが・・・。

一度気がついた音はどうも、耳障りで仕方がありません。

『う~~む・・・五月蝿いの』

思うが速く殿は障子の外にえいっと、竹刀を・・それも思い切り押して、がさがさ音を阻止したのです。

・・・・・・・・・・。

殿は竹刀の先がどういう状況になってるかまで、ご存知ありません。

致し方がない事ですが・・・・。

ですが、竹刀を思い切り深くつきこまれた・・師範代。

悶絶のはてに、意識を失ってしまいました。

そして・・いもりのくしやきのごとき、妙な姿で師範の書斎の前でたおれている師範代を、みつけたのが、剛乃進です。

ぱんぱんと頬をたたかれ、師範代が意識をとりもどしたころには、当然、障子の中のカップルは姿を消していましたが、

問題は剛乃進です。

剛乃進は自分の妙な性癖は棚に挙げ、嫉妬・・この場合も嫉妬でしょうか?

ま、とにかく、嫉妬の炎をめらめらと燃やしながら師範代につめよります。

そして、大文句。

「竹刀で、しないで!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おそまつ!!

団子が食いてえ~~!!★新之助シリーズ第9話

お久し振りです。
新之助シリーズ・第9弾を始めようと思っていますが、
このお話も
いくつかの前置き・・・
落語で言えば、ネタ仕込みをしておかねば
うまく伝わらないことがあります。

現代話に慣れていらっしゃる方には
よく判らない用語?もありますので、
むかしかたりを含めて
地ならしをしてみようと思います。

大きくは二つのキーポイントがあります。

用語としては、
団子と田楽で・・・。

なんじゃ?
そんな食い物知ってるぞい!!
と、おっしゃらず、
まあ・・・
少しお付き合い下さい。

それでは、早速ですが、
まず・・・。
団子から・・。

この団子という言葉は実は
隠語でございまして・・・。

団子が隠語であると知ったのは
憂生のご幼少のみぎり・・。

あはは・・・。

今となっては、何と言う題名であったかも、
主演の男優が誰であったかも
サッパリ分からないという遠い記憶。

映画はやくざ映画。
何かの依頼をしたやくざの大物が
頼んだ相手に
「団子をくわせてやる」
と、自分の店/キャバレー?/の女の子から
気に入った女を選べというわけです。

言われた男が選んだ相手が
なんと・・
その大物やくざの情婦ということなのですが・・・。
男が一度約束したこと、
大物やくざは何も言わず
相手に自分の情婦を渡すのですが・・。

このあたりは約束ごとを重んじる任侠世界の演出でしかないと思いますが、
子供心に
何でHのことを
「団子」と、いうのか、
不思議に思ったまま・・・。
時がながれ・・・。

新之助のこの話のプロトを書いた後に
まだ・・・、不思議に思い起こしておりました。

ところが・・・気に留めていると
そういう/どういう?/視角で物をみるものでして・・・・。

ある日のこと。
TVで本物の団子売りの職人芸?手さばきを
放映している所に遭遇しましたな。
多分・・・団子三兄弟のヒットのせいで
作られた番組でしょう。

やわらかく蒸しあげた団子を手に取り
串をグッと、押し込んでゆく・・・

・・・・・。
・・・・・。

木の又を見ても欲情する
という・・・、わけでもないですが・・・。
ようするに・・・。
そういう感覚です・・・。

団子の白い餅肌にぐううううと
串がつきこまれてゆく・・・・。

なるほど・・・。

年月は偉大な師匠で御座いますな。

団子をくわせてやる。
と、いう言葉が
Hを暗喩するという事が
やっと分かる様に成りました。

新之助シリーズは
こういう
暗喩を知っておいて貰った上で
読んでいただきたいと
まず・・・は
団子について・・・。

続いて
田楽・・・。
コレは、Hなことではなく、
江戸っ子気質を例える代表的な話として
落語にもちょくちょく,語られることですが、
念のために描いておきます。
が、
ちょっと、長くなりましたので
次のスレッドに田楽の続きを落とします。

随分、遅くなりました。

前振りどころか、置き去り状態で
いい加減、忘れ去られていたのでは?
と、おもいつつ、しゃあしゃあと
田楽について、前置きをくりのべさせていただきます。

田楽というのは、通常
串を二本うってありますな。
団子が串一本で団子を支えているコトを思いますと
田楽も一本でどうにかならないかと思いますが、
これが、うまくいきません。

豆腐やこんにゃくに串を一本うっても、
くるくるとこんにゃくがまわりだしたり・・。
こうなると味噌を乗せるなんて芸当も不可能で
もっといえばたべにくくてしかたがない。

で、考えた末に
串を二本打って、安定させたという所でしょう。

で、この二本うった串という名案でありますが、
コレをもってして、
武士、さむらいを揶揄に引き出されることがあります。

武士・サムライというものも
丁度・刀を二本さしておりまして
いわば、田楽のようなもので御座います。

ですから、
江戸っ子の喧嘩の啖呵にありますな。

「貴様・・武士をなめおってからに」
「へ?なにいってやがんでえ!!
サムライもでえくも人間にかわりがあるじゃなし」
「貴様・・ゆるさんぞ・・・・」
「おや?ぬきなすったね?
刀をぬきなすったね?」
「ふん・・刀の露にしてくれるわい」
「へ?刀をぬきゃあ、こわがるなんておもってたら、おおまちがいだい。
サムライ、サムライ。威張るなサムライ。
え?二本ざしが怖くて田楽がくえるかってんだよおおおお」

てな、調子です。

憂生は
こういう出典を読むたびに非常に巧い言い回しだと思いますな。
田楽の二本ざしと
武士の二本ざしを
見立て並べて
ほざく啖呵も江戸っ子らしくていいや。

ですがね。この新之助シリーズに置いて
重要なことは
田楽が二本ざしなら
団子は一本ざしだってことです。

そして、
二本ざしが刀の二本ざしを意味するだけでないことも、
一本ざしが団子の串一本を意味することだけでもないことも
ちょっと、伝えておきます。

非常に不可解?
あるいは、先が読めたと思われたかもしれませんが、
いよいよ、次のスレッドから
本編を出発させます。

どうぞ、よろしく!!

非番の新之助である。
で、あるのに、勤勉実直な男は
登城の刻限にあわせて、目をさましてしまうのである。
自室の床の中でねころがっていても、仕方が無い。
素振りでもするかと、木刀を片手に庭にでて
やあ!
や!
と、一汗かくまで、闇雲に木刀をふりまわしておりましたが・・・。
「むむ?」
手ぬぐいで汗をふき取っておれば、
庭も
今は、、
新之助が叫び声をあげておりませぬから、随分と静かなものです。

「むむむ?」
こんな朝早くから、子供の声がきこえてきます。
家老宅に、子供が入り込むは可笑しな事、
まして、こんな、朝早く・・・。
はて?はて?と、新之助は声の聞こえる方に歩んでいきました。

歩みついたその場所とそこにいた、声の主。
その少年の風体で、
新之助の疑問がさまに解けていきました。

場所はくど。
台所ですな。

少年は近くの河口から、掘りだしてきた蜆をうって、
たっきのたすけにしているというところでしょう。

びくから、量り出した蜆をくどの端女が竹笊にうけとって。
蜆の代金として、いくばくかの小銭を端女からうけとる少年は、
にこやかである。

「ふむ・・・」
世の中は広い。
新之助のように家老の父の七光りをうけて、
出仕した途端、殿の近習にまで、出世し、
のみならず、
殿に特別に目をかけられ・・・
手を掛けられ・・・いやいやいや・・それは、まあ、おいといて・・・

かたや、どうみても、まだ12、3。
朝の早くから蜆を売り歩くには、
深い夜のしじまに
河口にしじみを掘りにいかねばならぬ。
まだ、冷たい水は、
夜中には、いっそう、冷たかろう。
こんな苦労をしなければ、ならない少年の生い立ち、境遇が、
ふと、気になったが
そこまで、根堀り、葉堀り、きくわけにもいくまい。

せめて・・・。

「おい」
突然の声に振り向いた少年は、
「はい」
と、素直に新之助を見つめる。
新之助を見つめた目がそのまま、新之助の木刀に注がれる。
「お稽古のお邪魔になったようですね」
新之助のようすから、少年はそう、類推したようである。

「いや、いや・・・そうじゃない。
わしは、朝の早から、仕事に精をだすおまえの姿にいたく、感心した。
で、一声、ほめてやろうと思って、声をかけたのだが・・・」
が・・・馬鹿のようである。
少年にすれば、わざわざ、一言、褒めるために声をかけてもらったところで
なにも、実利もない。
むしろ、このくそ忙しい朝の刻限は
一件でも、多くの家の勝手口にたって、蜆を売りたいのである。
「はあ・・」
多少の戸惑いを見せられて、新之助も気がついた。
「ああ・・・すまなんだ」
どうにも、馬鹿であった。
「あ、・・あとでな。蜆を売り終えたら
此処に来い。
そうだな・・・団子でも、食いにつれていってやろう」
少年が嬉しそうに頷くと
新之助もほっとした。
大人としての面目躍如がはたせそうである。
暇つぶし半分の如く、口先だけで褒めることならたやすい。
新之助ももう少しで、
お暇な御大尽の自己満足という、恥を負う所であった。
せめても、褒めて遣わす。
らしい、実を伴ってこそ、大人であろう。

蜆売りの小僧が立ち去って一刻もすぎただろうか。
縁側に腰をおろし、手持ち無沙汰の新之助の前に
くどからお女中が歩み寄ってきた。
「新之助様・・・さきほどの蜆売りがきております・・・」
そうそう・・・。
それを待っておったのだと、
新之助は居室に入り
もののふの魂である、刀をわきに帯びると、
くだんの小僧の待つ勝手口に急いだ。

勝手口に現れた新之助を
ほれぼれと、見つめる少年の口はぽっかりとあいたままである。
「いかがいたした?」
新之助にほうけた顔を見咎められたを恥じるか、
小僧は大慌てで弁明しだした。

「朝の木刀で分かってたけど、
こうやって、二本刺しているのをじかにみると、
おいら・・・あこがれちゃうなあ」
「ふむむ?
ぼうず。おまえは、武士になりたいのかの?」
「う・・・。
おいら・・・。
おいらのちゃんは、仕官するって、都にまでやってきたのに、
どこにも、仕官の先がみつからず、
食い詰めて・・・腰のものも今じゃ、竹光・・な・・んだ」
「ふむむ・・・そうか・・・」
てて親が武士の魂を手放さざるを得ないほど困窮しておれば、
この小僧も蜆をうって、一家のたすきをしているのであろう。
そうなれば、小僧も、食い盛りであるに関わらず
食べたい物も食べられないのであろう。
そうなれば・・・・。
団子などという甘いものを買って食うなどという事もいっそう、できないことであろう。

「おまえは親孝行なんじゃなあ」
働き者で親孝行。
「おまえは、良い子じゃな。
今日は褒美に団子をいっぱいくわせてやるから、
ついてまいれ」
「うん!!」
憧れの帯刀のいなせなおさむらいさんと一緒にであることも
団子を食べさせてもらえることも
嬉しくてたまらないと、少年が大きく頷いた。

さて、さて、
ぷらり、ぷらりと城下まで歩く新之助につきしたがいながら、
小僧はうっとりと、新之助の腰あたりをみつめる。
「おさむらいさま。
この刀はどこのものだい。
おいら、こんな綺麗な漆黒の鞘はみたことがない」
う~~~む。
当然といえば、当然である。
刀は備前長船の上物。
そんじょそこらでおめにかかれるような代物でない。
だが・・・。
「おまえ・・・目利きじゃの・・・」
「うん?」
「この刀はの・・・長船じゃ・・・」
「え?」
子供でも聞いたことがある。
「これが・・・長船・・・
刀身を・・・見てみたい・・」
「ふむ・・・」
肩の力をおとしたまま、小僧が新之助に尋ねる。
「ねえ?
おいらでも、いつか、こんな立派な刀をさせるようになれるかな・・・?」
「うむむ・・・」

てて親が食い詰め浪人。
よほどの伝がなければ、士官などできない今のご時世である。
てて親の仕官の口を捜すより
小僧が帯刀できるは、夢のまた夢に近い。
だが、現実を言うは、あまりにも惨い。
「な~~に。いつかでなく・・・
どうだ?
この刀・・・さしてみるか?」
「え?」
質問をはぐらかされたことも忘れるほど、嬉しかったのだろう。
「いいのかい?
団子まで、おごってもらって、
刀まで触らせてもらって
いいのかい?ほんとに?
ホントにいいのかい?」
あまりの喜びように新之助もお安い御用だと思える。
本来。
刀を人に貸したり、預けたりはしてはならないものである。
それでも、少年が喜ぶなら
構わないと思ったのであるが・・・。
とは、いうものの、往来の人の目の前で
刀を貸すような行為をさらすわけには行かない。

そうだ。
団子茶屋にいけば、
奥のへやがあろう。
そこをかりて、
刀身もみせてやろう。

よしよし。

と、妙案に頷いていた新之助ですが・・・・・。

ここから、
とんでもない事件?が勃発するとは思いもだにしない新之助でもあったので
あ~~~~りまする~~~~~。

団子茶屋の店先で、お婆がひとり、団子を丸め
串をうっては、
焼き上げて、
甘い醤油だれをはけにからめて、香ばしい匂いをたちあげさせている。
「お婆・・このこに好きなだけ、団子をくわせてやってくれ」
むろん、この注文の主は新之助である。
「あ、奥の部屋は空いているか?」
「あいあい・・・どうぞどうぞ」
婆の承諾を得ると新之助は小僧を連れて奥の部屋に踏み込んでいく。

「まあ、まずは、たるほど、団子をくうがいい」
その後でおまえにやくそくしたとおり。
この長船を帯びさせてやろう。
畳の間にあがりこむと、新之助は刀を傍らに置いて
茶卓を前にする。
小僧もおずおずと、茶卓の前に座り込み
新之助の正面で団子を待つ事に相成った。

やがて、ほくほくと湯気のあがる香ばしい団子が
皿一杯、山盛りで運びこまれてきた。
「うわ~~~お」
喜び勇んで団子を矢継ぎ早に口に運びこむ小僧であったが・・・。
「あれ・・・?
おさむらいさまは・・・たべないのかい?」
「むむむ・・・」

作者お詫び/今回はなにかと、この「むむむ」が多すぎることをお詫びいたします。

どうも、新之助は甘いものは苦手である。
苦手であるが妹に頼まれせがまれ
団子茶屋へのお供こそ何度か、したことがある。
「うむ、まあ、今日はよい」
「よく、食べに来てるから、飽きたってことかい・・・」
また小僧が淋しそうな顔になる。
刀をさせるような立派なお侍になれれば、
団子なんか、飽きるほど食べに来れる。
なのに・・・。
ちゃんもおいらも・・・。

小僧の心根を察すれど新之助もなんとも、いいようがない。
小僧の気をそらす最後の手段はやはり帯刀の真似事しかないのだろう。
「まあ、しっかり、食べろ。
そのあとで、ほら」
刀をぐっと差し上げると
小僧は今、泣いたからすさながら、現金なもので、
にっこり笑うと、
よほど、帯刀してみたいらしい。
大急ぎで皿の山盛りを平らげ
ぐっと、新之助に両手をさしのべた。

「うむ」
小僧の手に長船を預ける。
早速たちあがって、帯紐の隙間に長船をつっこんではみたものの・・・・
「おさむらいさま・・・どうだい?」
喜々とした声に事実をつげるは忍びない。
だが・・・。
「どうも・・・いかぬ」
事実をつげるには、それなりの原因追求が出来ていなければならない。
「やはり・・・その着物では・・・みょうちくりんじゃ・・・」
ひょろひょろと背が伸びてきた少年に着物をあつらえてやることも出来ず
つんつるてんの着物から手足がのびだしているし、
おまけに、町人格好である。
「そ・・そうなんだ?」
沈んだ声を浮き立たせるために新之助にまた、妙案が浮ぶ。

「そうじゃ・・・。
貸しついでじゃ、このわしの着物をはおってみるがよい」
胴回りこそほそっこいが、背丈は新之助とそんなには、変わらない。
なんとかなろう。
と、新之助は着物を脱ぎ始めた。

なにからなにまで、心尽くしてくれる新之助の素早さにつられ、
小僧もつんつるてんの着物をかなぐり捨てた。

新之助の前に半裸の小僧が突っ立ち
これは、
これで、
いささか、妙なムードをかもし出す構図であり
あにはからんや。

まさに新之助の胸中に去来するものがある。

華奢なくせにしなやかでつややかな少年の肌。
魅せられる。

それは、まさに・・・・。

『殿?・・・
殿も・・・
こんなお気持で新之助をめでてくださったのですか・・・?』

殿の欲情気分をなぞらえたら、
この先どうなるか?

あ~~~た。

そんなもの!
見え見えもいいところの
ガラス部屋ちゅう奴っしょ?

さてさてさて・・・。
団子屋の奥の部屋のふたりは・・それから、
どうなったことでしょうか・・・・。
ちょっと、のぞいて見ましょう・・・・。

「二本ざしにあこがれておると、いうておったな」
どうやら、新之助、なしをつけるか?
それとも、なしくずし?

「うん。
二本ざしをみてるだけで、どきどきするよ。
だから、田楽をみてるだけでも、うっとりするよ~~~」
なんて、
刀と食い物を一緒にして、惚けてる場合ではないのですよ~~~。
だって、ほら・・・・。

「それでは、こっちの二本ざしはどうじゃ?」
新之助言うが早く、
小僧を引き寄せ、下半身のうすっぺらい布切れをとりはらうと、
小僧を引き倒し
いきなり、小僧の局部に指二本をいれこんで、
ぐっちょぐっちょ・・・
こねこね、こねこね。
指のまたを開いて局部を押し広げてみたり、
すぽすぽと、二本ざしをおしこんだり、
引き戻したり・・・・。

おい!
そ、そ、それは、少年法にひっかかる行為じゃないかああああ?
と、いうよりも、
小僧の方は?
強姦そのものの、行為に小僧は心神喪失?
恐怖におののいてる?

え?
あり?
「はひ~~~~~ん・・・」
って?
それ、なんか気持よさそな声じゃあ~~~りませんかああああ?

どうやら、小僧は・・・受けだったようです。

でも・・・・。
おい!
作者、都合よすぎねえ?
って、思ってません?

それが、こういうの、あり。なんすよ~~~。
類は友を呼ぶというか~~~~~~。
蛇の道は蛇。
つ~~~~か~~~~~。
魚心あれば水心ちゅ~~~~か~~~~。
まあ、なんすよ。
犬も歩けば棒にあたる。
新之助が歩けば・・・男色にあたる・・・んですな。
嘘こけ?
ン、な事を疑うなら、今までのシリーズ読んでみてやってください。
だいたい、新之助は妙に男好き?される奴なんすから・・・・。

って、まあ、都合の良い展開をらしく/ない?/言い訳してる場合じゃないかも~~~~。

「おさむらいさま・・・
おさむらい・・さま・・・」
なんだか、小僧の声色がピンク、ピンクしてますけど~~~~。
新之助?
あ~~~た。
ちゃんと、責任とれるんすか~~~~?

なんだか、胸がキュンとする・・小僧の反応に
殿と新之助の馴れ初めを重ねあわせてしまえば、
いっそう、新之助の手管は精緻を増すばかり。

しこしこ
きゅきゅきゅきゅ
ぷすぷす
こねこね
ずぽずぽ
ぐいぐい

まあ、作者の足りない脳では、
これ以上の擬音がでてまいりませんが、
新之助は必死でかつ真剣に
二本ざし作業に没頭しておりますな。

そして、くだんの小僧は
いっそう。
「あひあひ~~ん」
「うぇうぇ・・・ごわ~~~」
「あう~~~ん」
なんだか、某コメディアンの
馬鹿殿さまを彷彿させる雄たけびをあげておりましたが・・・・。

やがて・・・・。

「おさむらいさま~~~~」
懇願の音色は何を表すか?
「どうじゃ?気持ちよいかあ?」
「いいよ~~~。いいよ~~~。
だけど、
だけど、
おいら、団子が食いたい~~」
へ?
「何をいうか・・・。
さっき、たるほど、たべたではないか」
新之助、やはり、元々が勤勉実直な男。
融通がきかないというか、
発想の転換がないというか・・・・。
たんに、うといというか・・・。

そりゃ、そりゃと新之助。
引き続き
二本ざしをさして、さして、
こねて、こねて、
押し込み引き込み
くりかえせば、
小僧、ますます、せつなく

「おさむらいさま、
団子を・・・
団子を・・・
くわせておくれ~~」

賢明なる読者の皆様は
小僧の哀願がどういう類いのものであるか、
すでにお気づきでしょう。

二本ざしが田楽なら、
一本ざしが団子。

こういう図式ですから
二本ざしが指で行われてるなら
一本ざしは何を使用するか?

小僧は指だけの刺激では、物足らなくなって
一本ざしを要求しておるわけですな。

なんども、強請られて
新之助もやっと、気がつきました。
「なるほど」
指の串ではなく、
新之助の一本串が欲しい。
「そうか・・・これか・・・」
指を収めていた場所から
指を引き抜きますと
新之助は一本串をぐううううううううと突きこんでいきました。

『おわ?』
小僧の局部を刺し貫いていく新之助の一本串のその様は
まさに
串で団子を貫くにさも似たり。
『なるほど~~』
団子が食いたいはまさにいいえて、妙。

さあ、どうじゃ。と
新之助。
今度は一本串で小僧を責める。責める。
「あい~~ん」
「ひょえ~~ん」
奇天烈な雄たけびを上げながらも小僧は
「気持いいよ~~~
気持いいよ~~~~
もっと、もっと、
団子をくわせておくれ~~」
新之助も小僧をココまで忘我の境地に立たせれば
大満足で、
ぐいぐいぐいぐい
「もっと、もっと、くわせておくれ~~」
ずぴょずぴょずぴょ
「もっと、もっと、くわせておくれ~~~」

興にのったまま、
熱い遊戯に夢中のおふたりで御座いますが・・・・。

この遊戯を聞いていたのが、
当然、店先で団子を焼いているお婆。
白日に奥の部屋に引きこもるくらいですから
非常なる淫猥な行為がおこなわれているは、
周知のことでしょう。
ですから、
男色?
そんなことくらいにめんたまをひん剥いている場合ではありません。
とにかく、
商売。商売。
団子を作らねば・・・と婆も大忙しなのです。

そして、奥の部屋からはあられもない声がいっそうひびいてきます。
「どうじゃ?
どうじゃ?」
「うえ~~ん・・
もっと、もっと・・・くわせておくれ~~~」

しっぽり、ほっくり、
団子をくいまくるおふたりですが・・・。

突然!!

がらり!!

部屋の戸が開きますと
婆が乱入してまいりました。

こら!!
不届きモノ!!
この神聖な交わりの場所に断りもなく
しかも、突然、おしはいってくる・・・?

「あり?」
婆のてには先程よりもっと大きな大皿があります。
その大皿には
うずたかい団子の山。

「なんじゃ?そりは?」
小僧をしっかりだきこんだままですが
さすがに、
一本串のつきこみは静止させておいて
婆をとがめますと・・・。

「ご注文の追加でございます」
と、しゃあしゃあといいのける。
「なにをいうか?
追加なぞいたしておらぬ」
「へ?
何をおっしゃります。
何度も・・・きこえておりました。
それに最初にたるほど食わせてやれと・・・」
確かにいったが、
それでも、もう、最初の皿の団子はくいつくしておるし、
追加なぞ、できる状況でもなし
「いうておらんわい」
むうとした、新之助ですが・・・。
「いいえ・・。
ほれ・・・
今も・・・」

新之助のつきこみが止まったせいですな。
小僧が強請りはじめてました。

「団子をもっと、くわせておくれ~~~」

確かに・・・追加注文だ~~~~~!!

婆が部屋から出て行き
残された
山ほどの団子・・・・。
どうすればいいんしょ?

とは、いうものの、この状況。

団子のさばきはあとにして、と、
新之助も、
小僧もいよいよ
フィニッシュをむかえるために
こしこし、

しこしこ
きゅきゅきゅきゅ
ぷすぷす
こねこね
ずぽずぽ
ぐいぐい

「あひ~~~ん」
「あひひひ~~~ん」
二人で快い頂上を制覇すると、
しばし・・・
余韻を楽しみ
そして、新之助の腕の中で小僧が
「おさむらいさま・・・また、あってくれるよね」
次の逢瀬を強請ります。

されど、団子の山盛りにこりた新之助は、
ちょっと、凝った言い回しで小僧に答えました。

「今度は田楽でも食いに行こう」
その場所なら、団子をくいたいと叫ばれても
もう、山盛りの団子が運ばれてくることはありません。
懐の大枚がとんでいくはめにもおちいらないでしょう。

そう考えて
初手からはじめた、
前戯行動の二本ざしを田楽に例えて
小僧に承諾してみせたつもりだったのですが、
新之助の意匠は届かず
「やだ!!
おいらは、団子がくいたい!!」

あ~~~~~!!

ばか、ばか、ばか!!

その声に・・・また、お婆が乱入してきました。

さっきより、もっと大きな大皿を持って・・・!!

・・・・おしまい・・・・

瓜割り~~~★新之助シリーズ第8話

瓜割り・・・/前置きです。

まずは題名ですが・・・。
瓜割りに致しました。

そのまま、「うりわり」とうちこんで、
変換をかけますと
「瓜破」と変わりますが・・。

この「瓜破」は、女性側の初喪失をあらわす言葉であり、
本編の場合は女性側でもなく、
今では、初喪失でもない物語に相成っておりますので、
「瓜破」では、意味合いが違ってきます。

では何ゆえにそれでも、
一種女性器の隠語とも解釈できる、『瓜』という、
言葉を題名に持ち出したか?

あ~~た。
ようは、そこなのですよ。

『瓜』が女性器をにおわすという事で、
殿と新之助の(またも)不埒な物語が始まるわけです。

あ、今回は前置きが長いですが、
本編はあっさり短く行きます。
/つもりです!!/

本編に入る前についでに/いらねえ?
憂生のうだうだ話しもしちゃいます。

で、いきなりですが/いや~~、個人的にはいきなりは好きですが
お好きでない方・・申し訳有りません・・/話が違う気もする・・が・・・

で、憂生は白蛇抄というオムニバス長編を書いておりますが・・。
あ、そのまえに・・・、
憂生のことを「うい」と、読むってこと・・・ごぞんじでしたか?

あ、話を戻します。

で、その白蛇抄というのは、ようは、陰陽師物なんですが・・・。
陰陽師というと
当然、安部清明ですよね?
憂生は自分の作品が既成の物語に影響されるのがイヤで、
資料として、密教辞典?をよんだだけで、
安部さん/なれなれしい?/については、
ほとんど、知らないのですよ。

それでも、あれほどブレイクした方ですから、
噂だけはちらほらとはいってきまして・・・。

その中の一つが白蛇抄でも使わせてもらった
『身固め』で、ございますが・・・。
六ぼう星も使ってる?
あ、これは、水木しげるの漫画?
悪魔くんからです・・。

で、なんか・・話がぞれっぱなしですが・・・。

安部君の/ますます・・なれなれしい・・・/
逸話の中に
瓜があるのですな・・。

瓜の中に蛇が入っているのを見抜いた・・。

と、まあ、こういう話で御座いますが・・

わかんねえええええ?

ま、そこはテキトウにご理解あれ・・。

デ、そこからが、憂生の解釈で御座いますな。

瓜の中に蛇が入ってるのを見抜いたって
なんも、おもしろくないっしょ?
/因みに憂生は北海道の人間ではありません。/

で、
考えてみてください。

先に書いたように
瓜が女性器の隠語であるなら、
当然、
蛇は男性器の隠語と解釈できます。

つまり・・・。
やんごとなき姫君を
もののけの類いが襲っている。

ソレを安部君が退治した。
だが、世間様に表立って
姫を犯すもののけを退治したというわけにいかず、
また、世間様も薫家の姫君の陵辱事件を
面白がって口の端にのせるわけにもいかず・・・。

阿部君が瓜の中に入った蛇を見抜いて退治したと
言われるようになった。

デ、わかる人にはそれで、わかる。

大体どうやって、瓜の中に蛇がはいれますか?

そこから既に怪しい話し・・・。

****ご清聴有難う御座いました。***

さて、憂生の瓜割りの話も
まさに瓜の中に蛇が入る話しです。

それでは、いよいよ、次のスレッドから始めます~~~~。

瓜割り・・・1

さて、さて、
殿であります。

殿さまというものは、わがまま、勝手、何でも自由。
な、ものだと思われておりますが・・・。

本編に置いての殿様はまさにその通りでございまして、
今日も近習の野原新之助をお側にはべらせまして・・。

「しんちゃ~~~ん」
と、お声をおかけになれば、
君臣である新之助で御座いますから、
既に身も心も主への奉公にささげつくしております。
ゆえに、新之助も殿の御意も直ぐにさっするという、
まさに痒い所に手が届く忠義ぶりを見せております。

朝っぱらからですか?
と、不平も言わず
一心に殿の御意にこたうべく、
新之助は袴をずりさげ、
殿の御前に臀部をささげ
殿のお気をはらす勤めにいそしんでおります。

新之助の方も気分の良い勤めらしく、
喜々として、殿の侵入をまちうけておりますから・・。

この主従関係は見事なセッションを奏でることで御座いましょう。

ちょっと、聞いてみますか・・・。

「しんちゃん・・しんちゃん・・・」
なんだか、既に切ない声色になってるのは、
殿だけでは御座いませぬ。
「殿・・殿・・・新之助・・もう・・いけませぬ・・」
なんだか、最近の新之助はしっかり、殿の味をおぼえこんだようで・・。
殿の物の怒張は当然でありますが、
新之助の物も殿の蠢きに比例して
ますます、張り詰めていってます。

本来、男も受けで到達いたしますと、
前のものも勝手に発射するという二重の極楽をあじわうのですが・・・。

どうやら、新之助の感覚はまだ、訓練状態で
今ひとつ、殿のしこしこ・・・だけでは、いきつけぬようで、
「殿・・・」
新之助自ら、前の物を愛撫していいかと許可を得ようと言う所が
まさに君臣。
「う~ん・・しんちゃ~ん・・つらい~~?」

殿というのはわがまま勝手でありながら
妙な所で器量が広く、妙に繊細でやさしいものでございまして・・・。

殿が新之助の物にちょいと手をそえてやれば
万事解決なのですが・・・。
そこが一国一城の主。
人をもって垣根とするというくらいですから、
逆に、人の身をおもいはかること
まさに汐汲みのごとく、汲んで、汲んで、汲みまくります。

『新之助は・・・女子も知らず、
殿のものだけで・・・は・・あわれであるやもしれぬ』
かといって、
『新之助を女子にとられとうはない。
それくらいなら、殿が・・う・・う・・うけてやるわい』

とは、言うものの今のこの体制・・・。
殿が受けてあげるわけにはいきますまい。

無骨な指で新之助をまさぐりはじめながら、
殿はまだ、考えております。

『問題はここだの・・。
新之助を受け止めてやるものがあれば
殿もこんなに/ドンナに~~~?/
なやまなくっていいことじゃないか?』

う~~ん。
なにか・・・。
なにか、ないかなああ?
考え込んだ殿の頭の中に
宇治拾遺物語の一説がよぎってまいりました。

瓜割り・・・2

殿の脳裏に浮んだ
宇治拾遺物語の一説で
必要な部分は一箇所で御座いますが・・・。

まず、殿の脳内細胞に刻まれた
その物語を披露いたしましょう。

舞台はお寺・・。
尼僧ばかりの寺に
高名な男僧が行脚の途中に
宿をかりにきたのですが・・・。

男手のない寺でありますから、
借り宿の礼にまき割りや
壊れた箇所の修繕などをして
長い間、逗留していたところ・・。

一人の尼僧から、相談を受ける事になります。

その相談というのが
檀家の若い衆と抜き差し成らぬ仲になって、
身ごもってしまった。

と、言うものだったのです。

男僧は
「裏の畑の瓜を誰にもやらず
一人で食べてください」
と、答えるのです。

高名で徳のある層のいう事ですから
尼僧は言われたとおりに致しますと答えますが、
はたして、それで、解決しますかとたずねますと

「もうすこし、したら、貴方の懐妊は
周りのものにも判る事になります。
その時に、その瓜を食べておいたことが役にたちます」

と、いうことで、
こののち、尼僧の懐妊が白日の下にさらされる事態がやってきますと、
男僧は
「さては・・・」
と、懐妊の謎解きをします。

いわく・・・。
「私は修行の身でありながら、
こちらに長い間逗留して
女性ばかりにかこまれておりますと、
不埒な思いをわかしてしまうことが度かさなり・・・。
これでは、いかぬと、夜半にこっそり、
裏の畑にでて、瓜を相手にしたことがあります。
もしやとおもいますが、
裏の畑の・・・その瓜をたべたのでは?」

尼僧の方はなるほど、こういうことかというわけで、
しゃあしゃあと
「はい、瓜をたべたことがありました」
と、答え
お互いに
実際に姦通?をしたわけでなく、
仏道にそむいたことをしたわけでない。
と、いうことで、
無事に子供を生み、寺にすまいながら、
育てて行くという事になり
万事解決。

と、いう話があるのですが、
ああ・・
長くてすみません・・

この話のそんなに簡単に男僧の話がつうじるものか・・
などという疑問にはいっさい拘りめされるな。

問題は殿が着目したことですな。

「裏の畑にでて、瓜を相手にしたことがあります」

ふむふむ・・・。
瓜が女性の特別な部分の代わりになるんだな?
と、殿は思ったのです。

思ったらその行動の素早さは天下一品。

「新之助・・・待っておれ・・
いま、良いものをもってきてやる」
いいおくと、殿は
韋駄天走りで、くど・・・台所にむかって、
きざはしをおりてゆきます。

さてはて・・・
くどに
瓜がございますか、どうか・・

はたして、本当に瓜がそういうことの役にたつのか、どうか?

色々、疑問は御座いますが、

申し訳ない。

続きはまた・・・明日・・・!!

瓜割り・・3

お待たせしました・・。
え?
待ってない?
ま・ま・ま・そういわず・・。

殿の続きを書きますので、
読んでやって下さい~~~~~。

くどを見渡しました殿で御座います。
『瓜・・・瓜・・瓜・・・』
ん?
あった・・・?
けど、ちょっと雰囲気が違います。
くどのお女中に殿がたずねまする。

「これは?瓜のようじゃが?・・・」
お女中・・殿の出座に吃驚しております。
「こりゃ?これは・・なんじゃ?」
「あ、あ、あ、はい。これは糸瓜でございます」
慌てて答えたお女中ですが、
殿はにっこり。
「瓜なのじゃな?」
「あ、はい」
ならば、もらってゆこうと殿は糸瓜をだかえて
新之助のもとに帰ってきました。

「殿?なんですか?これは?」
せっかく盛り上がってた所を
中途半端に放り出した殿が
帰ってくると瓜のようなかぼちゃのような
妙な野菜を新之助の前におきます。

「よいか・・・」
殿が糸瓜の表皮に小刀で穴をあけますと・・
「むむむ?なんじゃ?えらく、かたいなあ?」
果肉をすこしばかりほじり出してみますと
果肉が糸のようにかさなっております。
「なるほど、それで、糸うりというか・・」
殿は空けた穴に指を入れ、綺麗によりかたまった糸をほぐしました。
「うむ・・これでよい・・」
新之助の物をその穴にいれてやれば、ほぐれた糸が絡んで
かなり具合がよい感触を新之助にあたえるだろう。

さてさて、しあげをごろうじろですな。

「しんちゃ~~ん」
またも殿の息抜きがはじまりますと、
早くも、新之助
「あ・・・あ・・・せつな・・・い」
もらした言葉に待ってましたとばかりに
殿が糸瓜を新之助の物にかぶせてきます。
「あ・・あ・・殿・・これは・・食べ物でございましょう?」
勿体能御座います。
バチが当たりますというにいえない
えもいえぬ好感触に・・
うしろからは殿のしこしこしこ・・・。
「はひ~~~~~~ん」
あっけなくも、もろくも、
新之助の部分は極楽往生。

その様子を見ていた殿はさぞかしご満悦かとおもいきや・・。

「しんちゃ~~~ん?
なんだか、とっても、きもちよさそうだったねえ?
殿にも、それ・・・かしてくれる?」
新之助のもう一つの相方の具合を
殿も試してみたくなったようです。

瓜割り・・・4

早速・・殿は瓜をあてがいました。
「ん~むむむ」
なんだか、ちょっときついようで・・。
「うふふふ~~ん」
キツイ、と、いう事は
殿の物が新之助より
立派だということでございますから、
「新ちゃん・・・けっこう・・ちいちゃいんだ」
なんて、
どうでもいいことに、優越感をかんじながら、
まあ、それでも、なんとか、糸瓜の中に一物を
押し込んでゆきますと・・・。

「おわっ!!」
殿が声を上げるのも無理がない。
ほぐれた糸がからみついて、
えもいえぬ感触。
俗にききつたえる名器
みみず千匹なるものがかくもあろうかと思えるのです。

こういう名器を所持なさる女性をお相手なさった方は
簡単に想像が付くと思いますが・・・・

むむむ・・・。
残念な事に筆者には想像がつきませぬ。

これはよい。
コレは素晴らしいと
満足至悦はよかったのですが、
あまりの快い感触に殿の物が一層ふくれあがり・・。

「あ?や、やや、ややや?」
ちょっときつめの所に押し込んだものが
内部で膨れ上がり
硬い表皮の入り口はゆうずうをきかせず・・・

殿の一物は
哀れ・・・瓜の中・・・

「し・・し・・しんちゃん・・・
ど・・ど・・どうしよう・・ぬけなくなっちゃった」
大体、お前が殿よりちっこいのが悪いんだと
先程の優越感をさっさとけりさり、
ぶつぶつと新之助を攻める気持がわいてきますが・・・。

せめていても、問題は解決いたしませぬ。

「ど・・どうしよう・・」
そのうちなえちゃうでしょうと、おもいたいのですが、
内部の糸のからみが極上すぎます・・。

「発射なされては・・どうですか?」
新之助の名案も・・・。
「瓜にしこしこできないから・・
むりだよ~~」
と、まったくなさけない問題を
討議しなければならなくなりましたが、
そこは君臣・新之助。
笑いもせず、何か、良い手立てがないかとかんがえます。

「瓜をわりますか?」
「どうやって?」
「う~~む」
「かなづちでも持ってきてたたきわるのか?
殿の物も一緒にたたきつぶされてしまうのではないか?」
確かに、固い瓜の表皮を叩き割ろうとしたら、
渾身のちからがはいり・・。
殿の一物もあわれ、ぐちゃぐちゃ・・。
そうなっては、お世継ぎもまだなのに・・。
新之助の楽しみもなくなってしまうし・・。
///こやつ・・何、かんがえとるんじゃ?///

なにか・・よい方法がないかなあ~~~。
新之助は腕を組み
殿は瓜をなでながら・・・。
じっとりとかんがえはじめました。

瓜割り・・・終

「こまりましたね~~~」
新之助の腕が解かれますと
「殿・・・かくなるうえは・・・」
新之助の妙案がいかなるものか?
殿は不安気に新之助を見つめます。

「上手くいくか、いかないか・・・
判らないけど・・・やってみましょう」
「し、し、しんちゃん?
大丈夫?」
なにをどうしようというのか、判らないけど・・・。
「新之助はうまくいったんですけどね・・」
ぽそりと呟いた言葉で殿も察しが付きました。

どうやら、新之助は
さっきの新之助と殿の立場を逆にしようというのでしょう。
確かに新之助は殿のしこしこ~~で、
うまく、発射できたわけですから、
殿に、しこしこ~~~を与えれば
殿もうまく発射できるとかんがえたのです。

「し・・しんちゃん・・・
殿・・・そんなのはじめてなのよ・・
/なにゆえ、女子言葉になる?/
い・・・痛くないかしら?」
「う~~む・・」
新之助・・・殿とのあの・・・初めての時を
考え直しておりました。

「むむむ・・・
その方はその人の天分というものがあるようで・・・」
「新之助は平気だったのか?」
「は・・い。多少は・・・痛くありましたが・・・
殿ったら~~~~むふふふ~~
上手なんだもの~~」
って、何だか懐かしい思い出に浸ってる場合じゃない。

「そうか・・・。
それならば・・・よろしく頼む」
と、殿も覚悟を決めたようですが・・・。
「しかし・・・新之助・・」
いや・・・いうまいて・・・。
新之助に上手いをあてにしてもどうにもなるまい。
運を天に任せ
殿は新之助に背をむけ、お尻を突き出しました。

「それでは・・・失礼をば・・」
新之助・・・で、大丈夫なんだろうか?
心配召されるな。
この次のお話で少し、新之助の行丈録を
書こうと思っておりますが
新之助・・・実はいつの間にか、
受けだけでなく
攻めにもめばえており・・・。

やがて・・・。

くいくいおしこみひきこみ、
「あっ・・ああ・・いい~~ん」
くいくい
「あっ・・・は~~ん」
くいくい
「あ・・ん・・殿・・だめになっちゃいそう~~んんん」

***誰ですか?
この表現は・・恋敵の使いまわしだ。
手抜きだという人。
手を抜いてる話ではありません。
はっきり、いっておきますが、
一物を抜く話です。
間違いなさらぬように・・・*****ん?

そして・・・。
殿・・・天性の素質があったか、
新之助の攻め方が開花したか・・・。
めでたく、発射オ~~ライ!!

糸瓜から抜け出た愚息をなでさすりながら・・
「瓜を割らずにすんでよかった~~」
と、ほっと胸を撫で下ろしたのですが・・・

でも、
「殿の瓜は・・割られちゃったわ・・」

/なんで~~女子言葉になるかあああ?

                      お終い。

******** 追記。**********

冒頭の前置きで書いたように
うりわりとかいて、変換をかけますと
破瓜と出ます。
殿の初体験を破瓜とは、呼べそうもないので、
男性の場合は
「瓜割り」と言ってしまえないかと、
こんな物語を書いてみました。

ちょっと、消化不良で、おまけに
走り気味で終わらせました。

すみません。

次・・いきます。
その前に・・・
題名を考えてなかったので
考えてきます。

恋敵 ~~~ ★新之助シリーズ第7話

例のごとく。
師範代の控えのまでございます。
そこにぽつねんと・・・
今日も剛乃進は師範代を
待っておりまする。
大根事件がまだ、目新しい?読者さまは
きっと、剛乃進がまた、なにかやらかすと、おもってるでしょう?
あたり!!
おおあたり!!
あ~たはするどい!!

なんて、ほめてる場合じゃないな。

待ちぼうけの剛乃進の観察日記?を
つづけてゆきましょうか。

恋敵・・・2
剛乃進が待てど・・・師範代はやっぱり現れない。

う~~む。
早く・・・ナントカしたいと思ってるのは
剛乃進も
今まさに馬上の人である師範代もおなじなのであるが・・・・。

師範代は馬のたずなをひくという
用事があるが、
剛乃進はぽつねん・・・。
することがなく、
否が応でも、妙な場所の渇きを
意識する。

意識するとその存在が大きくなるというのは
当然のことで・・・。

「あ~~~。まってられないよ~~」
とは、いうものの、
この前は待ってられない渇きを癒そうと
大根を師範代の代わりにして、局所にあてがい
えらいめにあった剛乃進ですから、
さすがに・・・
こりている・・・よう・・?でしょうか?
「まだかなあ~~」
師範代がやってくるはずの裏木戸をみつめた、その目線が
この前の大根畑をなぞり・・・・。
「は~~~」とくるおしいため息をおとしたのですが・・・。

ん?んん?
んんん?
おおおおおお~~~!!

剛乃進、大根畑の隣の畑にいいものを見つけてしまいました。

「んふ♪」
早速畑に飛び降り
あきもせず、こりもせず、
師範代もどきを作るつもりのようです。

「ん~~~~~♪
だいたい・・・約束しておいて遅れる奴が悪いんだからね」
充満しきった欲望をちょいと、開放してやらねば、
もう~~~たまんない~~~。

鼻歌交じりで畑の作物を引っこ抜き
手水鉢で泥を落とすと・・・
小刀で細工を・・少々はよかったのですが・・・。

「ちょっと・・・みじかすぎたかなああ__?」
剛乃進が懸念したとおり
師範代もどきにつくりあげた、
にんじんは
確かにみじかくて・・・。

コレがまた、ひと騒動を起す元になるとも
知らず、
剛乃進は袴をずりさげ・・・

局所に師範代もどきをあてがうと・・・
ぐううとおしこんでいきまする。

『はああ~~ん・・・いい~~ん』
でも、はやくしないと、
この間みたいに師範代に見つかってしまう。

くいくいおしこみひきこみ、
「あっ・・ああ・・いい~~ん」
くいくい
「あっ・・・は~~ん」
くいくい
「あ・・ん・・剛乃進・・だめになっちゃいそう~~んんん」

つくづく
欲にはまった男はアホで御座います。

「あっ・・ああっつ」
くいくいとうごめかしていたものを
もっと深く押し込んで
確かな高揚がほしい・・・

ぐうう・・・。
「あああああ~~」

物事・・・そうは上手くはかどらないのが世の常で御座いますな。

ほら・・
師範代が馬を走らせ大急ぎでやってきたようですぞ。

「あっ・・やば・・い・・でも・・」
最後にもう一押し
師範代もどきの感触を味わってから
証拠隠滅・・
今度は上手に隠すつもりの剛乃進でしたが・・・

「え?」

最後の一押しとにんじんの短さがたたったようです。
にんじん・・いえいえ、師範代もどきは

なんたることでしょう・・・。

剛乃進の中に隠蔽されてしまったのです。

「う~~ん・・う~~ん」
師範代がやってくるというあせりもあって
剛乃進は上手くいきむことが出来ず、
おまけに
気持ちよくなっていた部分が
気持ちよくしてくれたものを離すまいとしっかり締め付けている所に
すっぽりと入り込んでしまったものですから、

巾着袋の中に物を入れて、閉じ込めたに等しい・・・状態。

「や・・やばいよ~~~~~」
だけど・・・
もう、師範代が裏に馬をつないで
やってくる・・・。

今日は・・うまく、にげちゃおう・・・。
剛乃進は
36計逃げるをしかずをきめこむつもりですが・・・

はたして、そうはとんやがおりるかどうか・・・

****と、講釈のおきまり、
風前のともし火は次回にくりこすのであ~~~~る*******

恋敵・・・3
「待たせたの」
裏庭まで馬でのりいれ、
控えの間の窓をあけて、
剛乃進を覗き込む
師範代のまなざしが熱い~~~~。

だけど、
剛乃進・・・せっかくだけど・・・
ん~~とに、もったいないけど、ココは
あきらめるしかない。

「師範代・・実は用事が出来て、直ぐに帰らなきゃ・・」
剛乃進が皆までいうまもなく、
師範代は剛乃進の言葉に慌ててまどからはいってきた・・・。

「こりゃ・・嘘だろ?
さては・・まちぼうけて・・すねておるな?」
「いえ・・本当です」
「い~んにゃ!!嘘じゃ・・。
本当に急ぎならとっくに用事をすましにいっておるだろう?
第一、その急ぎの用事を誰がしらせにきた?」
「・・・」
その通りである。
急ぎの用事なら急。
急な用事は誰かが知らせに来るしかない。
その用事が急であれば、知らせにきた人間と一緒に
早速にかえってるだろう・・・。

「こりゃ・・すねおってからに・・・うふふ・・」
まったく、かわいい奴め・・・。
と、師範代、
剛乃進をとっつかまえますと、
やおら、剛乃進の袴をずりさげ、
剛乃進がまちぼうけたもので、
剛乃進のご機嫌をなおそうと・・
自らの袴も脱ぎ去り
剛乃進の局めがけました。

が!!

「ん?」
なんだか、うまくはまりませぬ。

剛乃進ももう、覚悟を決めて
あきらめて、師範代のなすがまま・・

「あ、こらっしょ」
「ほいほいっ」
「あ、どっこいしょ」
だけど・・
どうしたことか剛乃進が訪問拒否。
哀れ師範代は門前払い・・・。
「あ。ちょいさ!!」
「そりゃ、そりゃ」
ん~~~~~~?
「こりゃあ、はいらんではないかああああ!!」
なんでじゃ?
あせりまくってるのがいけないのか、
間違った場所につきつきしてる?
師範代・・・
落ち着こうとゆっくり、深呼吸をいたしますと、
剛乃進の局所の位置を確かめようと
尻の谷底をのぞきこんでみました。

「あ~~~~?なんじゃああああ?こりゃああああ?」
剛乃進の巾着袋から、
赤いものがちょっぽりとのぞいております。
どうやら、
それが、師範代の侵入を塞いでいたのですな。

「な?な?なんじゃ?」
剛乃進・・こうなったら、仕方がありません。
「にんじんです・・」
素直に白状するしかありません。

「に?にんじん?」
は~~ん。
さては、またも、まちくたびれて、
俺の代わりのものをつっこんで・・・。
あげく・・
すっぽり、はまりこんでしまった?
「あほ・・・」
まったく、こりない男であるが、
そんなことより、
「早く出して来い!!」
師範代の本物のにんじんも
辛抱最頂点・・・。

まったく、俺の恋敵は大根だったりにんじんかよ?
情けない気分半分。
はやく一発ぬきたい気分半分。

「とにかく、とっととぬきだしてこ~~~い!!」

慌てて、剛乃進。
厠にはしりだしました。

恋敵・・・4
慌てて厠に飛び込んだ剛乃進でありますが・・・。

「う~ん・・」
いきばってみたものの、剛乃進・・。
ふと・・考え込みました。

厠に師範代もどきをぽとりん・・。
それはいいけど・・・。
昔のトイレですから・・・。
もちろん・・汲み取り式で、
上から覗けば
剛乃進が落とした妙な人参が丸見えです。

道場主の夫婦にみられたら・・・。

何やかやと師範代が最初に問い詰められて、
あげく、道ならぬ恋の相手である剛乃進のことまで
露見してしまう。
これでは、
物笑いの種になるだけだと考えつくと
厠に人参を落とすのはやめて
畑に戻ってまいりました。

そこで、改めていきばり、
「う~~ん、ぬ~~ん」
人参を体外にだしおえますと、
猫のごとく、土をかけ、
師範代の元に帰ってきました。

そして、やっと、いちゃいちゃ・・。
うふふふ~~ん。
「やっとこせ、どっこいな」
の師範代の掛け声もすんなりと目的を果たし、
人参では得られぬ感触に
剛乃進もすっかり気をよくして、
「あは~~ん・・」

と、いうことになったのですが・・・。

聡い読者様がお考えのように
このお話がすんなり・・・おわるわけがないのでありますが・・・。

いま、しばし・・・。

お二人のいちゃいちゃりん・・が
おわるまで・・・

お待ち下さい~~~~。

よろしく!!

恋敵・・・5

さて、くだんのおふたりですが・・・。
随分と興がのってるようで・・・。

くいくいおしこみひきこみ、
「あっ・・ああ・・いい~~ん」
くいくい
「あっ・・・は~~ん」
くいくい
「あ・・ん・・剛乃進・・だめになっちゃいそう~~んんん」

*誰ですか?
手抜きだという人。
ちゃいます。コレはあくまでも極限の
性表現です!!
ほんまです!!*

と、まあ、性春を謳歌する二人で御座いますが・・・。

「むむ?」
師範代・・・なにやら、妙な気配を感じ
まどの外に思念を集中しながら、剛乃進をお構いしております。

『なんじゃ?視線を感じるぞ・・・
さては・・・誰か覗いておるな』
失礼な奴だ。
と、師範代。
正確には、物好きな奴だというべきでしょうが・・・。
ジッと覗き込んでいる気配から、
さらに、荒々しい息遣いまで聞こえてくると
流石に師範代も腹が立ってきました。

さては・・・わしらのまぐわいごとを
みながら、不埒なことをしでかしておるな!!

どっちも似たような不埒ではあるのですが・・・。
腹立ち紛れ、そのまま、
師範代は剛乃進を離すと瞬時
まどの側に駆け寄り
障子をあけ、
不埒な覗き魔を殴ってやろうとしました。

「え~~~い!!」
こぶしを振り上げ、ぽかっ!!

・・・・の、ハズでしたが

「い~~た~~い!!」
悲鳴を上げたのは師範代の方で
よくよくみれば、
師範代のこぶしを見事にキャッチした
覗き魔だったのですが・・・。

「あ~~~ん?」
その覗き魔・・・。
師範代のこぶしを
ぱくりと口でキャッチ!!

あん?
憂生?
よた話しもいい加減にしろよ?って?
何処の世界にこぶしを口でキャッチできるやつがいるか?

いるんですな・・。

この場合・・。

「ぶほっ・・うひひひひ~~ん」
と、雄たけびをあげながら、
まどから首を突っ込んだ覗き魔は師範代にくいつく、くいつく・・・

「え?」
なんで・・?
なんで、我が愛馬にくいつかれなければならないんだ?

慌てて止めに入ってきた剛乃進をみた覗き魔・・いや、
覗きう魔・・・。
「うひひひ~~ん」
と、やおら、剛乃進にフレーメン。

「ソレって?おい?」
あんぐりと口をあけたまま、
驚いた師範代。
フレーメンは馬の求愛行動でございまんがな・・。

「おい?
おまえ?
なんで、また・・
剛乃進をみそめちゃったのか?」
さっき馬乗りで剛乃進を構った所を
見ちゃって
剛乃進を雌馬と勘違いしたのか?

だけど・・・どっちにしろ・・

『俺の恋敵は
大根に人参に馬?』

そんなことより・・・、
「師範代・・・助けて下さいよ~~」
覗き馬めは
剛乃進にべっちょりはりついて・・・。
窓から入ってくる勢いでおります。

「師範代・・まさか?」
覗き馬めの胴から、
にょろりん、にょろりん
のびているものはまさに
極限の欲求行動・・・。

「こ、こ、こ、このままでは・・・
剛乃進・・・馬におそわれます!!」

「こりゃ!!
人の恋路を邪魔する奴は
馬に蹴られてしんじまえ!!」

必死の説得が馬に通じるのかどうか?
馬耳東風とも、
馬の耳に念仏ともいいますからな・・・。

まあ、せいぜい、頑張ってください。

しかし・・・・。
いったい、なんで、こんな恋心を急に
馬めはもってしまったのでしょうか?

謎解きは次回にまわしますかな・・・。

恋敵・・・終

さて、お待たせしました。

剛乃進にむしゃぶりつく
馬めから、
なんとか、剛乃進を奪取しますと、
師範代もやれやれ・・・と一息つきましたが・・・。

しかし・・・?

なんでまた?
馬めは、剛乃進に対してその気になってしまったんでしょうか?

「おまえ、なんか、やらかしたか?」
と、いったって、剛乃進は
馬とマトモに顔さえあわせてない・・・。

「しりませんよ・・だいいち、さっき外に行った時だって、
馬は居ませんでしたよ」
「ん?」
そういわれれば・・・。
窓の側まで来れるという事自体おかしなことで・・・。

「あっ」
思い出しました。
窓から剛乃進を覗いたら、
帰るとか帰らないとか、すねてたものだから、
師範代は慌てて剛乃進を宥めに控えの間にはいってきたのですが・・・。

その時に
馬をつないだ覚えがありません。

裏庭につながれもせず
自由に歩きまわれた馬めは
そこら中ほっつきあるいて・・・。

「ああっ!!」
師範代の大声!!
「どうしました?」
「いや・・・確か師範が畑に
人参を植えていた・・。
そだ・・。お前が変な事に使った人参だ!!
そいつをあいつが・・
全部くっちゃっただろうな?」
当然のことであろう。
大好物の人参が列を作って
生えているのである、
わが身はたずなを括られず自由そのまんま・・。

「たべてるでしょうね・・・」
「お前、厠にいったんだろ?
その時に馬めに色目をつかったとか?
そんなことやってない?」
疑うに事欠いて、なんちゅうことを言い出すんでしょ!!
「師範代!!あんまりですよ・・」
「じゃ・・なければ・・」
う~~~む。
考え込んだ師範代の横で剛乃進、はたと手をうちましたな。
「あれかなあ?」
「あれ?」
「いえ、実は例の人参は厠におとして師範夫婦にでも
見られたらいけないと思って・・・。
畑に戻ってそこで、ひりだして、
土をかぶせておいたんですよ・・」
「・・・う・・む」
「そいつを馬が畑の人参を食うついでに
みつけて、くっちゃって・・・」
判らないでもない。
その人参は特別な人参で
剛乃進の特殊な思いと特殊な粘液がからみついているもので、
いわば、
誘淫フェロモン、ぬったくり人参なわけだ。
それを馬めが食っちゃったら・・・。

「なるほど・・・」
それで、馬めが欲情して、
あげく・・
わしを目の仇
いや、
恋敵にしおって・・。

師範代の謎が解けたのは良かったようですが
どうにも、馬めに布告しておかねば
いかぬようで、

窓を開けて
切ないまなざしを向ける馬めに言いましたとさ。

「馬鹿野郎~~~!!
剛乃進はおれのもんだ~~~~!!
お前の出る幕じゃねえ~~~~~!!」

師範代の気はすんだようですが、
何が悲しくて
馬相手に恋人の取り合いをしなきゃなんないんでしょうね・・・。

でも、
もっと、悲しい事態は
師範代の帰路でしょうな・・・。

馬の背に乗せてもらえないどころか、
師範代命からがら・・。

だって、馬めは蹴りいれてくるんすよ!!
だって、いったじゃな~~い?

「恋路を邪魔する奴は馬にけられちまえ!!」って・・・。

               おしまい!!

師範代 ~~★新之助シリーズ第6話

剛乃進である。

あれから、師範代と
妙な仲になりたいという
困った欲望を
妙なところがうったえるのである。

「う~~ん」
なんだか、妙にもよおしてくるのだが、
剛乃進を慰める師範代は
まだ、あらわれそうにない。

「なにか・・・」
師範代の変わりになるものはないものかと
剛乃進はあたりを見渡した。

が、ない。

道場の師範代の控えの間で
剛乃進はさっきから師範代をまっているのだけど・・・。

「はやくこないかなあ・・・」

まったく、その気になった男は一途というか、
酔狂というか、
閑というか・・・。

「まだ・・・かなああああ」
師範代の部屋の戸をあけて、外を見てみた剛乃進である。

そこからは道場の裏門が見える。
そして、道場の裏には畑がある。
そこをつっきって師範代が
こっそり、剛乃進と逢引しにくるはずである。

が・・・。

「ん?」
畑にはやっと、おおきくなりだした、大根が並んで、はえている。
それを何気なく見ていた剛乃進であるが・・・。

「むふっ」
待ちくたびれた剛乃進は良いことをおもいついたのである。

師範代・・・2

剛乃進。
畑に飛び降りますと
大根を引っこ抜きます。

「でけええなああ」
つぶやくと
小刀をとりだし、
なにやら細工をはじめました。

なにをしてるのか?って?
さ~~?
だけど、剛乃進は非常に熱心です。
そして、
また、なにかつぶやいてますな。
「うふっ・・師範代の・・こんなものだったかなあああ?」
まあ、聡い読者の皆様は
剛乃進がなにをつくりあげたか、
すでに察しがついてらっしゃることでしょうので、
あえて、説明はいたしません。

そして、出来上がったものを
手に持った剛乃進が再び控えの間にはいってきました。

いよいよ・・・。
「細工は流々。しあげはごろうじろ・・」
と、細工物を実用してみようと思う剛乃進ですが・・・

だけど・・・。
「こんなことが、師範代にみつかっちゃあいけない」
だからこそ、おおいそぎで、はかまをずりさげ
さっきから、
妙な刺激をくれと訴え続けてる局所に
「師範代のものとおなじように細工した」大根を
あてがいました。

師範代・・・3

サイズがよかったのか?
剛乃進がその気になりすぎてたのがよかったのか?
大根は剛乃進の局所にするるとはいりこみますと、
なんだか、
非常に具合がよろしい。

「んふ・んふ・んふ」
なんて、ご機嫌で大根をうごめかしている剛乃進であります。

があああああああああああああ、
いっておきますが、
この男、つくづく・・・・「あほ」・・です。

「んふ。んふ・んふ・・」
小気味よさそうな声を上げていたのも
つかの間。

「うえ?ぐ!ごわあああああああ!!」
大根おろしをたべる方はご存知でしょうが、
おろしたての大根はそうでもないのですが、
しばらくして、もう一度、箸をつけると
辛くなって、口がひりひりするってこと・・・。

これが、剛乃進の局所の中でおきたのですから、
たまったもんじゃない。

「ひえ~~~。辛い・・・しみる~~」
と、あわてて、大根をひっこぬき、
床にうずくまること、しばし・・・。

そこに裏木戸があく音。
「や・・・・やばい・・・」
師範代がきちゃった。
剛乃新はあわてて、身住まいをただすと、
「こ・・・これ・・・どうしよう?」
手に持った大根・・・いや?
師範代もどき?
みつかったら、やばい!!
ど・・・ど・・・ど・・・
どうしよう?

「か、、、かくなるうえは・・・・」/ご想像におまかせします。

憐れ、剛乃進。
下の口も、上の口も・・・・。
ひりりりりり~~~~~~。

しびれたお尻と
しびれた口で
師範代を迎えることになりまする。

そんなことなぞしらず、
師範代は部屋にはいってきますと、
剛乃進がなまめかしくねそべり・・
「いらっはひ~~~ぃん」
と、妙な鼻声が、いと、なまめかし~~~~~。

師範代・・・4

剛乃進にすれば、痺れたお尻とお口のせいで、やむを得ずに
「なまめかしく」なったのでございますが、
師範代にすれば、
「その気充分」の剛乃進としか映りません。

「そか・そか」
なぞとご機嫌になるのは、世の男の常でございますから、
早速と師範代は剛乃進を丸裸にひんむいてしまうと、
自らも着物を脱ぎ散らかし
「待たせたの」と挑みかかってゆくのですが・・・・・・・。

やっぱし・・・。
想像できてるよな~~~~?

「ふん・ふん・ふん」
ご機嫌な鼻息で妙な動きのリズムをとっていると
剛乃進のなまめかしい声が上がってくる。
もちろん、これも、剛乃進にすれば
なまめかしい訴えではない。
『ひっ・・・し・・・しみるよ~~』
と、いうことなのですが、
まさか、そんなことを言うわけにもいかず
「ひぇ~ふぇ~」
と、叫びまくってるのですが、
師範代は
『ま、剛乃進なら、そんなもんだろ』
女を相手になにかなさってるわけではないので、
女性特有のあの・・・・声は期待できない。
だけど、
『ちと、やかましいの』
うるさい口をふさぐついでに
口吻でもしてやるかと、
師範代は剛乃進に口をくっつけて、
『ふん・ふん・ふん・・・』
剛乃進の局部に与える動きに専念しだしたのです。が・・・・・・。

「?!」
な・・・・、なんだか、口がぴりぴり・・・?
「え?」
師範代の大事なところもなんだか・・・ぴりぴり・・・?
「え?え?・・・」
なんて、ちょっと妙だと思っていたのも束の間。
「ぶわああああああああ~~」
粘膜部分に辛みが到達してしまったようです。

あわてて剛乃進を突き放す師範代の顔が真っ青になっている。
「お、おまえ・・。な・・・なんか、悪い病気になっていないか?」

『あは、やっぱ、ばれちゃったんだね』
なんて、剛乃進、のんびり構えてる場合じゃない。
師範代の顔色はまっさおだぞ!!

師範代・・・5

師範代の真っ青な顔をみたら、やっぱり、本当のことを言うしかないと剛乃進も覚悟しますが・・・。
読者さまには非常にもうしわけないのですが・・・。
剛乃進、まだ、お口がしびれてます。
師範代は無論、皆様にうまく通じるかどうか・・・。

「あはは、そりはちらうんです。しはんらいがくるのら
遅くれ・・つい・・くちはびしくなってしまたんれすよ」
「なんじゃ?口さびしくなった?それで、なんで?こんなにぴりぴり?」
「あはは・・。そりは、らいこんれす」
「大根?」
まともに口の利けない剛乃進の説明を聞いているのも面倒でございます。
師範代はわずかなヒントから、剛乃進の行動をおしはかります。
『そうか、わしをまってる間にひもじくなったということか。
それで、裏の畑の大根を食った・・・。ふむふむ』
と、ここまでは容易に推理できますが・・・。
「じゃが?なんで、あっちゃのほうまで、ぴりぴりしておるのじゃ?」
「そ・・そりはれすね~~」
剛乃進にすれば、それを一番いいたくなかったのである。
が、もうし方がない。
「れすから~~~。まちくらびれて~~。らいこんをしはんらいの~~かわりにしれ~~」
「はい?」
どうやら、口さびしかったのは、別の口もだったのかと
師範代も得心しました。
「あほ・ばか・・・うふふ・・」
師範代が怒るとおもいきゃ、なんだか、うれしそうでございます。
まあ、妙な男心ともうしましょうか・・・。
『うふふ・・・わしがことをそんなに恋しかったか・・』
と、言う心理なのでございましょう。
が、師範代・・・この男こそ、あほです!
気がついてない事実を話すべきか、
知らぬが花といいましょうか?
ちょっと、そのまま、様子をみつづけてみましょう・・・。

「あほう・・・ばか」
剛乃進のまぬけ加減を思うとどうしてもその言葉しか出てこない師範代です。
だって、考えて御覧なさい。
食べた大根がぴりぴりしてると判ってるのに、
なんで、そんなものを***につっこんじゃう?
馬鹿としかいえない。
あほとしかいえない。

で、師範代はその問題の「師範代のかわり」をみてみたくなりました。
「俺の物と比べてみせてやる。みせてみろ」
まあ、本心は『俺のよりでかく作っておるまいの?』と、いうところでしょうが・・・。

師範代・・・6

「え?」
あほ。馬鹿。と大笑いする師範代だったので、
ここは、もうこのまま、話が流れてゆくと
ほっと、胸をなでおろした剛乃進だったのですが・・・。

『師範代のかわり』をみせろといわれても、
すでにそれは、剛乃進の腹の中。
このことこそが
本当にいいたくない、極地なのです。
事実を隠蔽するために
あらぬところにつっこんだ大根を
たべたなんて、いいたくない。
まして、悲壮な覚悟でたべたのです。
せっかくの努力?が水の泡になる。

なのに、師範代。
「こりゃ、みせてみろ」
なんて、妙に楽しそうです。

し・・・しかたがない。

「じつ・・・は・・、そんらことがしれたら、きらわれりるとおもっへ・・」
どうも、そのことで師範代が剛乃進を嫌いになったりはしないと安心はしました。
「で、ひょうこをかくそうとおもいまひて・・」
「ん?証拠?あはは・・・。それがみてみたい。
どこに隠したんじゃ?みせてみろ」
さ、ここが問題です。
でも、うじうじ、とおまわしにいってみても、結果は同じ。
「たべちゃいまひた」
「あん?なんだ・・・?」
そうか。それは絶好の隠し場所だ。
木は森の中に隠せ。
食えるものは胃の中に隠せ。
見事な兵法であるといえる。

なるほど。なるほど。
剛乃進の策士ぶりに関心しているのもつかの間。
師範代、ふと・・・。

「まて・・」
突っ込んだものをくっちゃったんだよな?

「俺は・・・」
「はひ?」
「その大根をくった・・・」
「はい・・」
「お前の口に・・・チューしちゃったってことだよな?」
「は・・・い」
「それって、つまり・・・・・」

事の真実に気がついた師範代。
本当に真っ青になったとさ。

              終わり。

追記。
剛乃進がまっさおになった師範代を慰めているようです。
「あ、いのひにはべつじょうないれすよ・・。
ね、ね、ね、しはんらい。
これれ、わらくしとしはんらいは
めいじつともに臭い仲~~~~」

             おあとがよろしいようで・・・・。

剛之進 ~~~★新之助シリーズ第5話

やっぱし、物語?になるんだよな。

つ~~ことで。

「剛之進」
いきます。

剛之進・・・・・その1

題名が剛之進で有るに、関わらず
新之助である。
出仕が叶い、新之助は殿の傍役として、
重鎮にあたいする存在になったのであるが・・・。

今日は久方ぶりの連日非番の初日である。

しばらくぶりに道場に顔をだしてみようと、
出向いた新之助である。
で、あるのに、
「あれ?」
誰も居ない。

う~~~ん。
よくよく、考えてみれば
今日は出稽古だと師範代がいっていた気がする。

それでは、仕方が無い。
新之助は一人で素振りをしてみたり、
黙想をしてみたり、
今で言う
ストレッチをしてみたり、
とにかく、皆が帰ってくるのを
待つことにしたのである。

出稽古とはいうものの、
簡単に言えば他流試合である。

その試合ぶりがどうであったか、
他流の技がどうであったか、
新之助は聞いてみたいのである。

いろんな事をしながら、
ひたすら、みなの帰りを待つ新之助であるのに、
皆はどうしたことか、
ちっとも、帰ってこない。

さては一献かたむけているのだろうか?
そうだとすれば、
それは、とてつもなく良い試合をしたということであろう。
ならば、是が非でも其の話を聞かねば成らない。
都合の良い事に明日も休日である。
時間はたっぷり新之助の自由である。

外もとっぷり暮れると、
新之助は暗い道場に独り座ってみた。
皆の声が
足音がすぐ聞こえるようにと。
そして、
新之助はただじっと、まつことにした。

ところが・・・。
道場の外に人の気配がする。
でも、それは、皆じゃない。
暗い道場に
暗い外から顔を/たぶん/覗かせた
其の気配の主は
道場の中の暗い塊に声をかけてきた。

「しんのすけ~~~」
な?
なんと。
聞き覚えのある其の声は
まちがってもこんな所に
現れることの出来ないはずの御仁である。

「と・・・との?」

新之助を周知の皆様であれば、
殿のあるところ、
無事に事がおさまらない。
なんてことはこの物語において常識の範疇であろう。

「ど・・・どうなされたのですか?」

「だって~~~。しんちゃんにあいたくて~~~」

なぞと、またもなまめかしく、新之助に
すりよってゆく殿であれば、
この先、
人気の無い
この道場の中でおふたりが
どういう進展をみせてゆくか、
これもまた、
暗黙の常識である事も
いわずもがなであろう。

剛之進・・・・2

暗い道場の真ん中でお二人さんが
えっちらおっちら、何事かに執心なさってる余り、
外になんだか、人の気配がすることなんか、
さっぱり、わかりゃしない。

あらぬ声をついつい、もらしてしまう新之助に殿は
もそもそと、ささやきかけているが、
このさい、
なんといっているかは・・・・。
気になる?

ま、でも、今回はそんな二人の密かな会話?を聞きにきていただいたわけではない。

題名が示すとおり、
いちおう、主役は剛之進・・・の、筈である。

で、あるので、
道場の外の気配はやはり、剛之進ということになるのであるが、
それだけでは、役者がたらないので、
師範代に友情出演をしていただくことになるのである。
が・・・。

この先の師範代と剛之進の熱い?怪しい友情が
ここから、はじまってゆくとは、
夢にも思わぬのである。

師範代と剛之進・・・やっと、出稽古から帰ってきて、
道場に竹刀をおさめにいくことにしたのである。

え?
他の仲間?
それ、そこが、都合のいい展開というか、なんというか。
皆は剛之新と師範代に片づけを任せておけといわれた言葉にあまえ、
それぞれ、帰宅の途についたのであるよ。うん。

だから、竹刀を抱えもち
道場にやってきたのは、師範代と剛之進だけだったんだ。

ところが・・・。

「ん?」
剛之進がたちどまって、疑問符をつぶやいた。

師範代も剛之進の疑問にすぐさま気がついた。

道場の暗闇の中だろう。
変な声が外までもれきこえてくる。

それなりに経験豊富?なふたりであれば、
その声がどういうてあいのものか、
直ぐにわかる。

「ふ・・不届き者が・・・」
「神聖な道場で、なんといううらやましい事を・・」

・・・・ん?

多少私感が混ざったものの、
二人は
竹刀の中から、
木刀をぬきだし、
道場の中のばか者をこらしめてやろうと
意気投合したのである。

剛之進・・・3

剛之進と師範代。
忍び足で道場にはいりこむのであるが、
洩れ聞こえてくる変な声と
男のささやきが気になって仕方がない。
クダンのふたりに悟られないように
そっと息をひそめて、ちかよってゆくのは、
どうやら、おふたりの変な声を
ききもらすまいという
妙な嗜好もあるようである。

暗闇に慣れ始めた目は
道場の真ん中で一塊になった、
黒い影を認めるのであるが、
なんだか、
変な声は通常の変な声とは
異質なのである。

『な?なんじゃ?』
剛之進も師範代も同じ事を思ったに違いない。
暗闇の中の影の正体に目をこらすのか
師範代の動きが止まると
やはり、剛之進が感じた疑問を
師範代も感じていたのである。
剛之進に小さな声で
「剛之進。あやつらは、男同士ではないのか?」
変な声も確かに男の声であるが
黒い影が描く輪郭は
やけに無骨でたくましい。
「はい。私もそう・・・おもっておりました」
なおも正体を見極めるかのように
二人は二人を観察しつづけたのであるが、
「ふむ・・・やはり、そうだの」

なんたることであろう。
神聖な道場でうらやましい・・・いやいや、
不埒な行いを遂行するはよいとして、
いやいや・・・
よくないが、
其の快さに浸りあうのが、男同士である。
「なんという、すきものであろうか・・・」
いやいや・・・。
そういう事に感心している場合でもない。

「よほど、相手にことかき・・・」
「よほど、適切な場所がなかったとも・・・」
ひとつになって、もつれ合う黒い塊の
嗜好と選地をはかってみてもしかたがない。

正体を見極めてやらねばならぬ。
ぶん殴ってやらねばならぬ。

そんな気持ち半分と
覗き半分とで、にじりよってゆくふたりであるが、
近寄れば近寄るほど
其の黒い影がかもし出す雰囲気に・・・。

「なんか、煽られちゃいますね」
「男同士というのも、よさ気だの」
などと、
協賛する興味がわいてくるのであるから、
この二人の
武士道もあまり、上質のものと
いえないようである。

剛之進・・・4

師範代と剛之進。
一つになった塊に
にじりににじりよると、
「そりゃああああああ」
暗闇の中で二人を取り押さえたのである。

が、
そこはそれ。
やはり、殿である。
幼き頃からそれ相当に武術もこなしてきているのであるから、
ぬけさくふたりの
どうま声に異変を察知するや、いなや、
新之助をほっぽりだし、
すたこらさっさと、にげだしていくそのみのこなしの
素早い事、
本当にあのごくらくとんぼの殿であるのか?
と、
書いてる筆者もこの設定にかなりの都合のよさを
感じぬでもない。

「むむ、にげられたか・・」
道場の戸口に黒い影がきえてゆくのが、みえたきがする。
「まあ、良い。もう独りはとりおさえておるわい」
なんだか、もう一人は丁度よい気分になりきったところらしく、
蛸のようにぐにゃぐにゃとふんのびているから、
逃げるどころでなかったようで、
とりおさえたという言い方も正解ではない。
「はああ?こら、面をみせてみろ」
師範代の言葉にやはりしたっぱである剛之進が灯りをとりにいくことになる。
師範代は闇になれた目で
闇の中に浮かび上がる男の半穴を木刀でつついてみた。
「女子に相手にしてもらえぬからとて、
男なぞに妙な事をする奴も
する奴だが・・・」
それにそれ相応に感じ入っているお前も奇妙な奴よ。
「ふむむ・・・」
師範代の心の中にわいてきたのは
ちょっとした、悪戯と好奇心だった。
『そのような場所になにか、つっこまれて、
気持ちがよいものなのだろうか?』
むろん、突きこまれていたほうは、師範代の前でかくのごとくと
ふんのびているのである。
『つきこむ方もおもしろいのだろうか?』
大の男がふんのばすくらいに「おかまい」をしているのだから、
おもしろいのであろう。
「どりゃ」
師範代はなにかで試してみようかとおもった。
だけど・・・。
なにも、ない。
あるのは、手に持った木刀だけである。
『ウムム・・・まあ・・・これでよいか・・・』
し・・・師範代?
それは、ちょっと・・・。

剛之進・・・5

だけど、こらしめ半分
興味半分。
師範代は男の半穴の谷間にむけて、
木刀を
ぐいっ!!

悲鳴が返ってくるとおもいきや、
「あふ~~ん~~」
なんて、妙な反応がかえってくると、
なんだか、師範代もおもしろくなってきた。

「こりゃ、気色の悪い奴め、こんなものでも、いいのか?」
師範代はなじりとともに、木刀をつきつき~~!!
そこに、剛之進がかえってきた。
灯りの中に、背を見せた男がいる。
その白いでん部に師範代が木刀をつきつき~~~!!

実に奇妙な光景であるが、
男の反応が妙にいろっぽい。
「き・・・気味のわるい奴ですね・・・」
「ふむ。じゃが、おもしろい」
「そのようですね・・・」

二人は正体を確かめる事も忘れ
つきつき~~~~。
「あ、かわってください」
「よっしゃああ」
と、変わりばんこに男をつつきまわすのであるが・・・。

おい?
神聖な道場であんたたちも
いったい、なにをやりはじめているんだ?

そのうちに、なんだか、男に対して
妙な愛着がわいてくるのは、
男が妙な行為にかわいく?反応するせいだろうか?

「ふむむ。まあ、おしおきは、このくらいにして・・・」
おしおきになっていたのかどうかはこのさい不問にして。

「いったい、どこのどいつだ」
なんだか、かわいい奴めと顔が見たくなったのが本音であるが・・・。

「剛之進。そいつをひっくりかえせ!!面をおがませてもらおうじゃないか」
面倒な役目は直ぐ私におしつけるんだから、嫌になると、思いながら剛之進は
息絶え絶えに悶絶する男をひっくり返して見た。

!!!!!!!

「し・・・・し・・・・・」
「え?あ?」
「しん・・・しん・・・」
しん・・じられない?
しん・・・じゃった。
そうじゃない!!

二人の声が揃った。
「新之介~~~~~~~????」

嘘だろ~~~~~。

剛之進・・・・6

木刀相手にふんのびきった酔狂な御仁が
新之助だとわかると、
剛之進も師範代もまっ青である。
「まずいですよ。師範代~~~」
なにが、まずいといったって、
この新之助は
こんな恥さらしをやってのけているが、
これでも、れっきとした
家老の嫡男なのである。

最初の男の行為が狼藉にあたるかどうかを詮議してみても、
新之助にすれば、新之助の意志であったことだろう。
へんてこな行為をたのしんでいたとはいえ、
これも、新之助のプライベートであり、
余人がかんよするべきことではない。

なのに~~~。
「こんなもので・・・つつきまわしちゃいましたよ~~~」
手に持った木刀がうらみがましい。
「こんなものさえ・・・もってなければ・・・」
いや・・・。問題はそんなことじゃないんじゃない?

「我々がやった事は暴行であるのかのお~~」
それを暴行と決めるか、
お遊戯ととらえるかは、
新之助の判断と感情しだいであるが・・・。

「こんなもので、つつきまわしたと、ばれちゃあ、
新之助だっておこりますよね~~~」
なんだったら、怒らないっていうんだ?
と、突っ込みをいれたくなるが、
二人の話は核心からどんどん、外れていきそうである。

「いや・・・。それより・・・」
新之助を見てみれば、あいかわらずふんのびているのである。
「新之助はきがついておらぬ・・・」
「そうですね・・・」
三十六計、逃げるにしかず。
なにも、事実を暴露する必要はないじゃないか・・・。
「ここは、なかったことに・・・」
「みなかったことにしましょう」
こういう姦計だけは、さっさとまとまるんだから、
あんた達のタッグってのは、ある意味すんばらしい、コンビネーションではないのだろうか?

結論がまとまるとそののちの
動きの早い事、
道場の入り口にさも、中までは、はいってませんと、
道具をおいて、
ふたりは、トンズラしたのである。

そのうち、目覚めた
新之助・・。
「う・・・寒い・・けつが寒いぞ・・」
それもそのはず、
新之助は、
道場の板の上に半穴むきだしのままであった。

剛之進・・・・7

「でも・・・」
かんがえてみれば、たしか、殿があらわれて・・・。
いつものごとく、
殿の術中にしっぽりはまりこんで・・・。


なのに、殿の姿はない。
夢でない証拠は新之助の半穴むきだしが
如実すぎる。
「も~~~。ご自分だけが満足なされたら、
さっさと、帰っちゃうんだから~~~」
と、責める言葉がにやけてくる。
だって、
新之助もそれ相当に満足したんだから、
「ま、いいか~~」
殿はやはり、殿。
城中をぬけだして、こんな所に
いつまでもいるわけにはいかないし、
なによりも、
新之助に逢いにこっそり、城をぬけだしてきてくれたんだ。

今頃は何事も無かったように
広間に座っていることだろう。
あと、1日。
非番がおわるまで、おとなしく、待っててください。
心の中で殿におねがいをすると、
新之助は辺りをみわたしてみた。
あれから、どれだけ、たったのか、よくわからないが、
道場の皆はまだ、かえってきてないようだ。
「う~~~ん。
とまりこみかなあ?
明日も試合だといってたよなあ」
そうなのかもしれない。
だったら、
明日、もう一度でなおすことにしようと、
やっと、新之助は半穴のむきだしのおしりを、
袴の中におさめた。
そして、暗闇の中、
道場の入り口にあゆんでいった。
「あり?」
はいな。
ありますがな。
「稽古道具だ・・・」
入り口の横に無造作に置かれた
竹刀や木刀。
「え?いつ、かえってきたんだろ?」
皆は新之助に気がつかず
道具をおくとかえってしまったんだ。
「・・・・・」
このさい、きっと、見つからなかった事が
良かったといえる。
半穴の新之助を見つけられたりしたら、
どう、言い訳をすればいいんだろう。
「よかった~~~」
何も知らないことほど
しあわせなことはないのである。

自分の身におきたことも、
剛之新と師範代の目の中に映ったことも
なにも、知らず、
新之助は帰途についたのである。

剛之進・・・8

朝はやくから、おきだして、新之助は
今日は練習試合についてゆこうと、
身支度を整えていた。

なのに~~~~~。

「しんちゃ~~~ん」
垣根のむこうから、
殿が呼ばわる。

「あれ~~~。どうなされたんですか?」
「う・・うん」
なんだか、奥歯に物が挟まりきった、返事も無理がない。
殿にすれば、昨日、狼藉物の侵入に
新之助をほうりだして、にげだしてしまったことが、
やましいのである。
やましくもあるが、
新之助がどうなったか、心配でもある。
たまらず、新之助の家にきてみれば、
新之助は怪我一つもない様子。
安心すると、
今度は、新之助がおこってるのではないかと、
うかがい顔になってしまうのに、
新之助は何事もなかったように、
にこやかである。

「大丈夫だったのか?」
まあ、同じ道場の仲間のことだから、
新之助がひとこと、
「新之助だ」と、宣言すれば、
無茶な事はすまい。とは、思った。
だが、
二人のいざなぎ事はどうにか、うまく、ごまかしても、
もうひとり、誰か居ただろう?
何者だ?
何故、逃げた?
と、といつめられたことだろう?
新之助はその窮地をどう、きりぬけたのだろう?
殿であると、いいはなってしまったのだろうか?

そんな風に心配がいっぱいからまって、
殿はやもたてず、新之助にあいにきたというのに、
新之助は、
きょとんとするばかりである。
どうやら、本当に無事に一件落着どころか、
一件の物議もかもしだされなかったようである。
「ふむ・・・ならばよいが」
得心するとなんだか、気楽な新之助が憎たらしくなってくる
殿をこんなに心配させおってからに、
平気のへいざえもんで、
その上、
「なんだ?どこかにでかけるのか~~」
と、殿ったら、
わが身のつれなさをたなあげにして、新之助が
どこかに行く様子がおもしろくなくなってきた。

「あ、久しぶりに遠征試合なのですよ・・・」
「やだび・・」
え?
どうやら、殿は新之助をひとりじめしたいようである。

剛之進・・・・9

結局、新之助は殿に城に帰るように説得しなければならなくなった。
「みんなが探していますよ」
「いやじゃ」
「今日は殿中評議があったでしょう?」
「うむむ・・・あとにするわい」
「抜け出たのがわかったら・・」
「誰がわしをしかるという?」
「・・・・」
「とにかく、いやじゃ」
まだ、何もいってませんって。
「それでは、私が殿を城におくってゆきましょう」
「うむむむ・・・」
殿は考えたね。
そうすれば、新之助はもう、遠征試合に
いけなくなるだろう。
ようは、新之助がよそをむかなきゃそれでいいのである。
「わかった」
じゃが、その前に茶をのませてくれ。
ようやっと茶を飲み終えて歩き出し、城下にはいれば、
「おっ?だんごがくいたい」
と、出店の縁台にちゃっかりすわりこみ、
しっかり、時間稼ぎをして、
新之助があとから、道場仲間を追いかけることを
あきらめざるを得なくするのである。
『ああ~~あ。も~~~~~。結局、結果報告を聞くしかないってことかああああ』
新之助もあきらめたけど、
「殿。もう、ぬけだしちゃああだめですよ」
「うん。うん」
団子をほおばりながら、うなづく殿であるが、
昨日の事もある。
ここは、ひとつ、新之助も嘘でかためておくことにした。
「私は夕刻から、書写するものがございますから、
家におりますゆえ・・・」
ここが、朴念仁の新之助のあんぽんたんである。
わざわざ、ききもしないのに、そんなことを言うところが
おかしいと、殿はしっかり察してしまうのである。
だけど、
「うん。わかった。殿も読み物があるゆえ、夜は
居室におとなしくしておるしかない。安心せよ」
これが、融通の利かない新之助でなかったら、
ははあ、つまり、殿はこもりきりになるから、
居室からいなくなってもわからない。
だから、新ちゃんまっててね。
との、言下であると、わかるのであるが・・・・。

「では、あしたは、出仕いたしますので・・・」
と、殿だって、わかってることを
わざわざ、念を押し、
新之助はようやっと、殿を城に送り届け、
殿は殿で門番を平身低頭させて
「主家がぬけでても、わからぬような、見張りで、警護があまいではないか」
と、得手勝手な叱責をぶつと、
城の中に入っていったのである。

剛乃進・・・10

そして、新之助・・・。
自宅にもどってみた。
だけど、今からでも道場仲間を追いかけてみようかと、思い直す。
すこしでも、試合を見れるかもしれない。
それがいいと、
家を出て門の前に立った。
だが・・・。
「だめだ」
つい、言い逃れで書写をしますといったことが思い出されたのである。
もしも、殿がそれをみせろといったら、どうなる?
う・・・。
嘘をついてしまうことになる。

つくづく実直な男である。
新之助は家に入りなおすと、
書写を始めるのである。
「やはり、皆が帰ってきたら、話をきくしかないのかああ」
残念であるが、仕方がない。

やつ時に書写をすませると、
新之助は大きな伸びをした。

うん。
これで、嘘つきじゃなくなる。
夜に・・といったことにはいささか、
やましさが残るが、
まあ、いいと、新之助は再び道場に
向かうことにした。

連日の遠征試合であれば、
今日は皆も早く帰ってくるだろう。
そう思った、新之助のあてが外れるのである。
昨日と同じ状況で
新之助はまた、待ちぼうけである。

「やだな・・・。昨日とおなじじゃないか・・・」
そう。
そして、
もう少ししたら暗闇のむこうから、
「しんちゃ~~~~~ん」

・・・・・・。
でた~~~~~~~~!!

「殿!!」
「うふふふ・・・」
殿が現れたのである。
やはり、
きっと、ただごとですむわけがないのは、
いうまでもないのである。

剛乃進・・・11

暗い道場の真ん中でお二人さんが
えっちらおっちら、何事かに執心なさってる余り、
外になんだか、人の気配がすることなんか、
さっぱり、わかりゃしない。

あらぬ声をついつい、もらしてしまう新之助に殿は
もそもそと、ささやきかけているが、
このさい、
なんといっているかは・・・・。
気になる?

ま、でも、今回もそんな二人の密かな会話?を聞きにきていただいたわけではない。

題名が示すとおり、
いちおう、主役は剛之進・・・の、筈である。

で、あるので、
道場の外の気配はやはり、剛之進ということになるのであるが、
それだけでは、役者がたらないので、
師範代に友情出演をしていただくことになるのである。
が・・・。

この先の師範代と剛之進の熱い?怪しい友情が
いよいよ、ここから、はじまってゆくとは、
夢にも思わぬのである。

師範代と剛之進・・・やっと、出稽古から帰ってきて、
道場に竹刀をおさめにいくことにしたのである。

え?
他の仲間?
それ、そこが、都合のいい展開というか、なんというか。
皆は剛之新と師範代に片づけを任せておけといわれた言葉にあまえ、
それぞれ、今日も、帰宅の途についたのであるよ。うん。

だから、竹刀を抱えもち
道場にやってきたのは、師範代と剛之進だけだったんだ。

ところが・・・。

「ん?」
剛之進がたちどまって、疑問符をつぶやいた。

師範代も剛之進の疑問にすぐさま気がついた。

道場の暗闇の中だろう。
変な声が外までもれきこえてくる。
昨日のことがあるふたりであれば、
その声がどういうてあいのものか、
直ぐにわかる。

「ふ・・不届き者が・・・またもや、しょうこりもなく」
「神聖な道場で、なんといううらやましい事を・・」

・・・・ん?

多少私感が混ざったものの、
二人は
竹刀の中から、
木刀をぬきだしかけたが、
さすがに今日はやめた。
そして、建前上は
道場の中で、新之助を自在に楽しんでいる男の
正体をつきとめてやろうと
意気投合したのである。

だが・・・。
建前上といっただろ?

剛乃進と師範代の本音は別のところにある。
恐ろしいことに
この本音が二人とも同じことなのである。

それは、なんだって?
うん。
ここ、千文字だから、次のスレッドに書くよ。

あ?今日のお話かなり手抜きだって?
あ、あはは。

剛乃進・・・12

それがさあ。
師範代も剛乃進も・・・。
『新之助をなんとかできないものだろうか?』
って、変な欲望を持っていたんだ。

昨日、新之助を木刀でつつきまわした挙句
二人の胸の中に沸いてきた思いったら、ろくなもんじゃ、ありゃしない。
『俺の木刀を試してみたい』
って、こういうわけだ。
これは、こいつらがろくでもないすけべのせいばかりじゃない。
やっぱり、ほれ、
あのように、新之助がかわいく反応したことが、
たたってるんだよな。
こいつらばかりを責めるわけにゃあいかないよなあ。
ひょっとして、新之助って魔性の男?
ん?
魔性のおけつ?

ま、いいや。そんなこと。

で、どうにかできないかって、
チャンスがうまいこと、目の前で
咲きまくってる。
このチャンスをのがしちゃ、
ばかだよな?

え?
読手に聞くな?
ん?
思わずうなづいちゃった。って?
あはは・・・。

で、ふたりは、お互いが
相方は
建前どおり打ち合わせどおり
なぞの男をとっつかまえるのだとおもいこんでる。
相方がなぞの男ともみ合ってるその隙に
新之助に不埒なことをしおえてしまおうなんて、
まさか、二人ともが同じことをおもってるなんて・・・・。

どうする?
アイフル~~~♪
策略は計画的にお立てください!!

剛乃進・・・13

こそこそと、ふたりにしのびよる
剛乃進と師範代である。
「いいか。声をだすな。我々が新之助の・・・」
いいまどう師範代である。
「ん・・んんん・・・つまり~~。ほにゃららの場面を
見知ったとばれてもいけないのだ」
「で・・・ですよね?でも、それじゃあ、相手の男の正体をどうやって・・・」
「うむ。ここで、男の正体をしろうとすれば、我々のことも
新之助にばれてしまう」
そこで、一計。
「相手の男の顔に引っかき傷でも、おもいきりつけておくと、いいのではないか?」
「なるほど」
後日、ゆっくり、さがせばいいということだろう。
「でも、また、にげられませんかねえ?」
「逃げるだろう。だからこそ、ひっかくのだ。
かみついてもよいわい。とにかく、証拠になるものをのこして、にがせばいいのだ」
「なるほど」

な~~にか、ぬけおちた計略をたてると、再度もそもそと
二人ににじりよってゆくのである。

ところが、
殿も馬鹿ではない。
「うむむ・・・また、きよったな・・・」
と、かんずいているのである。
今度ばかりは新之助をふりすてて、
逃げるわけには行かない。

「新之助・・・。妙なやつらがしのびよってきおる。
すきをみて、わしがはしりだすから、
お前もそれを合図についてくるのじゃ・・」
「はい?」
「いいから、いうとおりにせよ」
と、こっちも逃げる算段がととのうである。

そんな事とはしらず、
にじりより、にじりより、
『そりゃああああああ』
と、無言で二人に飛び掛った剛乃進と師範代である。
くんずほぐれつで、ひっかきまくると、
敵もさるもの、
猿者か?
逆襲に引っかき、かきむしられるていたらくである。

その二人の目に黒い影が逃げ出してゆくのが判る。
つづいて、その影を追いかける黒い影。

師範代は暗闇の中で
「新之助」をとっ捕まえたまま
『剛乃進・・・その調子でなぞの男をおいかけて、
かえってくるなああああ。
その間にわしは・・・・うふふふふふ』

もちろん、聡い読者様もわかってらっしゃるだろう。

もちろん、剛乃新も暗闇の中で
「新之助」をとっ捕まえ
『師範代・・・がんばって、おっかけていってください。
あ、そのまま、かえってこないでください。
その間に私は・・・・・むふふふふ~~ん』

逃げた影がなぞの男なのは、まちがいがないが、
追いかけていった男はそれぞれの相方ではない。
でも、しあわせにそう思い込み、
とっ捕まえた男を新之助とおもいこんでいるのであるから、
よくよく、幸せな人間の真骨頂であるようだ。

剛乃進・・・14

さて、皆様も思い違いというか。
信じ込んだら、
思い違いをしていることにさえ
気がつかないという体験がおありだろうか?

この二人も
以下のような思い違いのまま、
満願成就とあいなります・・・。
が、
剛乃進、憐れ?
とんでもない悦楽の趣向を知ってしまいます。

『つかまえちゃったもんね~~~』
と、師範代。早速、新之助の着物を
むきまくり、闇夜に白き臀部の谷間めがけて、
『とうりゃあああああ~~~』
と、はいな。
至極ご満悦な状況をてにいれるわけですが。

ところが、どっこい。
剛乃進といえば・・・・。

受けであると思い込んでた新之助が、
やおら、剛乃進の着物を裁き、
ありゃりゃと思うまもなしに、
剛乃進の局部になにか・・・が・・・。
なにか・・・が・・・。
『いた~~~~ィ』
声を上げてはいけないと剛乃進はおしだまって、
こらえるのみである。

望んだ形とはいささか、違いすぎるが
新之助が受身で
妙に気分良くしていたことを思うと
これも、
おなご同様
「そのうち、ようなってくる」
ものなのだろう。

と、剛乃進はこらえたのである。

それが剛乃進と師範代の果て無き雄情になるともしらず・・・。

剛乃進***おしまい***

そして。
ふたりは、それなりに満足しますと、
その場をと~~うとにげさるわけですが・・・。
剛乃進も師範代も
『ふむ。新之助はここで逢引をしたあとは、さっと
わかれてゆくのだな』
と、解釈しますから、やはり、相手を取り違えていたとは、
気がつかないのであります。

次の日。
新之助は登城とあいなりますが、
師範代と剛乃進は
道場で顔をあわせることになります。

「やや?????!」
なんだ、その顔の引っかき傷は?
お互いを見つめ
双方の顔の傷跡を数えだす
剛乃進と師範代であります。

『確か・・・3度はひっかいた・・・』
同じ事を思い直した二人は
その数だけ引っかき傷があるお互いをみつめなおして・・・。

「げ~~~~~~~~!!」

恐ろしい事実に行き当たったのであります。

「し・・・・師範代・・・?」
「ご・・・剛乃新・・・?」

向かい合った二人の口がそろった。

「よもやと、思いますが、
昨日の新之助は・・・・」
「よもやと思うが
昨日の新之助は・・・・」

「うわっつ?」

師範代?
あれは・・・・。
新之助でなく・・・。
「師範代?・・・・だったのです・・・ね」

「う・・・」
すまなさそうにうなづいた、
師範代であるが、

「まあ。よい。このさい、おまえで、がまんするわい」
「・・・・」
黙った剛乃進であるが、
どうやら、悪くはない申し出と受け取ったように思うのは
筆者のふかよみであろうか?

ねっ、師範代?

それってまた、剛乃進にお手合わせしてくれってことですよね??

だけど筆者ちょいと、一言だけ、申し上げておきまする。

「他流試合はほどほどに~~~~~」

                *おそまつでした~~~*

与一~~~!!★新之助シリーズ第4話

与一~~~!!/其の壱
新之助。
今日は殿の弓のお稽古に
同道である。
やってきたのは、
城内のはずれに作られた弓道場。

早速殿に弓をささげ渡す新之助である。

「どりゃ」
みておれ。
あの、的に当ててみせる。
矢をつがえると、
一射!!

「お見事」
新之助の賛辞をききながら、
殿はおもしろくない顔である。

矢は的のど真ん中を見事に射抜いている。
「どうなされました?殿?」
なんで、そんな苦虫を噛み潰したお顔をなされるのです?
「新之助。よくみてみろ」
「はい?」
よくよく、みてみれば、
矢は殿のたつ直線状の的でなく、
三っつ横の的にたっているのである。
「はあ・・」
どう、おなぐさめすればよろしいのだろう。

「しかし、偶然といえど、的にはあたった」
新之助が考え込んでいる間に
つぶやいた殿の一言。

つ・・・つまり。
ま・・・的に当たる事が偶然?

つまり・・・。
殿の弓の腕は
おそろしく・・・へぼ?

だから、こんな人のこない城のはずれに弓道場を
つくったのだ。

新之助はそのあと、
一向に的に当たらない殿の
弓のお稽古を見つめ続ける事になる。

退屈そうな新之助の顔。
あくびまで出てきている。

「おお。そうだ。新之助。おまえも射ってみるか?」
「え?」
実は新之助。
弓などはやった事が無い。
武道はもっぱら、剣術のみなのである。

「やってみようかなあ」
新之助の返事に殿は手招きをする。
傍に来た新之助の手をとり足の位置をおしえ・・・。
殿の身体がやけに新之助に密着して行く。

と、コレがいけなかった。

「ねえ。新ちゃん・・・」
これだ。
妙な呼び方に変わるという事は
殿が
変な気分になってしまった証拠なのである。

与一~~~~~!!/其の弐
「ねえ。新ちゃん」
この言葉は、暗黙の了承事を促している。

だけど・・・。
「殿・・・・。こんなところでですか?」
父上に言われたように
新之助は
誠心誠意、殿に仕え父上の戒めの通り、
シッカリ「殿のお守り」をしている。

ただし、
お守りと、お守を間違えてるようであるが、
この真実をいまさら、新之助につたえても、
すでに、ぬきさしならぬ仲に成ってしまっている。

忠臣であると、
新之助をほめてやるしかないようであるが、
さすがの、忠臣も
弓道場の真ん中で
事をいたすことには、
異論を唱えたようである。

「いいじゃな~~い。新ちゃん。
誰もみてないよう~~」
確かに天守閣からも
雑木が邪魔になって
ここにじかにだれか来ない限り
二人の事件現場を
見られることは無いのである。

そして。
弓がお下手な殿は
誰にも見られたくないと、
ほかのものの出入りを禁じているのである。

その場所に新之助をつれてゆき、
かつ、弓の腕前をあからさまにするということは、
新之助に信頼?を寄せているということでもある。

「ね・・・誰もみてないから~~」
そこまで、言われれば、
新之助もうなづかなければ仕方が無い。

かくなることで、
お二人は
弓道場の真ん中で
しこしこ・・・こしこし・・・
/作者やっぱし、この表現。素にかえります・・・//

やがて、
殿は新之助にとんでもないことを
ささやきだす・・・。

「やっぱり・・・みせたいなあ・・・」
「え?」
「だめかのお?」

二人のこの姿をですか?
人にみせちゃう?

新之助はかんえこんでしまう。
だが、ここは、やはり、忠臣・新之助。
『殿がお望みになることだ。
自身がはずかしいなどと、
私心にこだわるは、
臣下の恥でしかない』

「御意にしたがいます・・・」
涙ぐましい忠心ぶりである。
「それでは・・・早速、明日・・・」
と、殿。
明日?ですか?
そんなに急ですか?
と、たずねたくなる気持を抑え、
新之助はこれも御意にとこたえかえすのであるが・・・。

いったい・・・・。
どこで・・・。

新之助の心を読んだかのように
殿はつぶやく。

「千本桜の桜の馬場がよかろう」
まじ?まじですかあああああ?
あそこは、街道沿いで、
人の通りが多くて・・・。
だからこそ、殿は嬉々として言う。
「大勢の人にみてもらえよう」

確かにみせたいといった、殿である。
見せると成ったら大演幕を張ろうというのも、
殿の豪放なご気性ゆえ。
それはそれで、
殿らしいと、なんだか、いとしくなっちゃう新之助である。

「沢山の人に見ていただければ新之助、
本望でござります」
あっぱれ、新之助。
よくぞ、そこまで、腹をくくった。
と、ほめてやるべき所であろうに、
殿はみょうちきりんな顔をしたのである。

「なにいってんだよ~~~。新ちゃんは関係ないじゃな~~い」

「へ?」

「殿はもう、コソコソしてるの嫌になったんだよね。
もう、皆に弓の腕前をみせてやることにするもんね」

「へ?弓?弓?
弓の話しなのでございますか?」
「ん?そうだよ」
どうも、新之助は見事にカン違いをしていたようである。
「あ。あ。あ・・・そうですか。弓。弓ですね・・・あははは」

だけど、なんだか、新之助が残念そうなのは
なんででしょう?
しっかり、覚悟を決めたせい?
それとも、
殿のお守をするのを、新之助は実は楽しみにしていたとか?

与一~~~~~!!/おわり。
そして。次の日である。

殿は臣下をつきしたがえ、
女子衆をつれ、
千本桜に向かって大行列である。

千本桜につけば、
女子衆は黙ってつったっていればいいが、
臣下達は大変である。
到着するやいなや、
千本桜に的を付けてゆくのである。

まあ、千本桜といっても、
実際に千本もあるわけではない。
けれど、やはり、百本を越す
街道沿いの桜である。
やっと、的を備え付けると、
殿は弓を持ち
きりりと弦をひきしぼる。
矢を番えた手をはなせば・・・・。
やはり、あいもかわらず、
的を見事に外し
矢は街道をとびこえ、むこうの土手に落ちて行く。

『ふ~~~む。よくも、見事に並び立つ桜の隙間を
ぬってゆくものよ』
下手を通り越してしまうとこれも一種の器用の部類になるのかもしれない。
那須与一(友情出演。/時代をこえて)は
手本を見せてやりたい思いをこらえて、殿の弓術を見つめる。

1本10本。20本。
どの矢も的に当たらないのである。
この間のまぐれを狙う殿であるが、
今日はそのまぐれさえ出てこない。

あいかわらず、
矢は桜の木の隙間を抜けてゆくのである。
「野原氏」
殿の乱射事件は怪しい雲行きを見せ始めていた。
誰かに呼ばれた家老。野原新左衛門は
手招きする田中氏に気がついた。

「なんだ?」
「いえ・・。このままでは、街道を通行する人間に矢があたってしまいます」
「たしかに・・・」

どうする。どうする。いかがいたす。
すると、そこにやってきたのは、
件の与一である。
二人の話が聞き洩れたようで、
与一はいう。
「良い案がございます」
「おお?!どうすればよい?」
「はい」
与一のいう事である。
殿の弓の腕はまさしく神技に近い。
あそこまで、的をさけられるのだから、
そういっても過言ではあるまい。
で、、あるならば、
通行人に的をつけさせ、
街道をとおりぬけさせればよいではないか?

なるほど。それならば、まちがいない。

妙な所で殿の腕が高くかわれたものであるが・・・。

早速、街道の右と左に分かれ行き交う人に
的を渡すことにしたのである。

ゆきかう人が的を持って桜の後ろから蟹のように横ばいで歩いてくる。
それを見た殿はやっきになって、
的をめがけて矢をいかけるのである。
すると、あれほどあたらなかった
桜の木に矢が当たりだしたのである。
的が外されたものの、
本来の標的物に矢を撃ち込む事が出来たのである。

が、元来殿様というものは、きまぐれで、あきっぽい者である。

「ああああ~~。あきちゃったよ。
おお?そこにいるのは与一ではないか?
おお。そうじゃ。
ここにきて、余に手本をみせよ。
あの、的をいぬいてみせよ!!」

与一は百発百中の弓の名手である。

殿の傍に居並ぶものたちは与一の胸中を思った。

弓の名手の面目を考えれば的をいぬかねばなるまい。
が、矢が的を貫通すれば、
通行人が怪我をする。
殿の命をうけて、
断るわけにもいかない。

どうする?
どうする?
どうする?
与一~~~~~~~!!

黒~~~~!!★新之助シリーズ第3話

黒~~~~!!/其の①
新之助。
今日は馬術である。

殿は例のおひんにまたがり
颯爽と
新之助は
もう一頭の馬。
黒にまたがり・・・。

またがってない。

それどころではないのである。

あぶみをつけようにも、
黒は否否否~んと、
にげまどう。
新之助は
背中にのせてもらえないどころか、
黒にくいつかれ・・・。

「殿・・・さては、こうなるのがわかっておいでだから、
新之助に黒をおしつけたのですね」
「だって・・・。黒はいう事をきかないんだも~~ん」

はああああ。
まずは黒を手なずける事が先のようである。

だけど、
新之助には妙案があるのである。

お話はいきなりとんで、
次の日である。

「さあ、いくぞ」
殿は今日も馬のお稽古だという。
だけど、
本当は新之助が困るのを楽しんでいるようである。

新之助は昨夜のうちにすでに策をろうしている。
だから、落ち着き払って、
厩に向かってゆくのである。

殿はさっさと、おひんをひきだし・・・。
今日も黒に食いつかれる
新之助を・・・。

「あれ?」
黒は新之助に大人しく
従い、その背に新之助をのせるではないか?
「あれ?あれれええ?」
獰猛な黒が人を乗せている姿を初めてみた。
感動的でもあるが・・・。

「新之助?ようも黒をのりこなしたのう?」
姿形を言えば
黒はおひんとは、比べ物にならない
精悍な牡馬である。
「ああ。いいなああああ。殿も黒にのりたい」
おひんの背をおりて、
黒に近づく殿である。

ところが、殿が黒に近寄った途端。
がぶりとくいつこうとするのである。
「えええええ?なんでえ?どうしてええ?」
殿は新之助に
黒を従わせた馬術の基本を
ぜひとも、ききたださねばならない。
そして・・・。自分こそが黒にまたがり、颯爽と・・・。

「新之助。どうやって黒をてなづけたのか?」

黒~~~~!!/其の②
「実はですね・・・」
殿の耳に口をよせて、新之助は
黒を手なずけた方法を
お聞かせ申した。

「にゃに~~~~?」
びっくりしたのは、殿である。
だけど、新之助は
「だって、其の方法なら、確実だとおもったのです」
「・・・・」
言葉が出てこない殿である。
「だって、その方法で新之助は殿になつきました」
たしかに・・・そうだろう。
そうだろうけど、
なにも、黒にしこしこ、こしこし/あああああ!!抵抗がある表現だあああ(作者)
してやらなくてもいいじゃな~~い?

「でも、それで、あの通りですから」

「・・・・」
ふむ。

懸命な読者諸君は、
当然このあと、殿が早速
黒をてなづかせるために、
奮闘されるのは、
想像されているであろう。

新之助が下城した、
其の日の深夜。
厩に忍び込む殿がいるのは
当然の話の成り行きである。

黒~~~~!!/おしまい
さて、殿である。

草木も眠る丑三つ時に
こそこそと
厩に忍び込み・・・。

そっと、黒の後ろに
踏み台をおき、・・・。

え?
黒がきがついたのでは?

ま、そこは・・・。
すんなりと・・・。
と、いうことに。

で、黒に・・・・。
殿が何おかをしでかすのでございますが・・・。

流石にそうなれば、ここで黒めもきがつきますが、
すでにおそし。

殿の恣意のまま・・・。

やがて・・・。
黒めも気分がよくなってきたのか、
ふ~ふ~と、鼻息もあらくなってくるではありませんか。
それをみて、よろこんだのは、
殿でございます。
「やった。これで、黒はいうことをきくようになるぞ」

シッカリ、黒をてなづけるために殿はますます
えっちらおっちら、頑張るのです。
黒はますます、
過剰に反応し、
やがて、尻尾をぴんとあげ・・・。
「ウひゃああ・・・なんじゃあ?これは?」
黒のその部分が
うにゃうにゃとうごきはじめてゆきまする。
「うはは。さては、極楽をあじおうておるな?」
其の動きはますますリズミカルになり
黒への侵入物を
外へ押し出して行くかのように
せばまってくる・・。
「ざま~~みろ~~~」
殿は大満足で、
もう、これで、黒をてなづけたぞと、
踏み台の上で
なおも黒の反応をたのしんでおりました。
「うわ?すげえ。おしだされちゃうよ」
殿の一物は黒のなかから、ぐいぐい、おしだされてきます。
「うわ?すげええええ」
だけど、黒の反応に感動している場合ではない。
だって・・。
「え?あれ?」
ぐいぐい押し出された殿の一物。
そのあとに、

ぽろりん。
「え?」
ぼとん。

「・・・・・・」

なんということでしょ。
「げ?く・・・・」

黒は確かにその気になったのですが・・・。
どうやら、違う方向で
その気になったようです。
「げ?げ?」

殿を押し出した其の部分から
つづけて、でてきたのは・・・・。
「げ?糞だああああ~~~」

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