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葵・・・1

 それは、いつごろからだったろう。彼という存在がこれ以上無いというほど、重く大きな存在になったのは・・・・ミッシング無くして判るという言葉もあるが、私もそうだったと思っていた。長い時を重ね合わせ、人生の半分以上に彼の存在があった。それが、当たり前になりすぎていたといっていいかもしれない。ときめきやら激情が平らになってしまい私という小さな泉はただ、彼の姿をぼんやりと映していただけだったのだろう。...

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葵・・・2

 仕事から帰る道すがら、私は必ず、マーケットに寄った。彼との夕食の材料を買うためだった。そこに、あの人がいた。2年近く、ほぼ毎日、同じマーケットに通っていれば、レジの店員の顔を見おぼえる。家計を助けるためにパートで働く主婦層ばかりのレジ店員の中にいる男性は奇妙でもあった。年齢は・・・私とそんなに変わらなさそうに見える。結婚していてもおかしくなさそうな年齢でもあるけどレジの給料で、家庭をささえら...

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葵・・・3

 彼はいつも優しい。どんな時でも、穏やかで、これ以上、理想的なだんなさまはいないだろうと思う。それが、逆に、私にパラレルワールドを作らせていた。なにか・・・・。不倫のような・・・この人は実はほかの人の旦那様でどこか、物寂しい私のことをほうっておけなくてこっそり、私とあっている。そんな異世界にはいってしまったような・・・なんともいえないちぐはぐさがあったのだと思う。こんな私に申し分のない彼氏がい...

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葵・・・終

 そして、今、私の隣に眠っているのは彼でなくスーパーの男性である。なぜ、こんなことになってしまったのだろうか・・・・。そのきっかけを思い出している。仕事でかなり、神経がくたびれていた。彼もまた、残業が続き、たまの休みも一日中アパートの中ですごしているだけで私もまた、うつらうつら、眠って過ごすことがかさなった。仕事の愚痴は聞きたくない。それは私が彼にかせたルールだった。眠りだけが彼の安息だったの...

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葵・・・そのあと・1

 彼が・・・突然、帰ってこなくなった私をそのままにするはずがない。だけど、彼もまた、なにかを察していたのだろう。最初の時点で「どうしたの、なにかあったのの?事故?病気?」そうとでも、心配してくれれば、私はマーケットの男から、すぐに、彼のもとに戻っていたかもしれない。一度だけの癒し・・・そう踏ん切りをつけて口を拭って彼のもとに帰ったかもしれない。だけど・・・・。確かに彼は誰よりも私を理解していた...

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葵・・・そのあと・2

 「あなたのことは好きよ。でも、これ以上つづけていけない」そんな答えは嘘かもしれない。「好きな人ができたから、そう思うようになったってこと?」その答えも違う。違うけど、現実はそうだ。ほかの男に、簡単にすがれるくらいの思いしかなかった。それが本当だろう。「彼氏・・・できたんだ?」あの人を彼氏とよべるだろうか?いや、それよりまえに彼は本当に彼氏だったのだろうか?「俺のこと、きらいになった?」まるで...

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葵・・・そのあと・3

 誰にだってあるだろう。例えば、そばに寄ってこられただけでもぞっとしてしまう相手がいる。そんな嫌悪感と裏腹に軽く、抱き寄せられただけで思い切り心が安らぐ…そんな相手も・・・どんなに言葉を尽くしてみても、言葉ではぬぐえ切れない事実はある。「だから・・・?」そう・・・。私は・・いや、私の体は彼を拒否していた。それを抑え込んでいたのは大切な相手という呪文のおかげだっただろう。だけど、何度か交渉をさけ...

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葵・・・そのあと・終

 私はどこに流れていくのだろう・・・終わりにならない終焉をむかえ始まりにならない出発をむかえ二人の男の心にわずかながら癒される。そんなに私もすてたもんじゃない。かすかにそう思える、やさしさにつつまれながら・・・私はふたりの男の間のそのど真ん中にある、時のはざまににげこんでいるだけなのだろうか・・・・。「今・・・」彼の携帯にも聞こえたのだろう。「チャイムがなった・・ね」彼の顔はきっと苦痛に歪んで...

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