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あおによし・・構想中

「このくらい・・」
唇をかみしめても、まだ、それでも
噴出してくる悲しみと悔しさがある。
太子は手をにぎりしめ、
己の静観を待った。

こんなときに、思い出すのは、いつも、スサノオとおおくにぬしのことである。
「こんなものじゃない」
己の苦しさをはかりくらべながら、
太子は生き難さが角をたてないように、言い聞かせる。

「根の国をおさめよ」
そういわれたスサノオを思う。
根の国・・・。
この世に存在しない黄泉の国をおさめよとは、ひいては、死ねという事でしかない。
憤怒がそのまま、声になる。
「いかほどに・・。
ならば、根の国にどういけばよろしいですかな」
スサノオはたっぷりの皮肉で応戦したはずだった。
炒った豆から芽が出ぬように
ひねった鶏が朝を告げないように
スサノオがいきながらえたまま、どうやって、黄泉の国へいけようか?
スサノオの問いに用意される答えがまさか愛馬の死姿とは思いもしなかった。
話し合いがものわかれのまま、
スサノオは席をたった。
扉の向こうに馬をつないである。
それにまたがり、
球磨をめざすか、
出雲をめざすか、
いずれ、どちらをさきにとて・・・。
軽い失笑の笑みが瞬時、こわばる無残が目の前に広がっていた。
丸裸に皮をはがれた馬がもがきくるしみながら、命をたたもうとしていた。
「おのれ・・、これが・・答えか」
黄泉の国にいくに、どうすればよいか?
スサノオの憤怒をいかほどおさえたことばであったか、
しるよしがある、はずであろう?
で、あるのに、
戯言をみよがしに兆着する大人気ないあざとさで、愛馬の命は立たれた。
「ねの国には・・いかぬというたであろうに」

太子のめの中に
愛馬の死骸をもちあげたスサノオの
姿がうかぶ。
「このくらいのものではない・・」
スサノオの悲しみと悔しさ。
今の太子におよびつかないものがあろう・・。
それでも・・・、
スサノオはなにもかもを赦す。

「このくらい・・・」
太子とてゆるせる浅瀬でしかなかろう。

そして、おおくにぬし。
出雲の国譲り。
天にも届くほどの大社をたててまで、
おおくにぬしへの鎮魂を果たさねば成らなかった、そのうらがわ。

おおくにぬしは
「和」をもってして、体制に殉じようとした。
だが、謀反と諮りをおそれた朝廷側が
彼に何をしでかしたか。

おおくにぬしの心情やいかに。

ふと・・・太子の想念が止まる。

スサノオがすでにもっていた
「和」
おおくにぬしが受け継いだか
「和」

日本の古来にすでにその考えがある。

「和をもって・・尊し」
この度の曽我氏と物部氏の意見。
並び比べて
太子の心が傾いたのは
曽我氏が押す仏教教義が
はっきりと
「和」を持ち出していたからといってよい。

太子が
「和」を尊び
明確な倫理として
教義に持ち出す仏教を加担するには、
加担するわけがあった。

太子のうしろにあるのはあまりにも悲惨な境遇。
太子の縁者、なべて
太子の『辛抱』により
今の立脚があるといって過言で無い。

太子自らが器のたがをこわせば
なにもかもが崩壊していく。
太子が崩壊への撃に走らないのも
どれほど、
太子の「寡黙」が
一族郎党の「和」をささえている根であるかを
熟知していたからといってよい。


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